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へジュンの家の食卓から学ぶ、韓国の食文化や食事マナー(ドラマ『青春の記録』について#10)

 안녕하세요(アンニョンハセヨ) 南うさぎです。

 今回はドラマ『青春の記録』で、実家暮らしの主人公サ・ヘジュン(パク・ボゴム)の食事シーンから見える、韓国の食文化やマナーについてご紹介します。

スプーンとお箸の文化

 韓国ではスプーンとお箸を使って食事をします。スプーンとお箸は一緒に、器の右側に縦置きでセッティングするのが一般的です。

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ドラマ『青春の記録』からのキャプチャー画面。

 そのときスプーンは内側、お箸は外側です。ご飯と汁ものはスプーン、おかずはお箸を使い、スプーンとお箸を一緒に持つのはマナー違反になります。また、スプーンとお箸は金属製のものが多いです。

スプーンとお箸の準備は子どもの仕事

 ドラマの中で、お母さんが食事の支度をしているときに長男のギョンジュン(イ・ジェウォン)やヘジュンがご飯をテーブルに運んだり、お箸やスプーンを用意したりするシーンが何度も出てきます。

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ドラマ『青春の記録』からのキャプチャー画面。

 こうした様子はとてもなじみのある一般家庭の風景で、私も子どものころ、お箸やスプーンを用意する担当をしていた思い出があります。

食事マナー

 韓国と日本の食事のマナーは、似ているようで異なることが多いので、覚えておくと役に立つと思います。まず食事の際には、一番目上の人がお箸やスプーンを手に持つのが「食事を始めます」というサインになり、それからみんなが食事を始めます。器を手に持つこと、器に口をつけるのはマナー違反になります。

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ドラマ『青春の記録』からのキャプチャー画面。

 お茶碗や汁椀は日本に比べるとかなり重く大きいので、実際手に持つことも大変だと思います。大体ご飯と汁物は自分の分を残さず食べますが、おかずはすべて食べる必要はありません。

クッ국(汁物)とチゲ찌게(鍋料理)

 韓国の汁物はスプーンで食べるので、汁椀は下の画面のように日本の汁椀より大きくボールの形で、陶磁器や金属製で作られたものが定番です。

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ドラマ『青春の記録』からのキャプチャー画面。

 クッは汁物、チゲは鍋料理ですが、クッは1人分ずつ、チゲは皆で一緒に食べることが多いです。ただしレストランなどでは、チゲの定食として1人前のチゲがあり、家庭でよく食べているキムチチゲやテンジャンチゲも、トゥッペギ(鍋)に入れて1人前ずつ出すことが多いです。

食後のデザートは果物

 へジュンの家は、家族に何か問題が起きたら必ず夕食後に家族会議を開きます。そのときに必ず出てくるのが果物だったことを覚えていますか?

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ドラマ『青春の記録』からのキャプチャー画面。

 食後に大きなお皿で果物が出てくるシーンは『青春の記録』だけではなく、ほかのドラマや映画にもよく出てきます。韓国の家庭では必ずとも言えるぐらい食後のデザートとして果物が出てきます。とくに昔は家庭で食べる食後のデザートはほぼ季節の果物しかなく、いつも冷蔵庫には果物が用意されていて、お客様のおもてなしにも果物でした。それも1人前ずつではなく、大きなお皿で出してみんなで食べます。今でも実家に帰ると食後には必ず果物が出てくるので、このシーンを見ると実家のことを思い出します。

 これまでレシピもいくつか紹介しましたが、家族のためにきちんと料理を作るお母さん、配膳を手伝う息子たち、食後の家族会議に果物…『青春の記録』のヘジュンの家の食卓は、韓国の一般家庭をよく表していると思います。

 안녕!


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