【歌詞】絶頂、その果て - ナタクラゲ
実験施設から偶然にも脱出した主人公は、心優しい農夫の家族に拾われる。そこで出会った義兄弟たちと、夏休みのある日に海に行く。クラゲに刺されたことすらも楽しかったような、かけがえのない、充実した一日。人生で一番幸せな日。一方で、その先には何もないのではないかという不安。その不安は、後に現実のものとなる。
何気ない瞬間に、ふと思い出すことがある。小さかった頃の、あるいは数年前の、特定のある日の、特定の風景を。その時感じていた気持ちがよみがえってきて、感傷に浸ることがある。けれどもその感情は、もうあの日ほどの解像度を持って現れることはない。もうあの日には戻れない。あの時と比べて、ずいぶん世界は色あせて見える。
[イントロ]
ほら、起きてよ
もう、寝てないでさぁ
海が見えるよ
ああ、楽しみだね
ねぇ?
[Aメロ1]
君が教えてくれたんだ
人はそんな怖くないと
君が言った「人」ってさ
誰のこと?
二人だけの海の中
手を繋いで泳いだ
それだけでよかった
あの頃は
[Bメロ1]
砂の薫り 潮の匂い
太陽の輝き
握りしめた貝殻を
手放さぬように
[サビ1]
幸せのその先のことなんて
そんな 考えたくもない このまま
愛の腫れあがる毒に絡まれ
違う まだまだ 続くはず 時よ止まれ
[Aメロ2]
煙の奥 君の顔
焦げた甘い匂い
君だけを見てれば
よかったな
喧騒から離れるよう
ひとり歩く裸足で
砂の中 埋もれる
腹の底
[Bメロ2]
吹雪の中 足跡ひとつ
泡みたいに溶けてく
飛び去ってゆく海鳥に
手を伸ばしても
[サビ2]
幸せのその先のことなんて
そんな 考えたくもない このまま
夢の張りつめたゴムが弾けて
すべて終わってしまうのか そんなのやだ
[ギターソロ]
[ドラムソロ]
[Aメロ3]
二人でゆく海の底
光も届かぬほど
深い渦に飲まれ
融けてゆく
君の声は今でも
呪いのように取り憑く
鈍い痛みの中
泣き叫ぶ
[Bメロ3]
見下ろす雲 奥には尾根
無邪気なその優しさ
だからお願い もう私に
微笑まないで……
[サビ3]
幸せのその先のことなんて
そんな 考えたくもない このまま
愛の腫れあがる毒に絡まれ
違う まだまだ 続くはず 時よ止まって……
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