プリズン・サークル-シネマ・チュプキ・タバタ
シネマ・チュプキ・タバタは、広さ 56㎡ 収容人数 20人のとても小さな映画館だ。だけを他の映画館にない特徴が2つある、1つは音がとてもいいということだ、フォレストサウンドとなづけられた、音響監督の岩波美和氏によってチューニングされた、7.2.4chのスピーカーが奏でる音は、すばらしい。
確かに、立川シネマシティの「極音」のように重低音が楽しめる映画館はちらほらでてきたけど、サラウンドが天からふってくるフォレストサウンドはまた別格だと思う。
さらに、目の不自由な人たちと共に映画鑑賞を楽しむために、言葉による映像の解説(音声ガイド)をいち早く手がけた日本初のユニバーサルシアターであること、映画を愛する531名の方々の募金によって設立された日本で1番小さな映画館であることも特筆することだ。
こんな、素敵な映画館が、田端にあるなんて町田から通うのは大変だ。でも映画館が好きで度々かよってる。
今回みたのは、プリズン・サークルというドキュメンタリー映画だ。新しいタイプの刑務所を密着取材してドキュメンタリー映画としてまとめた力作で、フェミニストのコミュニティで悪人は最初から悪人ではないんだということを知るための映画としてとても推奨されていた。関連した書籍もでている。
刑務所とは思えない綺麗な建物に、受刑者らしからぬユニホームをきた人達は、まるでオープン・ダイアローグのような対話やロールプレイングによって自分の罪と向き合い、再犯をおこさないように教育されていく。この教育は民間によるプログラムであることも特徴だ。
こんな刑務所はもちろん、あっちこっちにはない。「島根あさひ社会復帰促進センター」というある意味実験的な刑務所を撮影するのに、取材許可をとるのに6年、撮影に2年かかったという。それにこだわったのもひとりの女性監督だった。
全ての人にみてほしい、名ドキュメンタリーだと思う。
罪とは、贖罪とは、再犯とは、更生とは、簡単に決めつけていたことの解像度があがる作品です。