初夏を聴く 季節の音は どこにある 六月恒例 講演の音に
初夏を聴く 季節の音は どこにある 六月恒例 講演の声に
(しょかをきく きせつのおとは どこにある むつきこうれい こうえんのねに)
新田はそうつぶやいて、河内長野を流れる石川のほとりにいた。「おい、そんなところにいたのか!」いつの間にか行方がわからなくなっていた後輩を楠本はようやく見つけた。
「あ、先輩、すみません」「いま何か声に出して呟いていなかったか、俳句みたいなの」新田は先輩に短歌を詠んでいたのを聞かれてしまい思わず照れ笑い。「あ、短歌を聞かれちゃいましたか。