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空回りする苔栽培とSFライフ

苔を買った。ゆくゆくは苔テラリウムとかいうものを形にしたい。部屋の隅にそっとガラスの容器に緑を閉じ込めてミニチュア世界の創造主になって眺めるんだ…。

そんなことを言っていたような気もしますが、その後の苔の具合は悪く、枯れたわけではないけど茶色くなってしまった。
苔なんか栽培するだけなら楽勝だろう、だって駐車場のわきの溝で誰にも世話されずにずっと健康なんだから。枯らそうと思っても枯れないぐらいじゃないの、と甘く見ていた。

(こういうのって、実際にやってみてわかるから面白いなあ)

実際は、部屋の中で駐車場のすみっこを再現して適度な水の量と換気をしてないといけない。
見方をかえれば、「駐車場のすみっこの苔以外は全滅」していたのだ。

アスファルトを突き破ってタンポポが咲いてる、絵みたいな光景も見たことがある。もっと広いところにある花は人に踏まれていたりして、アスファルトのすき間をぶち破って咲くほうが楽なのかもしれない。植物界と人間界で住みよい場所は異なる。


SF小説を読んだ。
ジーン・ウルフ「書架の探偵」
「わかる」ほどの素養が自分にはまだなかった。

図書館で本を印刷する機械をレンタルして、家で直接本を印刷してくれるサービスがあったり、過去の人間の記憶をコピーしたクローン人間が貸し出しされていたりする。何、このややこしいサービス?

電子書籍なんて想像もできない時代に書かれた小説なのかと思ったらそこまで古くもない。でも、盗聴器がすぐ見つけられるぐらい大きかったりするのは、新しい作品っぽくない。舞台設定が飲み込みづらい。

だけど導入はすごく魅力的。

主人公は、昔の小説家の記憶を持つクローン人間。
前の自分が書いた本になんらかの秘密があって、本を狙って殺人すらいとわない集団が狙ってくるのだが、その本は自分の著作らしいけど書いた記憶がない。
自分は、著書になんの秘密を仕込んだのか、というミステリーだ。

今回は合わなかったけど、芥川賞・直木賞が発表されて候補作の単行本も出ていたので、何か選んで読もう! タイミングタイミング。

あらすじを見た限りでは、夫が風呂に入らなくなる話が気になる。
悩みのある人の行動や風貌がなんか変になるケース、あるなあ。

読んでくれてありがとうございます。 これを書いている2020年6月13日の南光裕からお礼を言います。