これは鉄板!台湾に来たら絶対に食べてみるべき!――鳳梨蝦球
日本の友人から、「お薦めの台湾料理を教えて!」と訊かれるのって、実はけっこう困るんです。
台湾での生活が長くなるにつれ、わたしの味覚もかなり台湾化(?)してしまっています。
そのため、わたしが普通においしいと思うものが、日本の友人たちには必ずしも好評を以て迎えられないという、残念な結果になることもあるのです。
そんな時わたしがいつも頼る、鉄板の台湾料理があります。今日はそれをご紹介しましょう。
その料理の名は――
「鳳梨蝦球」です!
わたしの知る限り、いまだかつてこれを食べて、「おいしい!」と言わなかった日本人はいません!
あえて言いましょう。
綺羅星の如き、数多の台湾料理の中でも、これはおそらく日本人の口に合う台湾料理ナンバーワン! 圧倒的高評価を誇る逸品なのです。
作り方を簡単に説明します。
先ず「草蝦」と呼ばれる大ぶりのエビに「地瓜粉」(サツマイモ粉)をまぶし、いったん油で揚げた後、「鳳梨」(パイナップル)と一緒にマヨネーズで炒めます。
「地瓜粉」の日本語を「タピオカ粉」としている資料もあるのですが、それは間違いです。
「タピオカ粉」は英語の「Tapioca Flour」を直接日本語訳したものだと思われますが、台湾では「樹薯粉」と呼ばれており、「地瓜粉」とは違います。
「タピオカ粉」は「キャッサバ」と呼ばれる植物から作られます。「キャッサバ」という名称は英語の「Cassava」からきていますが、和名は「イモノキ」と言います。これは台湾の「樹薯」、つまり「薯の樹」と同じ言い方です。
資料によっては「地瓜」と「キャッサバ」を混同しているものがあるのですが、「地瓜」の英語名は「Sweet Potato」で、日本語の「サツマイモ」に当たります。
ふだんアメリカで生活している台湾人にも確かめてみたところ、「地瓜粉」の英語は「Tapioca Flour」ではなく、やはり「Sweet Potato Flour」(サツマイモ粉)が正しいと言っていました。
「地瓜粉」は、片栗粉よりも弾力のある食感になります。台湾ではこういう「弾力のある食感」を「Q感」と表現します。
「Q」というのはアルファベットの「キュー」です。台湾人は「弾力のある食感」を表現する時、よく「QQ」という擬音を使います。
「QQ」は、台湾人が好む食感の一つなのです。
さて、ここで皆さんに知っておいていただきたいのは、台湾のマヨネーズの特色は、甘味が強いということです。
台湾に来たばかりの頃は、台湾のマヨネーズに「甘っ!」と違和感を覚えていたわたしですが、この頃はたまに日本に帰省した時など、日本のマヨネーズに「酸っぱ!」と顔を顰めたりしています。(ああ、時の流れよ……)
まあ、個人的な話はやめておきましょう。
「甘いマヨネーズと甘いパイナップルで炒めるエビ? それっておいしいのかなあ…」と首をひねったそこのあなた。
おいしいのかなあ、どころじゃないんですよ、もうっ!
たとえ台湾のマヨネーズの甘さに違和感を覚える日本人でも、この「鳳梨蝦球」に関しては、ぷりっぷりのエビに沁み込んだ、台湾パイナップルと台湾マヨネーズの甘みの絶妙さに、思わず舌鼓を連打すること間違いありません!
では、今日わたしが食べた 「鳳梨蝦球」の写真を御覧いただきましょう。
あなたがそれでもまだ信じられないというなら、わたしはこう叫ぶしかありません。
――い・い・か・ら・食・べ・て・み・て・って!
もし台湾を訪れることがあったら、ぜひぜひためしてみてほしい絶品台湾料理です。