見出し画像

今日は台湾全土でちまきを食べる日!

前話:台湾のガチョウ肉レストランの名店は「阿城鵝肉」だけじゃない! / 次話:台湾で食べるバインミー!

 今日は皆で粽子ゾン・ヅ(ちまき)を食べる日――じゃなかった、端午節トゥアン・ウゥ・チィエ(端午の節句)です。

 でも、まあ、そうなんですよ。今日が台湾全土粽子ゾン・ヅ(ちまき)を食べる日であることは間違いないんです。 

 ――なぜ今頃端午節トゥアン・ウゥ・チィエ(端午の節句)?

 と思われるかもしれませんが、今日は――

「旧暦の五月五日なんです。

 ちなみに台湾では伝統的な年中行事は、全て「旧暦」を使います。

 ところで……

端午節トゥアン・ウゥ・チィエ粽子ゾン・ヅ(ちまき)を食べる習慣の由来をご存じですか?

 ――時は戦国時代。楚国の詩人・政治家であった屈原は、秦国の脅威を訴えますが、その進言れられず、あげくに放逐の憂き目をみてしまいます。ところが楚国の運命は、正に屈原の予言通りの結果に……。祖国が秦に蹂躙されるのを見た屈原は悲憤慷慨し、絶筆『懷沙』を残し、石を抱えて汨羅江に投身自殺してしまいます。

 楚の人びとはこの愛国詩人を惜しみ、竹の皮にもち米を包んで河に投げ入れ、魚たちが屈原の体を食い散らさないよう祈ったのでした……。

 屈原が自殺した日が五月五日だったため、以来この日に「竹の皮にもち米を包んだもの」――つまり、粽子ゾン・ヅ(ちまき)を食べて、悲劇の愛国詩人をしのぶようになったというわけです。ですから、端午節トゥアン・ウゥ・チィエは別名詩人節シー・レン・チィエとも呼ばれます。

 さて……

 由来のお話はこれくらいにして、今日私が屈原をしのんで(?)食べた粽子ゾン・ヅ(ちまき)をご紹介しましょう。 

「北部粽」:「南部粽」とは味が異なる

 これは一般的に北部粽ペイ・プゥ・ゾンと呼ばれる、台湾北部のちまきです(竹の皮は既に取ってあります)。

 台湾のちまきは大きく二種類に分かれ、他に台南や高雄などを中心に台湾南部で食べられている南部粽ナン・プゥ・ゾンがありますが、私は台北に住んでいるせいか、北部粽ペイ・プゥ・ゾンの方が好きです(「南部粽」は全体的にベトベトした食感なんです)。

 中身はこんな感じ――

これが「北部粽」の中身

鴨蛋黃ヤー・タン・ホゥアン(アヒルの卵の黄身)、滷肉ルゥ・ロウ(醤油ベースの煮込み肉)、香菇シィアン・クー(しいたけ)などが入っています。

 そして忘れてはいけないのが、これ!

私の好きな「甜辣醬」がこのブランド

甜辣醬ティエン・ラー・チィアン(スイートチリソース)です!

 このあまからのタレを付けて食べると、ぐっと粽子ゾン・ヅ(ちまき)のおいしさが引き立ちます。

 台湾の「甜辣醬」にはいろいろなブランドがあるのですが、私はこの「愛之味」ブランドが一番好きです。

前話:台湾のガチョウ肉レストランの名店は「阿城鵝肉」だけじゃない! / 次話:台湾で食べるバインミー!