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【ドラマ感想】Netflix/今日もあなたに太陽を

ネットフリックスで配信していたこちらのドラマが良かった。
精神科に勤めるナースが主人公の
精神科を取り巻くお話なのだが、
精神科にかかること、
精神科の病についての世間一般の偏見、というものが
よく表れていて、身につまされる思いだった。

私自身も、精神科にかかる人への偏見はあったし、あると思う。
けれど、精神科に通う人というのは本当に多くて、
私の周りにも何人もいる。
精神科に通うことは全然、特別なことではなく、誰にでも起きうることなんだと
いうこと、本当にきちんと、自分自身も捉えていかないといけないし、
周りにもアナウンスしていかなくちゃならないと思う。

最近、兄が眠れない、頭痛がするとかで精神科にかかったらしく、
薬を飲み始めた、と母がぼやいていた。
「全然普通のことだよ。それで眠れるようになったらいいんじゃない?」と
受け答えしていたのだが、
昔、母が子育てで悩んだ時に体の調子が悪くなって、病院にかかったら
『先生から「ストレスからくる自律神経失調症です」と言われて、
お母さん、すごく腹が立って、
『なんで私がそんなんにならなあかんの!』って思ったら、
すぐに調子が良くなったんだから!』と話していたことがあるのだが、
このセリフは、今となって思えば、
偏見の塊だよなあと思う。
自律神経失調症は私もよく、自律神経おかしいな、最近。なんてことあるし、
『「精神的なこと」で体調を崩すのを「ありえない!』と一蹴してしまう必要はないのだよ、と思う。
気合いでなんとかなる、なんて思わなくていいのだよ、と。
まあ、母はそれでなんとかなったから良かったけど、
その当時の母に会うことがあったら、
「ストレスで体調崩したっていいんだよ」「辛い時は辛い、でいいんだよ」と
言ってあげたい。

ドラマの中で、統合失調症の人に対する偏見が描かれているエピソードがあった。
「怖いもの」「犯罪者予備軍みたいに捉えられている」など。

10年ほど前に、付き添いで精神科へ行ったことがある。
その時、待合室で、一見普通に見える、いや、むしろ体格も良くオシャレでイケメンな二十代ぐらいの男性が
急に立ち上がって大きな声で話し始めてギョッとしたことがある。
その時、私は子どもを連れていたから、
余計に驚いて子供を自分の方へ引き寄せ、すぐに待合室を出た。
たったそれだけのことで、それ以上のことは何もなかった。
けれど、あの時の気持ちは、ドラマの中の、
「統合失調症で入院していた人をマンションに入れるのは嫌だ」と
声高に言っている人たちと変わらないな、と思った。
あの時の男性が、何で精神科に通っていたかはわからない。
けれど、突然大きな声をあげる人から子どもをさっと後ろに寄せて、
眉根を寄せてしまう気持ち、
あれは、「小さな子供がいるから、妹さんをマンションに住まわせることに賛成できません」と言ってしまう気持ちと一緒だな、と思った。
大きな声を急に上げる人、
暴れだしてしまう人たちを避ける気持ちは仕方ないけれど、
大切なのは一人一人の話を聞き、ひとくくりにせずに、
対話していこうとする気持ちを持つことだな、と
このドラマを見ながら思った。
私はナースではないから、細かな病気のこともわからないし、
対応能力は持ち合わせていない。

ただ、「ひとくくり」にせずに
出会った人、一人一人を見ていきたい、そう思った。
そうできる人間になりたい。

でも、やっぱり、私の抱えられる範囲は狭く、
度量もちっちゃいから、
せめて私の手の届く範囲にいる人に
何かあったときに対応することしかできないんだろうな、とも
思う。

ドラマの中で、主人公の幼馴染がパニック障害で
苦しんでいた。
夫も、実は長くパニック障害で悩んでいる。
何度か一緒に病院に行ったし、話も一緒に聞いたのだけれど
詳しい内容についてはイマイチ理解できていない。(おいっ)
高いところが怖いし、包丁が怖いのはパニック障害だから、
と言っているが、
正直たまに面倒だな、と思うこともある。(おいっ)
時々すごーく寂しそうになるのは、あれもパニック障害なのか何なのか、と
思っている。
(あれは寂しい病かな。)
息を苦しそうにしている様子は同じだった。
水浸しになる様子を見ていたら、あんな気持ちなんだろうか、と思った。
実際に病気に苦しんでいる人はこのドラマを見ることは決してできないだろうな。
以前、「静なる海」というドラマで溺れ死ぬ?シーンがあり、
「途中で見るのをやめた」と言っていたことがあるので、
これのことか、と思い出した。

昔、夫が二十代の頃、発作が起きた時に、
母親に話を聞いてもらったら治った、と言って、
私の前で発作が起きた時、私に話を聞いてくれと言ってきたことがある。
しばらく息苦しそうに頑張って話していたのだが、
治らず「おかしいな…」とぼやいていて、
「知らんがな!!!」と思わず言ったことがある。(治ってからだけど)
だから私は発作が起こらないように、起こりそうな気配のする時、
不安そうな顔をしているときに先回りしてその不安を取り除いてあげることしかできない。実の母親に勝てるわけなんてない、と思っている。

私だっていつ、悲しみや怒り、ストレスといった感情に
体が負けてしまうとも限らない。
こういう症状の時は精神科に行くといいんだなあとか、
周りにこういう人がいたら、こうするといいんだなあとか
無知な私に対して、すごく勉強になるドラマだった。





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