【Minato×4-smile対談】初のM&Aから考える、互いの事業成長を可能にする「パートナー」しての歩み方
化粧品企画販売とデジタルマーケティング。一見、業界としては離れた事業をもつ二つの会社が、2024年4月、M&Aによって繋がりました。海の恵みから生まれた化粧品ブランドを展開する株式会社4-smile(以下、4-smile)と、デジタルマーケティング支援を専門とする株式会社Minato(以下、Minato)が互いの事業成長を可能にする「パートナー」としての在り方を、両社の対談から紐解いていきます。
そして、両社はこれから歩む道を、どのように描いているのでしょうか。今回、Minatoの 執行役員 菊地さんと4-smileの代表取締役 長谷川さんに語っていただきました。
【対談者プロフィール】
株式会社Minato 執行役員 菊地
高校卒業後、音楽業界に進みソニー・ミュージックエンタテイメントと契約。契約終了後はアパレル店舗の経営や自社メディア運営をする傍ら、第六次産業化の支援やECサイト構築、商品開発、販路開拓など多岐にわたる業務をフリーランスとして手がけてきました。2018年にはRepro株式会社に入社し、デザインチーム立ち上げやマーケティング事業部の再建を担当。その後2022年には株式会社Minatoに参画し、現在はM&Aや経営企画を担当し、組織のスケールアップや新規事業の立ち上げを推進しています。
株式会社4-smile 代表取締役 長谷川
高校卒業後、美容学校に入学・卒業。美容師を9年間務める傍ら、ヘアメイクのお仕事も手がけてきました。その後2014年に化粧品会社に入社し、営業部部長を務める。2020年に株式会社4-smileを設立。多くの方に使っていただけるようにと想いを込めたブランド『AQUA MARE』を立ち上げる。現在は取扱店舗の拡大・新たな価値(商品)を提供するために新商品の開発を行っております。
美容師から起業家へ、4-smile独自ブランド『AQUA MARE』の誕生
ーー4-smileで、長谷川さんはどんなお仕事をされているのでしょうか
長谷川:現在は主力商品である『AQUA MARE』という化粧品を企画・製造・販売促進を行っています。実店舗を持っている販売店や、ドラッグストアなど運営本部への商品販売企画の提案を行っています。そして商品の販売取扱いが決まった後は、各店舗を訪問して販売におけるフォローアップなどをしています。
ーー事業開始から徐々に業績が伸びていったという4-smile起業のきっかけと、『AQUA MARE(アクアマーレ)』誕生のきっかけを教えてください
長谷川:元々、8年半ほど美容師をやっていました。美容師という仕事はとても好きで素晴らしい仕事でしたが、20代後半で『自分が勝てる仕事は何だろうか』と本気で考えて、仕事が好きなうちに辞めました。
その後、化粧品会社に入り、最終的に自分で会社を立ち上げました。その時に考えていたのは、「人に優しい」商品を作りたいという思いです。今の時代は、化粧品に使える原料の種類も増えたんですが、その反面様々なアレルギー反応が出て困っている人が増えているのも事実です。
自社ブランド『AQUA MARE(アクアマーレ)』のコンセプトは『海』です。生命の誕生はすべて海からという考えで、海から採れる原料でメインの成分を構築すれば、比較的多くの「人に優しい」商品として使っていただけるんじゃないかと思ったんです。
4-smileの強みは、何と言ってもオフラインの販路ですね。全国で約5000〜6000店舗の取り扱いがあり、売上の約98%が実店舗によるオフラインの販路での販売実績です。これから、Minatoさんとデジタルマーケティングを強化してECでの販売も促進しオンラインの販路からの販売実績も伸ばしていきたいと考えています。
M&Aの決め手は「価値観の一致と信頼」
ーー4-smileがMinatoとM&Aで出会うまでの話を聞かせていただけますか。まず、きっかけはなんだったのでしょうか。
長谷川:実は最初から積極的にM&Aを考えていたというわけではありません。化粧品業界は新規参入しやすい業界なんですよね。大手企業がやはりマーケットの中では強かったり、新規参入してきた事業者の商品が流行ったり非常に移り変わりも早い業界です。そんな中で、4-smileの事業が徐々に伸びてきて、「もしお互いに相乗効果や相互補完し合って成長できるような、いい会社があれば」程度に考えて探していたというのが経緯です。たまたま、ネットで見つけたM&A仲介会社を通じて、Minatoを含む数社とお話しする機会をいただきました。
ーー両社が初めて会った時の印象はどうでしたか?どんなお話から始まって、M&Aの合意にいたったのでしょうか。
菊地:まずM&A仲介会社から紹介を受けた時にお話しをしてみたいなと思ったきっかけとして、「財務状況」が非常によかったという点は大きかったですね。MinatoとしてのM&Aは初めての試みということもあり、事業再生案件などはリスクが高いため避けたいというのがありました。
そんな中で、4-smileは堅実な経営でしっかりと利益を拡大していたため、とても好印象でした。
その後、交渉を開始し、初めて直接お話した印象は、『信頼のおけそうな方だな』というのを感じました。もちろん印象だけではなくて、コミュニケーションを取る中で考え方や価値観が合うなというのはお互いに感じていて、話はスムーズに進行していきました。オンラインで2、3回ざっくばらんに話をしていく中で、お互いの事業の内容や今後目指したい方向性について話して行ったのを覚えています。
長谷川:菊地さんやMinatoの代表取締役CEO 山﨑さんとお話しする中で、デジタルマーケティングにおいてプロフェッショナルさを確信しました。ちょうど4-smileとして、課題を感じていたのがデジタルマーケティングの領域でした。ここがMinatoさんの一番の魅力だと感じましたね。
お互いの足りない部分を補完できて、成長し合える関係だと思ったんです。
M&Aへの不安 ー 何もかもが変わってしまうのではないか
ーーお二人のお話から多くの対話を重ねてきたことが、伺えますね。長谷川さんが大事に成長させてきた4-smileですが、M&Aを決断するまでに不安や葛藤はありませんでしたか?
長谷川:実はM&Aをする時に不安もありました。M&Aすることで4-smileが根底から何もかもすべてが変わってしまうのではないかと。でも、Minatoさんが4-smileの積み上げてきたやり方を尊重し、丁寧に進めてくれたので、不安は徐々に消え、一緒にやっていける確信が持てました。
これは偶然なんですが、M&A仲介会社の担当者の方も、Minatoの菊地さんも山﨑さんも我々はみんな同い年で驚きましたよ。これは、もう運命なんじゃないかと感じましたね(笑)。
それはさておき、ネガティブなギャップがなくスムーズに進めることができたのは、お互いの価値観が合っていたからなんだろうなと思っています。
菊地:Minatoはこれまでデジタルマーケティング領域に絞った支援を事業展開してきたのですが、かねてより支援の幅を広げて様々な顧客の課題に対応したいという希望がありました。そんな中、ほぼオフラインだけで売上を拡大してきた4-smileは領域拡大という点でもとても魅力的でしたし、話をしていく中で、ゼロからMinato単独でオフライン販売経路を開拓していくのは難しく、ノウハウや経験を持っている企業または人が必要不可欠だと感じ、それが今後のMinatoの成長に必要だと思ったためM&Aが実現したと思っています。
M&Aをした後の代表の多くは、事業から離脱するケースが多いと聞きました。でも今回のM&Aでは、議論を重ねていく中で、4-smileの強みであるオフラインの販路拡大のノウハウとナレッジを持った長谷川さんが、今までと同じ目線と熱量で取り組んでくださることになったんです。一緒にお互いの事業を成長させていくパートナーとして「信頼」できたという点は決定打として大きかったです。
〈今後の展望〉商品展開の拡大と10倍の成長を目指す
ーー現在、Minatoと4-smileはすでに何か取り組まれているのでしょうか。
菊地:現在(2024年7月時点)は、PMI※に取り組んでいる最中ですので、まだ大きな変化はありませんが想定通りに進行しています。時にはMinatoのCrew(Minatoのメンバーの呼称)と、販促企画におけるアイデア出しなどの意見を出し合ったりしていますよ。そういうところを見ると、いい感じに統合してきているなというのを感じますね。これからが楽しみです。
※PMI(Post Merger Integration)
M&A(合併・買収)後の経営統合、業務統合、意識統合の3段階からなる統合プロセスを指す。
ーーこれからの4-smileはどうなっていきたいのか、どんなことに挑戦していくのか展望を教えてください。
長谷川:今後の目標は、自分が作った商品をもっと世に広めることです。デジタルマーケティングを活用してECチャネルを強化し、5年後には売上を10倍にする目標を掲げています。新商品の開発スピードも上げ、現在のスキンケアからヘアケア、オーラルケア、メイクアップなど商品展開の拡大を目指しています。
菊地:4-smileをM&AしたこれからのMinatoの役割は、4-smileがチャレンジできる回数を増やすことだと思っています。化粧品開発は一つのヒット商品を作るためにいくつもの商品を開発し検証する必要があります。そのためには商品開発の資金はもちろん、社内体制の強化も必要不可欠です。資金の面では既存商品の販路をマルチチャネルに増やしつつ、デジタルマーケティングを駆使して世の中のより多くの人に商品を手に取ってもらえるよう、取り組んでいきます。
組織体制の強化は、Minatoの強みでもあるBusiness Admission Office(通称:BAO)が、子会社も含めて対応することで不要なコストをかけず効率的な組織体制を作る手助けができると思っています。
菊地:このM&Aは、単なる買収ではありません。お互いの強みを活かしたシナジー創出です。4-smileの商品力とオフライン販路、Minatoのデジタルマーケティング力。それぞれの強みを掛け合わせることで相乗効果を生み出し、経営や事業創造の面白さを体現していくことのできる経営活動だと思っています。
【積極採用中】大手企業では出来ない、幅広い経験を積みたい方におすすめの環境です
ーー最後に、どんな方と一緒に働きたいですか?
長谷川:ガッツがあって明るい方と一緒に働きたいです。細かいスキルはもちろん大切ですが、何よりポジティブな人柄が重要だと考えています。少ない人数で活動するからこそ、一緒に楽しく働くことができたら嬉しいので、前向きで向上心のある方がいいですね。
コスメや化粧品が好きな人も大歓迎です!
仕事内容としては、商品の企画開発から販促や営業まで、すべてに携わってもらいたいと思っています。小規模だからこそ大企業ではできない、幅広い経験ができるのが魅力だと思います。
株式会社4-smileの募集ページは👉こちら
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