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久しぶりの砂漠 エジプト#2 ネオンと車

22時過ぎにカイロに到着。「タクシー?タクシー?」と色々な人に声を掛けられる。無視したくないが、無視する。遠くの方を見つめて、ツツーと歩き続ける。

事前に手配しおいた運転手さんと、無事に合流。十人くらい乗れそうなバンが待っていた。車のラジオから聴こえてくるアラビア語のリズムが新しい。

車のナンバーがアラビア文字。窓から見えるビルボードは、どこかで見たことのあるようなデザイン。広告の女性は皆、ヒジャブを被っていない。街の女性は、ほとんどヒジャブを被っている。なんとなく頭にスカーフを巻く。実は結構このスタイルが好きなのだ。頭を温かくしておくと、体もあったまるらしい。母が言っていた。

街は私にとって新しいような、懐かしいような。昔住んでいたベトナムの匂いを思い出す。キラキラのネオン。茶褐色の高い建物がこちらを見下ろしている。

プープー プッププー
クラクションの音がすごい。懐かしいけど新しい。クラクションを鳴らすリズムが、ベトナムとは何かが違う。よく聞いてみると、それぞれリズムがある。運転手の叫びか…運転する手は常に、クラクションの上。すぐに鳴らせるように。

あまり見たことのない車がウネウネ走っていて、カイロドライバー達の躍動感を感じる。隣を走る車が、こちらに寄ってきては、離れていく。ラジオからはTracy Chapman のFast Carが流れていた。旅の終わりを想像する。

ホステルがある通りに到着。別れ際、運転手さんに「ありがとう」と言ったら、「ドライバーにチップ」と言われた。「現金がないの、ごめんなさい」と言ったら、「大丈夫だよ」って恥ずかしそうに言っていて、難しいなと思った。この旅で、お金について再度考えさせられることになる。

滞在先のホステルに到着。猫がそこらじゅうにいる。尻尾の長い猫達。シンとした建物の4階にあるホステル。眠そうな目をした受付のお兄さんと少し会話して寝た。シーツには小さい髪が沢山ついていた。迷った後「すみません…髪の毛がついてるから新しいシーツもらえる?自分で付けられるから」とお願いし、綺麗なシーツで眠りにつく。最近、虫が皮膚に寄生するおっそろしい病気になったので、念のためね。

水道水が飲めなさそうなので、喉カラカラのまま寝る。

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