夜が好き
深夜の人気のない街を歩くのが好き
深夜にベランダに出て吸う煙草が好きだった
高層ビルの赤く定期的に点滅するランプ
自分だけしかいないような特別で贅沢な空間を感じ
でも知らぬ家に灯る明かりが何故か落ち着きを与えてくれる
少しの眠気と共に昼間とは違う気温差のある、
涼しげな風を感じ歩く東京の街が好きだ
虫の音と遠くから聞こえるサイレンの音
完全な暗闇にはならぬ街灯
切なさを感じつつも
懐かしさを感じ
感傷的な気持ちにもなり
物憂げな想いに包まれ月を見上げる
時に大好きだった人と手を繋ぎ歩いた夜
時に独り泣きながら過ごした夜
眠れぬ夜
多くの想いを与えてくれる夜が好きだ