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「ハード独占タイトル」が嫌いじゃない

Xboxの「ブルードラゴン」を買いました。
キャラクターが鳥山明。音楽が植松伸夫。
Xbox独占タイトルで、もうひとつのドラクエ、ファイナルファンタジーになるかもしれなかった正統派、日本型RPG。

ならなかった。当時のXBOXユーザーがどれくらいこういうのを求めていたのか、ユーザーの反応も想像するしかない。

敵のヤドカリウンチくんが光を浴びているところです。
こっちの鳥山明の作風!?って笑った。親と離れ離れになって命がけの冒険を始めた少年少女が出会うモンスターがアラレちゃんの世界観!

あー、リアルタイムで困惑したかった。

僕はプレステVSセガサターン戦争でサターンに魅了されて、ゲームハード争いをちょっと楽しいものと思っている。
XBOX360を買おうとしてゲーム屋の店頭まで行ってたまたま在庫がなかったりして縁がなく、PS4がプレイステーションでいちばんよく遊んで、今は逆にPS5が品薄だったときにXBOXを買って、つなぎのつもりの縁が長く続きそうになっている。

今になって、噂だけは聞いていたXBOX専売ソフトを買ったりするのが楽しい。ニンテンドースイッチも持ってないから10年後ぐらいに生きてたらゼルダとか買うかもしれない。

「ブルードラゴン」は今見ても美しい3Dフィールド(現行XBOXだと補正がかかるらしい)と、ドット絵の時代のRPGの感覚が混じっている。
冒険しながら、合間にちょくちょくベルトコンベアに乗せられる感じ。
強敵が現れて、「あ、このピンチは助かるやつだ」と先読みできる展開。
いかにも後で開けてください、とばかりに大量に置かれた宝箱。

実家のような安心感、とまではいかない。久しぶりにもどったらリフォームされていた実家みたい。

キャラクターを見て、
「俺たちの愛した鳥山明先生の帰還じゃー!」って宴を開くほうじゃない、ちょっと抑えたときの鳥山先生というか。
クロノトリガーの音楽とキャラクターの、あのバキバキに立ちまくったのと比較すると、同じレベルの天才を集めてもなかなか再現できないことがわかる。


最近、Xbox専売ソフトがプレイステーションで出るようになるかもしれない、と噂になっている。
近いうちに詳しい説明があるようです。

全てのソフトを全てのハードで、多くの環境の人に遊んでもらえることはいいことだけど、僕には、言い方は難しいけど、遊べないゲームが存在してもいいじゃないか、と思う。なんなら、
「当時のこの環境でないと遊べない!」とウワサしか残ってないゲームが存在することにロマンを感じる。

当時のゲームセンターだけとか、なんならゲームじゃなくても生のコンサートで本領発揮するバンドとか、もう味わえなくて資料だけの食べ物とか。
僕が一生楽しめないものが、たしかにあったという事実だけでいいんです。

レアなハードの独占タイトルには情報がない。
物によっては人気シリーズの外伝だけが今でもプレイ困難なまま、洞窟の奥に眠ったお宝みたいに
「すごかったらしい」と噂だけが漂っている。
使い古された、神ゲーだとかクソゲーとか陳腐な言葉で消費されずに、ひっそり、誰かにとっての宝物だったものが手のつけられてない状態のままである。

このハードではあれができてこれができない、できないけれどこれならある、とか言いながら楽しみたい。

これはXBOXと風呂場の洗浄に注文したやつ

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。