花火をみたよ

花火は、毎年大体どこかの大きな花火大会でみれるものだった。

今年はコロナで見れなくて、そんなことも忘れていたけど、まあ見れなくて、今夜は近所の学校が後夜祭にあげるというので楽しみにしていた。

バンバンという音が聞こえてきて、ハッとして庭に出た。

花火は小さくて、眩しくて、激しかった。

こんな住宅街にそぐわない、ピンクや黄色、緑に破裂して、消えてった。

私の好きな、ピカッと花開いた後にチラチラと暴れる花火が何度も上がった。

音も、光も、家から見られる環境も、全てが心地よかった。

フィナーレを迎え、近所のお家からピュ〜と口笛が聞こえた。

私も同じ気持ちだった。

なくなった夏を取り戻した夜だった。