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健康診断

「年くったら同窓会の話題が病院の話ばっかりになる」って、おじさんあるあるの話があるけど、今すぐできるのが健康診断の話しかなくて悲しい!
もっとちゃんとしたことを言いたいのに、土、日、にひとつづつ記事をあげる宿題を自分に課した結果、あのころ聞いたおじさん人生を歩んでて悲しい!

健康診断に行った!

おととしぐらいに初めてバリウム飲んで、ぐるぐるアクロバティックなベットで回されて、「意外と楽しいな」と思った。苦しいのもあるけど、それ以上に初めての経験で楽しかった。
それが今年は、難易度がミディアムハードぐらいに上がってた感がある。
「これ全部飲んでください」
って渡されたバリウムの量、多くなってないか…?
しかも全部飲めて当然でしょって感じで渡されてレントゲン室から出ていかれた。慣れた人向けの対応になってる。

手すりつきベッドにつかまって、炭酸のゲップが出たら中断するのをガマンして、いろんな角度で回転したり左右に転がったりする。
毎回、マーベル映画のヒーローに適合するための訓練とか、ロボットアニメの訓練を連想する。

これは、胃カメラも病気の宣告も受けたこともない若造の感想かもしれん。
数年後に(あの検査が楽しいなんてのんきなヤツだったなあ・・・)と手術室に運ばれながら思うのかもしれない。

ところで、診断結果を待つあいだ、待合室で週刊文春を読んだ。
待ち時間に読書するのが集中できるのに、ポケットのない着替えを渡されて何もできなかったのだ。
噂のブンシュンは思ったより普通の雑誌だった。
上沼恵美子の人生相談で喫煙者の男性に文句言ってたりする。年齢層も喫煙率も高そうなのに「くさいねん!口にミント詰め込んでモンダミン流しこんだろか!(うろ覚え)」を平気で言って苦情が来ないゆとりはあるんだ。

川柳コーナーのお題が「小骨」で、
骨のないアジの開きはうまくない
って川柳が採用されていた。

割とほのぼのしてて、YOUTUBEの煽りサムネが並んでる画面のほうがずっと狂ってる!インターネットのほうが狂ってる!
って思った。メールじゃなくてハガキのお便り募集しているのを見て久しぶりでほっとした。

待ち時間のあとは、医者のセンセイが、胃とか十二指腸とかぼくの内側の写真をスワイプしながら
「きれいだねー」
「これもきれいだねえ」
と言ってくれて、インスタのコメ欄に誉め言葉が並ぶグラビアアイドル状態を味わった。
タバコと酒が苦手なせいか、毎年ほめられる。
ライターを人生で数回しか使ったことが無くて、もしキャンプでライターを渡されても何もできない。

内臓くんたちだけが、まだまだ現役だ。
「何十年でも食ったもん消化してやりますよ、酸素も取り入れてやりますよ、生きるために栄養を吸収してやりまっせ!」
と元気いっぱいで、申し訳なかった。あんまり自分で健康な感じがしないし、特に今年はつねに疲れてる。いくら寝てもだるい。暑さのせいであれ。

人が健康だった話ってなんでこんなつまらないんだろう。
他人の不幸を望んでないのに、元気宣言より闘病記につい目が行く。

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。