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【読書記録】私が食べた本/村田沙耶香

読みたい読みたいと思っていたのに、ついつい忘れていた本。


こうして、noteを読んでいて、ふと出会ったりするから、
本当にnoteはありがたい。
そうだそうだ、これ読みたかったんだった。
ハッピー書房さん、思い出させていただき、ありがとうございます。
思い立ったら吉日。
読まなくては。

小説家の方が書く書評、エッセイ集が好きだ。
なぜって、読んでるだけで、もうすでに、一つの物語を読んでいるような
文章だから。
タイトルからしてまた秀逸。
「私が食べた本」て。

私には二種類の読書があって、一つは普通に読むだけの読書。もう一つは、何度も何度も、百回以上も読み返し、そこに紡がれている言葉が自分の身体の隅々まで染み込むように、またその本に自分の匂いが染み込むように、幾度も言葉の中を泳いで、私だけの一冊をつくりあげる読書だ。
(中略)
私は何度も何度もこの言葉を食べたから、私の細胞の、血管の、どこかで、ちゃんとこの言葉が呼吸していると思う。
「自分だけの『学問』のために」より

村田さんの本は、多分三冊ぐらいしか読んでいないけれど、
「しろいろの街の、その骨の体温の」を読んだときに
なんだかゾクゾクしたことを覚えている。
思春期の女の子の自分の内面の変化と、
どんどん広がっていく、ニュータウンの街並みとが
私の中でリンクしたとき、
そのタイトルが頭の中でピッタリと合わさって、
「おお、これは」と思った。

こうして、書評を読んでいると、
そこで紹介されている本を読みたくなるのももちろんだけれど、
やっぱりこの人の書く文章、好きだなあと思うと、
またその人自身の小説の方も読んでみたくなる。

ちなみに、この本の装丁かわいいなーこのイラストかわいいなーと
思っていたら、
学生時代好きだった100%ORANGEさんだった。

やっぱりかわいい。
学生時代、一乗寺までイラスト展だったかを観に行ったのを思い出す。

そうそう、恵文社だった気がする。
懐かしい。
フットワークの軽い時代もあったんだなあ。

遠い日を懐かしみながら、
私もワッシャワッシャと今日も本を食べている。
身にはなってないけどね。
ただただ美味しいの。



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