見出し画像

蓮土山道明寺 ~天満宮の隣にある寺院~

 南河内の藤井寺市にある道明寺地区で、最も有名なのは道明寺天満宮です。しかし地名の元となる「道明寺」は無視できません。天満宮のすぐ隣に道明寺があります。天満宮と比べてややマイナーに感じる寺院に行ってきました。

画像1

 蓮土山道明寺は真言宗御室派の尼寺です。場所は道明寺天満宮のすぐ隣。

画像17

 こちらに説明版がありますが、元々は古墳時代の古墳の造営をしていた土師氏の氏寺として7世紀に建てられたものです。当初の名前は土師寺(はじでら)。

画像2

 土師氏の子孫のひとつが菅原氏です。菅原道真の別名が「道明」というのから寺の名前がそうなったとありました。
 道明寺の隣の駅が「土師の里」という名前がついているように、元々が土師氏の勢力があったところなので、子孫の別名「道明」の名前が付いた今の地名と何ら違和感がなかったんですね。

画像3

 立派な楼門が建っています。

画像4

ここに改めて詳しい由来が書いてありました。

 聖徳太子が尼僧の寺院を建てようとして名乗りを上げたのが土師氏とのこと。また菅原道真が大宰府に行くときにここに立ち寄って、この寺にいた叔母の覚寿尼を訪れて一首を残したそうです。

画像5

 楼門をくぐった境内の様子。

 こちらが道真が残した一首です。

啼けばこそ別れもけれ鶏の音の 鳴きからむ里の暁もかな

画像6

 赤い前掛けが目立つ地蔵の隣にふたつの歌碑がありました。

大安で 吉日梅の 道明寺  作:伊藤柏翠
 国宝を 守る御寺の 虫しきり 作:坊城中子

画像7

 こちらは護摩堂(護摩をたいて祈祷を行なう場所)です。
 また歌碑にもあるように、ここには国宝の木造十一面観音立像が鎮座しています。菅原道真が作ったと伝わっており、像の高さは98センチメートル。カヤ材で作られたとありました。

毎月18日と25日に拝観可能。残念ながらこの日は違ったので見られずじまい。

画像8

 庭が枯山水の庭の様に掃き清められていました。

画像9

 こちらが本堂です。1919(大正8)年に再建。

画像11

 この中に国宝が安置されているんですね。

画像14

 本堂の前にある常香炉です。

画像12

 本堂の入り口に「観世音」と書いてありました。

画像10

 こちらは大師堂。これは大師号を贈られた僧を礼拝の対象として祀る仏堂だそうです。ここは真言宗なので、空海を祀っているのでしょう。

画像13

 本当にきれいですね。

 道明寺は鎌倉時代に、奈良・大和の国西大寺の末寺になり、また鎌倉とその後の室町幕府の祈祷寺にもなっています。

画像15

 外にも観音像が安置してありました。

 戦国時代の1575(天正3)年には、高屋城の戦いが起こります。これは織田信長と石山本願寺&三好康長の間での戦い。この関係で天満宮もろとも焼失しました。
 しかしその後再興します。

画像16

 1716年に一時的に天満宮内に移転するなど、天満宮と一体化した時期がありましたが、明治時代に神仏分離で道明寺天満宮と道明寺は分離したとのことです。

 でもすぐ隣。もしここに来る機会があれば両方回ることをお勧めします。


道明寺
住所:大阪府藤井寺市道明寺1-14-31
電話番号:
本尊拝観時間:9:00~16:00
本尊拝観料:500円
アクセス:道明寺駅から徒歩7分


道明寺

#道明寺
#道明寺天満宮
#藤井寺市
#南河内

この記事が参加している募集

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?