ホラー映画の主役は美女でなければ

映画『リング』『着信アリ』シリーズ鑑賞


ひとは真の恐怖に対面した時、本能剝き出しの醜態をさらすはずである。そんなみっともない姿が美しい。もはや生物としてバグってる。本物の美女の判断材料になってしまうのがホラー映画である。

ホラー映画は若手の登竜門的な位置づけでもあるから、息苦しいほどの緊迫感、ピリピリに張り詰めた空気が初々しい演技で表現される。苦渋に満ちた表情にも若々しい輝きが放たれる。

「着信アリ」を見終わった一番の感想は、「あー、堤真一になりてー」だった。柴咲コウが美しい。美しすぎる。気の強そうな美女から頼られたい。今でも美しいけど20年前のビジュアルが最強すぎる。厚めのパッツンバングにサラサラのロング。美の極みがここに。

柴咲コウさんの目力、堀北真希さんの初々しさ、中谷美紀さんや松嶋菜々子さんの美声に酔いしれているうちにストーリーは佳境に入る。呪いの原因がはっきりして死人と戦い始めると正直つまらなくなるのだが、美人が大画面いっぱいのアップとなって恐怖に慄いている姿を堪能できるのはホラーならでは。しっかり最後まで楽しませていただく。

ところでこの時代のホラーを見ていると堀北真希さんの出現率の高さに驚く。あの透明感はホラー向きなのだ。『着信アリFInal』は、シリーズのファイナルを飾るに相応しい堀北真希&黒木メイサの二大美女共演で大団円を迎えた。ただ、2から急にアジア諸国が絡み始めて、その無理やり感はちょっといただけなかったが。

この中で一番面白かったのは、やっぱり『リング』かな。『着信アリ』も良かったけど。『呪怨』シリーズもコンプリートしようとしたが、ビデオ版2本で飽きてしまった。
 
私はホラー映画で怖いと感じたことがない。あくまで物語だし、幽霊役の化粧に冷静にドン引いてしまうから。でも少しでも恐怖を味わいたくて、わざわざ深夜に灯りを消してホラー映画を鑑賞する。そんな努力をしてまで観る姿が一番怖いかもしれない。


この記事が参加している募集