釜山留学日記(11)刹那について。
すっかり、秋になりました。湿気も少なく、朝晩は寒いほどひんやりしてきました。最近の出来事を書いていこうと思います。いつものごとく、感じたまま、”そのまんま”を書いていこうと思います。
ハンサムな女性
私は、”自立”ということを自分の人生の課題として据えて、生きてきた。人に依存して生きたくない。(特に恋愛関係において、男性に依存したくない。)それは強さからくるのではなく、恐怖心からくる。他者に依存して、支配されることが物凄く怖い。その人がいなくちゃ何も出来ない自分になって、その人のいいなりになることが何よりも怖かった。私にとって何よりも大切な”自由”というものを、奪われることが恐ろしくて、奪われないためには自分を強くしないといけないと思った。韓国に来てからは、その強い警戒心をかざして(まあ、色々あったからそうなった訳なのだけれども)特に睨みを聞かせて生活してきた。
韓国での生活でも、外国人ということを、言い訳にして人に頼りたくなかった(強がりすぎ…笑。自分の性格やれやれ。)。銀行や不動産、諸々の手続きもいくら手間暇かかっても、事前にユーチューブで勉強して単語を覚えて、自分で行った。”自分で出来るようになること”が、自分を守ることであると思っているから。
自分が自分にとって、”一番逞しくてハンサムな人”でいられるように、努めてきたし、今もそうなろうとしている途中だ。
守られている
ただ最近少し、心情の変化があった。
先週生理前の少し、感情が不安定になる時期がやってきて体も心も少し疲れていた。あ〜色々疲れたな〜、と。その時に、恋人に抱きしめて欲しいと思った。強がっている大人になった自分を一旦脱いで”うんうん、頑張った〜頑張った〜”って言って欲しい時だってあるんだなあ。
最近度々、私は恋人に”守られているな〜”と感じることがある。
基本的に安全で平和な国で、そして経済的にも自分で自分を養える状態で、何から守られていると感じるのか?それは、心なんだなと、思う。心の奥にある普段”表に出していない部分”までもを、ぎゅっと抱きしめられると、守られていると感じるんだと思う。ああ〜心が無防備になれるくらいの安心感で優しく包まれると、幸せだな。
台風
おととい、台風が来るということで学校がオンライン授業になった。
ふと、コロナが流行し始めた時の東京での生活を思い出した。当時の私は、大学の国際部職員だった。仕事は休職になり、1人暮らし。当時の彼氏は遠距離で、会えない状況が続いていた。必要最低限の会話(スーパーのみ)しかしない時期が2ヶ月間。今振り返ると、かなりの孤独の中で日々を送っていた。
ある日、雷が今にも落ちそうなくらい鳴っていた。激しい光、激しい音、豪雨の夜。怖い….と思ったけれど、自分1人しかいない部屋で、怖いと口に出しても、どうにもならない。日記にだけは、思ったことをそのまま書いた。”豪雨のとき、一人暮らしでつらいとき、台風から守ってくれる人、よりかかる人、抱きしめて大丈夫だよって言ってくれる人が欲しくなる。”と。
そんな、2年前の自分を思い出した。
今回の台風は夜から朝方にかけてひどくなるらしく、夜から恋人が泊まりに来てくれた。
1人でいたって台風なんて何てことない。子供じゃあるまいし。それでも”怖い。”って言えて、そばで”大丈夫。大丈夫。”って言ってくれる人がいることが、心細い夜を幸せな夜にしてくれるんだなと思った。
自分のことは、ある程度自分でこなせる。自分のことは、ある程度自分で幸せにできる。その上で、”好きな人が横にいてくれる”。
食べないと死んでしまう最低限の食事が、自分で満たす幸せの領域だとしたら。きっと恋愛は、食後のデザートみたいなものなのかな。なくても生きていけるけれど、あったら満たされてときめくもの。
プロフェッショナルなソロ
どの組織に属しても、どんな人間関係にいても、どの国に住んでいても、自分という1人の個人活動は怠らないようにしようと思う。
自分1人の時間を充実させること。それでこそ、他者とのいい関係が築けると思うんだ。
刹那を生きる
ここにきて、全てのことは流れ行くもので、常に同じということ有り得ないことなんだな、と実生活の中でひしひしと感じる。
特に友人関係。人との距離感は一定なものではなくて、日々揺れ動いていくようなもの。感情そして状況はどんどん変化していくものだなと。
韓国に来て、友達が出来た。これまでにないくらい人々の関係の中で生きている。楽しかったり、ワクワクしたりするのと同時に傷ついたり、どうしようもなく悲しくなったりする。自分の体にいろんな感情が宿っては、またどっかに消えていく。こういう経験を、毎日毎日絶え間なくしているうちに、目の前の瞬間全部に”あ〜今だけなんだ〜”って自然に思うようになった。
”全てのことは、今だけ。”
そう思ったら、目の前で今日起こっている出来事がより新鮮に感じられるし、尊い。目の前で起こっていることに、無感覚でなんていられない!
帰国について
先週から、秋学期が始まった。となると…あと2ヶ月しか留学生活が残っていない=この家での生活もあと2ヶ月=あと2ヶ月後には日本に帰国ということだ。帰国後すぐにビザを切り替えて、またすぐこっちに戻ってくるとはいえ、留学生活は一旦幕を閉じる。え、時間の流れ、どない。ドイツ留学の時とは、時間の流れがまるで違う。ドイツの時は、かなりゆ〜っくり時間が過ぎていく感覚があって、1学期でも十分満足出来たのにな〜。
やっぱり、その国の言語を話せると、そこには”バケーションとしての外国”ではなく”日常生活、移住地としての外国”が広がっているんだな。日常生活は、やることも多くてあっという間に過ぎていく。
宮城に帰って、家族でのんびりするのが今の最大の楽しみ。
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