2年半、ってこんなもん、なのか。
彼は自由をこよなく愛する人。
私が関わってきた男の人の中で一番素直な人。
「少年」よりも「青年」という言葉が似合う人で、
その前に”好”を付けると、なおさらピッタリ。
なのにとっても不器用で、
2年半付き合っている彼女の女心をいまだに分かってない、そんな人。
あの人を思い浮かべると、必ず彼の片手にはカメラがある。
あの人にとって、カメラは切っても切れないもの。
( 結構エモいでしょ、実は私も名カメラマン?(笑) )
彼の隣にいるようになってから、被写体になるのが好きになった。
だって、写真を撮るとき、彼の覗くレンズの向こう側には私しかいなくて、
私に、夢中になってくれるから。
騒がしい世界の中で、
あの人を独り占めできる、
唯一の時間だから。
好きな人が撮ってくれる写真ほど嬉しいものはない、割と可愛く写してくれるし。
( これはかなりのお気に入り。)
そして写真だけでは終わらないのが彼の一番の魅力だと思う。
彼が創る映像は繊細で、キラキラしてて、もっと見たいって思わせてくれる。
彼は大抵いつも、旅行やお出かけをした時の映像をPV風に編集してくれて、次会うときにプレゼントしてくれる。
他の仕事で忙しい時もあるけど、その合間を縫って作ってくれてるんだと思うと、思わずにやけてしまう。
( この日を映像化してくれたのがきっかけ。)
今日はそんな人と付き合ってから2年半のめでたい日。
でも、彼の腕を必要とする人がたくさんいる。
今日は、映像クリエイターを育成するオンラインプログラムに取られちゃった。
明日から始まる4日間プログラムのメンターを任されて、その準備で忙しいらしい。
映像系の夢を追いかけているあの人は、今日も夢に向かって全力疾走している。
だから、「電話しよう」なんて言えないし、
邪魔する気なんてさらさらないけど、
記念日はいつも月の始まりの1日だから、
半年とか、一年とか、キリの良い時だけは、
不器用なあいつでも女心を察して欲しいな〜とも思ったり。
小中高の同級生の近距離恋愛から始まって、
大学が始まってからはアメリカ国内で遠距離恋愛をしてきた。
このまま関係が続けば、いつかは遠距離期間の方が長くなるし、
数年後には見えているビジョンもお互い違うかもしれない。
ただでさえ、付き合って3年目の私たちは、
純粋な「好き」だけでは突き通せないところまで来ている。
漠然とした「これから」を目の前に、不安は増えるばかりで、どんなに彼が私のために行動してくれても、見えない未来に影を落としてしまう。
いっそのこと、
「ずっと私の前でカメラを構えててよ」
って言いたくなる。
でもそんなことはできないから、
せめて、また会ったとき、
いつもみたいにレンズ越しに私を見つけて、最高に可愛く写してよ。
そしたら少しだけ安心するから。
〜あとがき〜
「好き」という文字を使わずに私の中での彼を表現してみた。
書いて消して、消しては書いて、を繰り返してたら何時間も経っていた。
自分に近い人ほど表現するのにこんなにも神経を使うものだとは思わなかった。
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