日記;2024年9月
押し入れを整理していたら、古い日記帳が出てきた。
2020年代かあ。♪Ahh あの夜は満月だった……
当時、「ジャーナリング」なんてのが流行していて、感じたことを書き出すと心を整える効果があるとか言われていた。
それで、みつきも始めたんだった。
ちょっと恥ずかしいけれど、お見せしちゃいますね。
あの頃のロクデモナイ政情、世相を反映してドロドロした感情を吐きまくっているので、覚悟して読んでね。
思想強めだよん、ゆたしく。
エロい記述もちょっぴりあるよ♡
映画、ドラマなどの感想は一部ネタバレあり。ご注意ください。
(基本、敬称略)
* * *
9月某日
関東大震災から101年。各地で追悼式典。
都知事の小池百合子は、今年も日本人に殺された朝鮮人犠牲者を悼む式典を無視。8年連続で追悼文を送らず。
一方、熊谷俊人千葉県知事は船橋市での追悼式に弔電を送った。大野元裕埼玉県知事は4日のさいたま市での式典に追悼文を送った。
松戸徹船橋市長は24年市議会で、
「市域で起こった痛ましい事件を歴史の資料としてしっかり留め、機会を見て伝えていくことが重要である」
と答弁した。
東京・横綱町公園で行われた追悼式典では、ヘイト団体が叫び騒いでいた。この団体、都からヘイトスピーチ認定されたならず者グループだ。そよ風とは真逆の腐臭が漂ってくるレイシスト・歴史捏造集団だ。
小池の「過去と向き合わず」「虐殺の歴史をなかったことにする」態度がレイシスト、歴史改ざん勢力をつけ上がらせているんだよね。というか小池本人がその仲間なんじゃないか。自民党時代からの振る舞いからすると。
小池の追悼文取り止めのきっかけは自民党・古賀俊昭都議(日野市選挙区、当時)の都議会一般質問(2017年3月)。虐殺否定本(デマ本「関東大震災 朝鮮人虐殺の真相」)を元に常識外れの持論をまくしたて「今後は追悼の辞の発信を再考すべきだ」と小池に迫ったことだ。(2018年9月18日付東京新聞)
都知事1期目は石原慎太郎でさえ追悼文を送っていたことだしと、前例を踏襲していたが、自民党右翼議員の質問に「もっけの幸い」とばかり乗っかったのだろう。
小池の追悼文取り止めと軌を一にして発生したのが、安倍晋三ウヨカルト政権による虐殺隠蔽工作。
2017年、内閣府のホームページ(HP)から中央防災会議がまとめた「朝鮮人虐殺」を認めた報告書が削除されていた。
メディアが報ずると「HP刷新に伴うシステム上の問題」とミエミエの言い訳をしながら、しぶしぶ報告書を復活させた。
この報道のおかげで現在でも読めるようになっている。
1923年9月1日に発生した関東大震災。
多くの犠牲者が出ただけでなく、軍官民が流したデマを信じた日本人が朝鮮人、中国人、ウチナーンチュ、香川・秋田・三重県人たちを虐殺した。
混乱に乗じて甘糟正彦ら陸軍憲兵隊が大杉栄・伊藤野枝・6歳の甥をなぶり殺して井戸に放り込んだ。
警察は金子文子、朴烈も、どさくさに紛れて逮捕(後に大逆罪で死刑判決、減刑)した。
ここでは虐殺証言のほんの一部をランダムにあげておく。
・今の新津田沼駅のあたりは原っぱだったが、そこでトビでぶんなぐったりけったりした。
(2023年8月23日付東京新聞千葉版「うつりかわる鷺沼」)
・村人は蟻のように殺到する。一行を針金で縛り、ついにとび口を振り降ろし、頭から血の柱が噴き上がった。
(『福田村事件 関東大震災・知られざる悲劇』辻野弥生)
・海軍船橋送信所から各地方長官への電報が示すように政府こそが流言をばらまいた。
(2023年8月27日付東京新聞「ドキュメンタリー覚書 関東大震災を撮る 朝鮮人虐殺 軍や警察が主導」)
・習志野収容所に連行された朝鮮人を、軍が近隣の村に払い下げ、殺害させていた。
(同10月1日付東京新聞「邪悪なる植民地支配 詩で抗う 上」)
・東京から避難してきた検見川事件の被害者たちは、方言などから地元住民に朝鮮人だと怪しまれ、拘束。駐在所があった現場に連行され、300人の群衆が取り囲む中、素手や日本刀によって惨殺された。
「3人は偏見と差別によって殺された。人が人じゃなくなる瞬間は、今もある。この事件は忘れてはいけない」
(2024年9月5日付東京新聞「検見川事件 沖縄、秋田、三重県の若者が犠牲に」)
・朝鮮人と見ればすぐに一撃、川に投ずるのみ。
往来する時は皆一様に焼け残り鉄棒、その他思い思いの得物を携えて通行した。日本人といえども朝鮮人と間違えられて撲殺されし者数知れず。あまつさえ河中に投ぜられプクリプクリと浮かんでいる。
(2024年8月29日付東京新聞「関東大震災の夜に『朝鮮人襲来』のデマ パニックと不安の記録 横浜市」)
・震災後、ある井戸の水は飲むなと町内の人に教えられた。井戸の塀に白墨で書いた変な記号があり、朝鮮人が井戸へ毒を入れた目印に違いない。黒沢さんはあきれかえったという。「その変な記号は私が書いた落書きだった」(黒澤明)
(同9月1日付東京新聞「筆洗」)
朝鮮人襲来がデマだったことは陸軍の公文書も認めている。
「襲来は遂に一名も来なかった。火付けもなかった。毒を(井戸に)投げ込まれた事も聞かない」
※2023年12月25日付毎日新聞「朝鮮人虐殺、新公文書。埼玉で四十数人「悉く殺さる」 陸軍省調査資料)
「虐殺はなかった」などという工藤某のデマ本や百田某、櫻井婆さん、自民党レイシスト議員らのデマ言動を真に受けないために読んでおきたい本。
「それは丘の上から始まった 1923年 横浜の朝鮮人・中国人虐殺」
「九月、東京の路上で ジェノサイドの残響」
「風よ鳳仙花の歌をはこべ 関東大震災・朝鮮人虐殺・追悼のメモランダム」
「トリック 朝鮮人虐殺をなかったことにしたい人たち」
「オサヒト覚え書き 関東大震災篇」
「犬共ニ虐殺サル」
これは伊藤野枝、大杉栄とともに虐殺された6歳の橘宗一くんの墓に父が刻んだ文字。
これはデマに踊り狂った人どもに殺された朝鮮人、中国人、ウチナーンチュ、地方人、アクティビストたちに共通する叫びだ。
「負の歴史を見つめられず、開き直る国は、幼稚だ」
(2024年9月3日付東京新聞「大波小波」)
ほんと、大人になっていただきたい、この国には。
幼稚なデマッター、悪意満載のレイシスト・自民党政治屋・サンケイ・ウヨ雑誌による歴史的デマゴギーへの対処法。
「否定者の基本戦略は、歪曲である。全体の大ウソに少しの真実をまぜて……事情に疎い人々をだまそうとする」(世界2019年1月号)
こんな連中はシャットアウトし無視して相手にしない。
そんな輩は立花隆氏が言う通り、
「社会の通年・常識とあまりに反する意見表明をつづけていると、自然に社会的に拒否されるようになり、付き合ってもらえなくなる」(文學界2015年12月号)はずだからね。
千葉県船橋市にある朝鮮人虐殺追悼慰霊碑には「怨恨は実に千秋不滅」と刻まれている。
殺した側、虐げた側、傷つけた側は、そのことを忘れたがり、「いつまで騒ぐのか」と開き直る。挙句にレイシスト、歴史改ざん一派、権力が「なかったことにする」姿勢をむき出しにしている今、虐殺があったことを「忘れない」ことが、同じ惨劇を繰り返させないために不可欠だ。
「忘れない」ための声が、行動が、年々強まっていることは心強い限り。
その意味で、小池の追悼文送付拒否は、逆効果となっているんだよ。送りたくないけれど送っていた石原慎太郎の方がよっぽど賢かったね。
9月某日
1日から沖縄タイムスを購読している。東京在住なので当然電子版。
実家で購読していた琉球新報と迷ったけれど、カネ目と使いやすさで決めちゃった。
琉球新報は月3000円(税込)。
沖縄タイムスは月2750円(同)。さらに最大2カ月無料。
アプリやビューワーは沖縄タイムスが圧倒的に使いやすかった。
(台風時、無料開放された際に使い比べた結果)
家ではiPad、出先ではiPhone。PDFで紙面をそのまま拡大して読める。快適。
興味のある基地問題、沖縄戦、沖縄近現代史、沖縄の文芸、地元首里界隈の話題……たくさん読める。満足している。
本土の新聞は沖縄問題の扱いがやっぱり少ないし、本土目線になりがち。その点、東京新聞(月3700円税込だったが、9月から3980円、1部120円から140円)は一番、権力監視的立場で沖縄報道に力を入れてくれているので、宅配購読は継続している。
金銭的には大変だけれど、飲み会は控えているし、マイボトル・弁当持参でコンビニ利用も減らして節約している。タイムス分日割90円増ならなんとか吸収できるでしょ。
9月某日
「苦しいっていう声を知らんぷりしたり、なかったことにする世の中にはしたくないんです」
6日の「虎に翼」第115話、寅子のセリフ。今の政権党政治屋には届かないんだろうね、残念ながら。
9月某日
退陣表明して「お前はもう死んでいる」状態の岸田文雄がちょこまかと動き回っている。
改憲だ、原発だ、韓国・米国行きだー。
あんたはもう終わっているんだからもう余計な事、するな。何もせんでも、うちらの税金から給料をくれてやるから、おとなしくしていろ。迷惑だ。これ以上、悪政を進めるな。
しかし、岸田の後継に名乗りをあげているのも嫌な連中ばかり。
庶民の生活が上向き、安寧に暮らせるようになるなんてまったく思えないし、むしろ悪い方にいくだろ、ってメンツばかり。
高市だの魔太郎だのだのの悪相を見ると不快になるので、ニュース番組も見ていない。
要は自民党じゃダメだってことよ。野党、しっかりしてくれ。
9月某日
涼しい。夜中にエアコンを切って迎えた10日朝。
窓を開けたらそよそよと爽やかな空気が。いつ以来かしら。
室温27度・湿度67%。
これってエアコンを使っている時の状態とほぼ同じ。
昨日まではだいたい29度78%くらい。30度を超えるとエアコンの出番だった。
朝、久しぶりにコーヒーのためにお湯を沸かした。沸くまで腕立て伏せを100回した。これも久しぶり。
この日はくもりで時々小雨。
夜、帰宅しても、部屋はもわーっとしていない。エアコンも扇風機も使わずに済んだ。
♪このままずっと ずっと 涼しいままでいて〜
という願い虚しく翌日からは猛残暑がずーっと続く。痛い陽射し、肌にまといつく湿気。やだよー。
気象庁によると、9月は35度以上の猛暑日を全国914観測点で計1452回記録。過去最多だってさ。
9月某日
10日(日本時間11日午前)、ハリス副大統領とトランプの討論会(ABCテレビ)。
終了直後、歌手のテイラー・スウィフトさんがインスタグラムでハリス氏支持をインスタグラムで表明した。
共和党副大統領候補、ミソジニー・バンスの失礼極まりない暴言を皮肉って、
「私もchildless cat lady だけれど、それが何か」とばかりに猫を抱いた写真を掲載していて痛快だった。
その後、歌手のビリー・アイリッシュさんやジェニファー・ロペスさん、ブルース・スプリングスティーンさん、人気テレビ司会者のオプラ・ウィンフリーさん、俳優のジュリア・ロバーツさん、メリル・ストリープさん、ベン・スティラーさんらもハリス氏支持を表明。
「カマラ・ハリスとティム・ウォルズは、階級、宗教、人種、政治的観点、性自認を問わず、全ての人を尊重し、包み込む国を展望している」(スプリングスティーンさん)。
この真逆を行っているのがトランプとトランピーなトランパーでしょ。
討論会の方はトランプの惨敗。
移民問題でまともな討論ができず「移民が住民のペットの犬や猫を食べている」などデタラメをまくし立て、その場で司会のデビッド・ミューアー氏に「そんな事実はない」と否定されていた。
そのミューアー氏。みつきは、この方、全米一のイケメンキャスターだと思っているんだけれど。落ち着いた声には惚れ惚れする。城達也さんみたいな感じって言えばわかるかしら。
CNNの調査では63%がハリス氏が勝ったと判定。「このおいぼれはダメだ」って、多くの有権者が呆れたんじゃないかしら。まあどこの国にも2、3割はいるものよ、デマを吐こうがバカだろうがヘイト連発だろうが金持ち優遇だろうがトランプが一番、安倍が一番というプアウヨ・アホウヨ連中がね。
その後の報道(14日付東京新聞)によると、おいぼれトランプは、「2度目のテレビ討論会は行わない」と表明、尻尾を巻いて逃げちゃった。まさに「お前は負け犬だ」だね。
しかも、やらない理由が「世論調査では、私が勝利したことは明らかだ」と明らかなウソだから爆ワラ。どれほど自分に都合のいい異世界にトリップしてるんだ、この老害は。さっさと私らの暮らす世界から、スライムにでもなってどっかに転生してくれないかしら。
9月某日
11日付東京新聞に2件の訃報。
「宇能鴻一郎さん死去 90歳 官能小説、芥川賞」
尊敬する大好きな作家でした。
学生時代に付き合っていた人が日刊ゲンダイを読んでいて、私の部屋に持ち込んだ。それで知った。
「あたし、〇〇なんです」
女性の欲望をストレートに描いていて、しかも能動的で活発。しかも主導権を男に握られているように見せて実はしっかり握っている女性が主役なんだから、ファンになっちゃった。
「清く正しく慎ましく」おとなしいを女を演じるなんてバカらしい、キュークツ、って感じていた頃だったから、読んでいて解放された気分になったんです。
彼を捨てた後も、読み続けた。キオスクでゲンダイを買い、電車の中で読む女。まるでオヤジギャルだな。
(中尊寺ゆつこさんのマンガ、好きだったな)
先生の芥川賞受賞作「鯨神」(1961年)は、ずーっと読みたかったけれど、絶版で手に入らない。
半ばあきらめていたんだけれど、2021年8月に出た新潮文庫「姫君を喰う話 宇能鴻一郎傑作短編集」が収録していた。買った。読んだ。納得した。
巨鯨との激闘、このド迫力、これは日本版「白鯨」ではないか、と思ったものです。
メルヴィルの原作は読んでいない。難読本として有名なのでなかなか手が出ない。小学生の頃、子ども向けのダイジェスト版を読んだことがあるようなないような。グレゴリー・ペックがエイハブ船長を演じた1956年のアメリカ映画は見ているので、これとの比較での感想。
今年1月には同じ新潮文庫から短編集「アルマジロの手」が出たので、もちろん買って読んだ。
先生の短編集って芥川賞受賞後の純文学期から官能小説にシフトするまでの10年間に書かれたものが多いんだって。
現実と幻想のグラデーションのあわいで、奇妙でエッチで怖いお話が紡がれていて、読んでいて不思議な気分になった。
先生の蔵書はこの2冊のほかはブックオフで見つけた「むちむちぷりん」(徳間文庫、2016年)と「人妻女子大生」(双葉文庫、1992年)があるだけ。
先生の官能小説をそろえたいけれど、古本やヤフオクでしか手に入らない。
「甘美な牢獄」(烏夕書林)という単行本も復刊されたけど、これは知らなかった。
スクラップ帳を探したら、東京新聞夕刊コラム「大波小波」(2017年2月22日)で(不感症)氏が官能小説ご三家(宇能鴻一郎先生、富島健夫先生、川上宗薫先生)を取り上げていた。
3人は戦争で悲惨な体験をしていて、「純文学から傍流へ転向したとも見える彼らは、一面では戦後文学の屈折した陰画であると言えないか。そんな傍流文学史を研究者はぜひ著してほしいものだ」
9月25日の「大波小波」でも(魔楽)氏が宇能鴻一郎先生を取り上げていた。
それによると、
・ポルノ転向のきっかけは自作「不倫」を江藤淳にポルノ紛いの愚作と断じられたことらしい。2014年の自伝的連作「夢十夜」で、日本の文芸批評の水準の低さに絶望したと書いている。
・先生の最高傑作短編は「公衆便所の聖者」なんですって。
・「あたし〇〇なんです」という文体は「恋ざかり」というポルノ人情噺が原点だそう。
やはり「大波小波」(10月3日付)。
(濡)氏が傑作短編を紹介している。
「妻を暴行された男が、妻と他の男との性交渉を見ないと夫婦の一体感を感じられなくなる『密戯』や、潔癖な家庭で育った少年が勤め先の主人の妻と関係して家庭を壊そうとする『猥褻』」「『肉の壁』の過激さは村上龍『限りなく透明に近いブルー』の先駆をなしていた」
知らない作品が多すぎる。
だから、あたし、先生の作品を全部読んでみたいと思っているんです。
どこかが「宇能鴻一郎作品全集」を出してくれないかしら。
♪わたし待つわ いつまでも待つわ
まずは文芸誌、追悼特集を組みなさい。絶対、買うから。
「ダース・ベイダーの声 ジェームズ・アール・ジョーンズさん 93歳」
「ある黒人少年は高校に入るまで人前でしゃべることがなかった……理由は吃音があったからである」「少年に詩の才能があることに一人の英語教師が気がついた。みんなの前で朗読させたい。教師は少年が沈黙を破る手助けをした。少年は朗読や演劇によって言葉の問題を克服した」(9月17日付東京新聞「筆洗」)
「ディス・イズ・CNN」
これもジョーンズさんの声だそうです。
「ルーカスは……ダース・ヴェーダーの声として……ハリウッドに数少ないシェークスピア俳優で、一九七〇年には《ボクサー》でアカデミー賞候補にもなったジェームズ・アール・ジョーンズに決定したのだった。ジョーンズの深いバリトンは、特に電気的なフィルターを通し、重い呼吸音を加えることで、一段と凄味が加わった。ジョーンズは、タイトルのクレジットなし(特別編以降は、名がクレジットされている)の一万ドルで引き受け、世界中にその声を知られることになった」(ゲリー・ジェンキンズ「ドキュメント《スター・ウォーズ》」扶桑社セレクト文庫、2004)
ともに合掌。
9月某日
♪だけども問題は今日の飯 コメがない……
仕事帰りにスーパーに寄ったら、コメがない。翌日のぞいたら、あっても高い。
ほんのひと月前は5キロ2000円前後(税抜き)で買えたのにい。いまは3000円超(とくに新米)だと。
23年産米の不作に加え、南海トラフ地震警戒情報、台風への備え、インバウンド消費の増加がきっかけらしい。
農水省は備蓄米を放出するつもりはこれっぽっちもない。
「朕(政治屋、経営者、富裕層)はたらふく食ってるぞ 汝ら臣民、飢えて死ね」って言われているようで気に食わない。
やってられないぜ。こんな高値なら買わないまでだ。
ロシアのウクライナ侵略、円安をきっかけに、あらゆる物価が上がっている。
食品メーカーなんて何回値上げしてるんだ?
そのくせ円高になってもなかなか値段を下げない。
原料費、エネルギー費、人件費の高騰を言い訳に使っているけれど、食品メーカーの多くは好決算を叩き出している。会社四季報を見てみよ。コストアップ要因を上回る価格設定をしているから利益アップしているんじゃないのか。
昔なら、こういうのを「便乗値上げ」って言ったもんだ。
メディアも、メーカーらの言い訳、言い値をそのまま伝えるだけ。
メーカー、商社、小売りは昔みたいに出し惜しみしてないか? どこかに隠してないか? 不当な値付けをしてないか? 値上げのし過ぎではないのか?
昔のアメリカ映画「誇り高き男」(1956)でロバート・ライアンがこう言っていた。
「便乗して値をつり上げるなど泥棒と変わらない」
こういう問題意識でメーカー、流通に切り込む記者はいないのか。
消費者だって、昔は今みたいに唯々諾々、おとなしく我慢などしていなかったぞ。
コメ一揆、コメよこせデモ、狂乱物価反対デモで抗議の声を上げまくっていたぞ。
♪コメがない、じゃなくて♪コメよこせ、だ。
コメが高すぎるなら不買一択。
言い値を素直に受け入れるぐらいなら、他でしのぐ。
備蓄米放出を出し惜しむ自民党、公明党の庶民いじめにプロテストだ。
アナリストによると「去年より1割高」が妥当な線とのことなので、銘柄にもよるが2500円超は買わない。我慢比べだ。
買わなければ自然に下がってくる。市場原理。単純な話だ。
生協で注文しているコメは抽選になっており、当選率は10人に1人だそう。私は1回落ちた後、今週は受かったので、ほっとしているところ。あきたこまち5キロ2380円(23年産)。やはり高いよ。
コメの次はタマゴが品薄で値上がりしているんですってよ。ニワトリが猛暑でバテたのと外食の月見商戦で需要が増えたのが原因だって。
ははは。
コメ不足といいタマゴ不足といい、いずれもとってつけたような理由で笑える。そんなんで納得するほどお人好しじゃないよ。
国は戦争準備で食料安全保障? 食料自給率向上? にいそしんでいるようだが、 笑わせろ。
自給率10割近いコメ、タマゴがこんなウソかホントか分からない要因で、あっという間に品薄、値上がりしちまうんですぜ。な〜にが千五百秋の瑞穂の国(チイアオキノミズホノクニ)だ。
それなのに集団的自衛権? 敵基地先制攻撃? 台湾有事は日本有事?
全体の食料自給率が4割以下のこの国ですよ。小麦はどうする、飼料はどうする、大豆はどうする、乳製品はどうする、肉はどうする、魚はどうする……
食料だけじゃないぜ。石油はどうする、天然ガスはどうする、石炭はどうする。
原発? 原発プラントを動かす電力はどーすんだ? 先制攻撃に対する反撃で一発撃ち込まれたら、それこそ日本終了だわな。
自民党極右やネトウヨ連中は威勢のいいことを言っているが、戦争なんかできっこない。
ウクライナと違って海に囲まれたこの国で、平時と同等の輸入ができるわけがない。この国が仮想敵とする国って最大の貿易相手でしょうが。それこそ、あっという間に「われら臣民飢えて死ぬ」状態に陥るでしょう。
同盟国のアメリカが輸出してくれる? 制空権・制海権取れる保障はあるのか。取ったところで米国は自国ファーストに走るよ。なぜアジア人の戦争にグレートアメリカンが首を突っ込んで血を流さなければいけないんだ? 安保条約? こんなのアメリカの胸先三寸だ。
外務省もそれを分かっているから、首脳会談のたびに「助けてね」「わかった」なんてやり取りをさせているんでしょうが。
甘い想定で「神州日本は不滅だ、最強だああ〜!」の精神論で戦争に突っ走った大ニッポンポン帝国の愚を繰り返すのはやめていただきたいですわ、ほんと。
9月某日
「盗撮するとき、ドキドキする」
(9月13日付東京新聞「国交省係長が盗撮未遂疑い 山手線で現行犯逮捕」)
スマホでスカート内を撮影しようとした性的姿態撮影処罰法違反(撮影未遂)の疑いで国交省道路局企画課係長36歳を逮捕。スマホからは撮影された動画も複数見つかった。
「10日午後8時25分ごろ、品川駅に着いた山手線車両内で、20代女性のスカートの中にスマホを差し入れて動画撮影しようとした。乗客が気付き駅員に引き渡した」
痴漢も相変わらず多い。
2日付の沖縄タイムスに内閣府の調査結果が載っていた。
「新型コロナウイルス禍で減少した痴漢被害が、じわじわと増え続けている。7月に公表された内閣府調査では、回答した若者約3万6千人の1割が経験したと回答。一方、周囲や警察に相談していない人も多く、被害の潜在化が浮き彫りとなった」
「知らない異性が近くにいると吐き気を催し、心拍数の上昇やめまいなどが頻繁に起こる」「加害者に『何年たっても、その瞬間の記憶は薄れない。トラウマになっている』と知ってほしい」
被害者は心を破壊され苦しんでいるんだぞ、鬼畜め。
あのなあ、痴漢は犯罪だ。いっときの欲情に溺れた代償は大きいぞ。きょうび被害者もやられっぱなしじゃないからな、覚えておけ。
痴漢だけじゃないぞ。
人の髪近くでスーハーするな、気持ち悪い。人の頭の上でスマホいじるな、電磁波が直撃するだろ(文庫本なら許す)。肘をゴリゴリ当ててくるな、痛いだろ。座れば足組みor大股びらき、シルバーシート寝たふり&スマホとにらめっこ、赤ちゃんの鳴き声やベビーカー・車椅子に舌打ちする、リュックは手に持てよ、ドア付近で踏ん張って頑として動こうとしない野郎……これが世界に冠たる美しい国ニッポンポン男子の電車内での振る舞いだよ。
宮藤官九郎ドラマ「新宿野戦病院」(7月3日〜9月13日、小池栄子、仲野大賀、橋本愛、濱田岳、フジ系)最終回。
「ふてほど」と違い、ほぼほぼ共感できた。外国人、ホームレス、無保険者、誰でも平等に雑に命を救う。
元米軍軍医・小池栄子さんが国境なき医師団で活動し、なぜかみんなでペヤングソース焼きそばを食べているラストシーンもナイスでした。
朝ドラ「虎に翼」出演の面々がかなり被っていて、これはクドカン流受け狙い? たまたまクドカンファミリーだっただけ?
仲野大賀は誠実で緊張すると下痢ピーの寅子の夫だったのが、ベンツに乗って港区女子とギャラ飲み・歌舞伎町闊歩の美容医(彼は2013年の朝ドラ「あまちゃん」で初認識したんだった)。平岩紙、そうそうびっくりしたんだけれど再放送中の「ちゅらさん」でゴーヤーマンを買わなかった観光客役をやっていた。岡部たかしのお父ちゃんと医者、ほぼ同じキャラ。余貴美子、最高裁長官の後妻、その後認知症とジャズシンガーの落差よ(「ちゅらさん」ではアラサーOLでしたね)。人権派LGBTQ弁護士・戸塚純貴がウェーイな歌舞伎町ホスト(ゲスト出演)で出てきた時はのけぞった。
あとトラツバには出てないけれど、濱田岳。クドカン脚本「季節のない街」(2023)で黒澤明「どですかでん」(1970)の六ちゃん演じていたが、これがドンピシャで、びっくりしたんだった。
あの頭師佳孝に並ぶ人がいたなんて。
小学生の時、幼なじみのタルヘーが父と一緒にリバイバル上映を観たとかで、校庭を「どですかでん、どですかでん」って言いながら走っていたのを思い出しちゃった。
私は学生時代にどこかの名画座で見たんだった。早稲田? 飯田橋? 新宿? 池袋? 昔は映画が安く観られる名画座がたくさんあって、講義そっちのけで入り浸っていた。
今は家から歩いて行けるところにシネコンがあるけれど、スクリーンはたくさんあるわりに、どーもお子ちゃま向けのラインナップが多くて。
ポレポレ東中野で上映するような映画が好みなんだけれど。
例えば10月12日公開のドキュメンタリー映画「勝ちゃん 沖縄の戦後」(影山あさ子・藤本幸久共同監督)、観たいなあ。
勝ちゃんは80歳の漁師。0歳児の時、沖縄戦で日本兵に殺されかけ、基地労働、米軍物資を盗む戦果アギヤーなどで戦後を生き抜き、コザ蜂起にも加わった。32歳で漁師に。「戦後、沖縄の人たちは海に救われたことを忘れてはいけない。自然の海がそのままあれば、魚はいくらでも湧いてくる。海を殺しちゃいけない」と辺野古基地建設反対運動の先頭に立つ。
こういう映画が観たいんだ。でもシネコンには、ほぼかからない。それもあってシネコンは近くにあるんだけれど足が遠のいている。で、お家で録画・配信視聴中心に、今はなっちゃってる。
濱田岳つながりで滝藤賢一を思い出したぞ。トラツバで「愛」を叫んでいたが、みつきは彼を見ると映画「フィッシュストーリー」(2009)のレイプ男を思い浮かべてしまうんだ。山道で大谷英子を犯そうと服をむしり取る滝藤。そこへ通りかかったのが気弱な大学生・濱田岳。
大谷が叫ぶ「助けて!」
滝藤が怒鳴る「何みてんだ、このやろー、あっちいけ」
逃げ出そうとする濱田、最前飲み屋で会った合コン相手の高橋真唯の予言めいた言葉を思い浮かべる。
「あなた、一度でも、何かに立ち向かったことがある? 立ち向かわないと、運命の女性は他の人のものになってしまう。覚えといて」
勇気を出して滝藤をぶん殴り(だったかしら。記憶曖昧)女性を救出する。
強姦する滝藤の顔がイッていて超怖かった。
滝藤にとっては黒歴史な役かもしらんけど、この演技でみつきの脳裏には彼の名が刻み込まれてしまった。で、彼をドラマや映画で見るたびに、この時のシーンがよみがえってしまうのだった。
「どですかでん」。濃い役者の濃い演技が忘れられない。先述の頭師を筆頭に、「死んだ魚の目の男」芥川比呂志、顔面神経痛の伴淳三郎、子連れ乞食の三谷昇ほか、ジェリー藤尾、南伸介、丹下清子、根岸明美、田中邦衛などなど。
なお、この「どですかでん」は「みつきの邦画ベスト10」の1本です。
他は「さびしんぼう」(1985)「蒲田行進曲」(1982)「パッチギ」(2004)「のど自慢」(1999)「泥の河」(1977)「瀬戸内少年野球団」(1984)「日本沈没」(1973)「マタンゴ」(1963)「男はつらいよ 柴又慕情」(1972)(順不同)
ちなみに外国映画は、
「フェリーニのアマルコルド」(1973)「ミスター・グッドバーを探して」(1977)「覇王別姫」(1993)「ディア・ハンター」(1978)「バリー・リンドン」(1975)「大統領の陰謀」(1976)「ジュリア」(1977)「暁の七人」(1975)「追想」(1975)「戦争のはらわた」(1977)「フロント・ページ」(1974)「トリュフォーの思春期」(1976)「ダブ」(1975)「カー・ウォッシュ」(1976)「燃えよドラゴン」(1973)(順不同)
あ、15本になっちゃった。ま、いいか。
なお、私の大好きな「オキナワの少年」(1983)「あゝひめゆりの塔」(1968)「劇映画 沖縄」(1969)「神々の深き欲望」(1968)「網走番外地 南国の血斗」(1966)「夏の妹」(1972)「ホテル・ハイビスカス」(2002)「ゴジラ対メカゴジラ」(1974)「沖縄やくざ戦争」(1976)「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」(1980)「男はつらいよ 寅次郎紅の花」(1995)「太陽の子 てだのふあ」(1980)「Aサインデイズ」(1989)「海燕ジョーの奇跡」(1984)「ソナチネ」(1993)「サウスバウンド」(2007)「メイン・テーマ」(1984)「ウンタマギルー」(1989)「ナヴィの恋」(1999)「琉神マブヤー」(2011)「むんじゅる笠」(2021)「沖縄スパイ戦記」(2018)などなどは、みつき的には邦画とは別カテゴリーの「沖縄映画」(沖縄制作、琉球がテーマ)に分類しております。
大好きな映画って多感な高校・大学時代に観た映画が多いわね。映画館に感謝。
今、注目しているのは2019年直木賞受賞作、真藤順丈「宝島」(大伴啓史監督、妻夫木聡、広瀬すず、窪田正孝)。来年公開予定。
沖縄戦後史に興味がある私としては絶対外せない作品になりそう。米軍ジェット機小学校墜落事故(1959年)が、あるいはコザ蜂起(1970)がクライマックスになるのかしら。
原作は単行本を持っているけれど、文庫本も買っちゃいました。単行本の帯に大きく書かれた「さあ起(う)きらんね」の文字は、今でも心に刻みつけられている。ウチナーンチュに向けた檄と受け止めた。
墜落事故を扱った映画には「ひまわり 沖縄は忘れない、あの日の空を」(2012)があるが未見。
9月某日
14日付の東京新聞。訃報。
岡田太郎さん(フジテレビ・プロデューサー。共同テレビ社長)、94歳。あの吉永小百合さんの夫。
1973年、43歳で人気絶頂の小百合さん(当時28歳)と結婚。みつきの親以上世代のサユリストにショックを与え、絶望の淵に叩き落とした人。
合掌。
岡田氏、さしずめ元祖「あのヤロー」?
激写・篠山紀信(南沙織さんと結婚)、ギター弾き・ハル高内(松坂慶子さんと結婚)、ヤリチン・玉置浩二(薬師丸ひろ子さんを落とし結婚。その後離婚し「ヤロー」度倍増し)、ハッピーフライト・田中哲司(仲間由紀恵さんと結婚)、ジャニタレ・赤西仁(黒木メイサさんと結婚、離婚)、ゲゲゲの星野源(新垣結衣さんと結婚)、同じくゲゲゲの向井理(国仲涼子さんと結婚)……
そうそう中でも許せないのは、マザコン・森進一だ。大原麗子さんを不幸にした「あのヤロー」、絶対許せねえ。
と、職場のオヤジ社員たちが男ゆんたくしていました。
9月某日
15日付の沖縄タイムス。政治面。
「立憲民主党代表選4候補 沖縄政策そろう」
立憲沖縄県連の質問に答えた。
4氏は「新基地建設中止の方針」「日米地位協定も改定を目指して米政府と交渉」で一致。
完成が見通せない辺野古基地強行・日米地位協定改定する気のない自民党より1000倍、万倍、億万倍マシだ。
こういう記事は本土の新聞には載らないから、地元紙を購読していてよかったと思う。
社会面の隅っこに訃報。
敏(とし)いとうさん、84歳。敏いとうとハッピー&ブルーのリーダー。「わたし祈ってます」「星降る街角」などのムード歌謡で一時代を築いた。
「星降る街角」は私のカラオケの十八番(おはこ)の一つです。
♪星の降る夜はぁ あなたと二人でぇ おー、お、お、お、踊ろうよパパヤパパヤパパパ……ああ恋の夜、夜、夜、夜パパッヤー……
って。
盛り上がるわよ。ユーミンの「真夏の夜の夢」なんて目じゃないくらいにね。
合掌。
ちなみに他の十八番は、
・ペドロ&カプリシャス「五番街のマリーへ」
♪マリーという娘と遠い昔にくらし……
・吉田拓郎「旅の宿」
♪熱燗徳利の首つまんで もういっぱいいかがなんて みょうに色っぽいね……
・シャネルズ「ランナウェイ」
♪二人だけの遠い世界へ お前を抱いてランナウェイ……
・かぐや姫「僕の胸でおやすみ」
♪ふたりで歩いてきた道なのに なんてさびしい……
・近藤真彦マッチどぇーす「夕焼けの歌」
♪ゆらゆらと都会(まち)に広がる あの頃と同じ夕焼け空……
わりとしっとり聴かす系が多いな。
もう一つの盛り上げ曲はこれ。
ジュ〜リ〜沢田研二「TOKIO」
♪TOKIO TOKIOが空を飛ぶ〜……
沖縄代表は、
イクマあきら「ダイナミック琉球」
♪大地踏み鳴らし叩く 島の太鼓(てーく)ぬ響き……
胸(むに)が高鳴り、元気が出るさー。
最近は高校野球のスタンドでもよくかかるわね。
パッと思い浮かぶのはこんなところ。
あー、コロナ禍でカラオケとはご無沙汰。これからは一人カラオケってのもいいかもね。
同じく社会面。「自称ラッパーを逮捕 女性暴行疑い」
14日午前5時ごろ、沖縄市の路上で30代女性の胸を押し首を絞めた。東京・八王子市の36歳男。女性の店で酒を飲んでいたといい、何らかのトラブルがあったらしい。
容疑者の名前を検索したらウィキペディアにも名前が載っていた。
沖縄の夜は米兵だけでなく、内地からのガラの良くないごろつき観光客もウロウロしているから、少しも油断できんさ。で、あるねえ。
9月某日
今夜は十五夜。中秋の名月。
仕事帰り。空を見上げて黄色い月を眺めた。
古来、中国では「中秋夜迎寒」と言って、秋の気配が色濃くなるころです、ってことなんだけれど、地球温暖化、異常気象の昨今はずーっと30度超え、まだまだ夏だ。
ここで一句。
「中秋の月も汗かく猛残暑」
9月某日
よかったあああああ。
きょうは仕事を休んで、近くの総合病院へ。大腸内視鏡検査の結果を聴きに行った。
生体検査の結果は「異常なし」
検査から2週間、まんじり落ち着かない、あえてこのことを考えない日々だったけれど、重しが外れた気分。
検査のきっかけは3カ月ほど前、便が細いことに気づいたこと。ふだんよりだいぶ細い。それがずっと続いている。
ネットで調べて不安が募る。でも内視鏡検査って大変そう。恥ずかしそう。で、逡巡しているうちに不安の方がまさってきて、病院に行った。
初診は症状の説明のみ。内視鏡検査を予約して、検査の手引きや複数の下剤などを持ち帰る。
検査日前日。夜、食後に下剤を2種類。
検査日、朝イチで便が出た。さらに下剤を飲んだ後、洗腸剤(粉末を水で溶かして2リットルくらい)を時間をかけて何回にも分けて少しずつ飲む。味はスポーツ飲料みたいで飲みやすい。
「lっっっvlplpfーっっv。ーKBおえっdc」て感じで、もよおしてきた。
これが断続的にきて何回もトイレへ。そのうち肛門がヒリヒリーしてきた。トイレットペーパーを軽く当てるだけでも痛い。(このヒリヒリーは検査翌日も続いたが、その後、治った)
大腸が空っぽになるまで何度も排便をして、便が固形状態から尿に近い透明になるまで排便・排水を続けます。
宿便がなくなるなんて、いつ以来かしら。
通院はタクシーを呼んだ。
途中でお漏らししたらと心配でパンツ式紙おむつをはいた。おむつをつけるなんて赤ちゃんのとき以来だ。
病院では検査着に着替える。鎮痛剤を飲んでベッドへ。検査してくれたのは男性医師だーーー。でも、ここまで来たら、恥ずかしいだの言ってられない。肛門も会陰もその先の●レメも、皮膚だ皮膚。
うつらうつらしているうちに検査は終わった。痛みもほぼなし。検査後の休憩はよく眠れた。
医者から「検査のため生体を取りました」と言われる。
不思議なことに検査翌日以降、便に太さが戻った。
そして今日、検査結果。
医師が画像を見ながら説明してくれる。生体検査のために取った部分は小豆大? 拡大画像なのでよくわからない。
「異常ありません」
ふうううう。安心したー。
でも、痔が発見されてしまった。医者によると「小さいのでそのままで大丈夫でしょう。血が出るようなら肛門科を受診してください」
ついに私も痔主になってしまいましたわ。おほほほのほ。
血は出ていないので、現状、何もせず様子見で大丈夫そう。
9月某日
昨日の今日の金曜日。すっかり気分一新。仕事帰りに久しぶりに本を買った。家の近くのジュンク堂。
松本哉氏の「世界マヌケ反乱の手引書」(ちくま文庫)を買おうと、近くのジュンク堂へ。
が、ない。
五十音順で並ぶ「ちくま文庫」の棚を「あ」から「ん」、じゃない「わ」まで見ていく。
沖縄語には「ん」で始まる単語がたくさんあるので、例えば「ンキーン(剥ける)」。タニヌカーヌ ンキーン(ちんちんの皮が剥ける)とか。だからつい「あ」から「ん」までと思考してしまうさ。
やはりない。
でも、「おおっ」という本を見つけたので買っちゃった。
香山滋氏「ゴジラ」(2004年版復刊)。
鈴木義昭氏「桃色じかけのフィルム」(6月の新刊、ピンク映画が生んだ山本晋也、若松孝二、高橋伴明……映画人、失われてしまった作品を追うルポ)。
松本哉氏の「マヌケ反乱」は、その場で注文しようと思ったが、レジ待ちが何人かいたので遠慮した。
別の日に探すことにした。
ゴジラの原作台本を手がけた香山滋氏による「ゴジラ」に収録されたノヴェライズ(1955)には、1行目から「沖縄」の文字が出てきます。
迷わず買いました。ゴジラと沖縄の縁は深くて長いものがあるようです。
「ゴジラ対メカゴジラ」(1974)は、みつき的には沖縄映画。
沖縄の守り神、キングシーサーが出てきます。
ああ、キングシーサー、今すぐ出てきて、沖縄防衛局をたっぴらかしてー。
ゴジラつながりで月刊シナリオ10月号も買っちゃった。第1作公開70周年ということで「ゴジラ」脚本(1954、村田武雄・本田猪四郎)を掲載していたので。他に「箱男」(2024、いながききよたか・石井岳龍脚本)、「日本の青春」(1968、廣澤榮脚本)を掲載。
9月某日
メジャーリーグ・ドジャースの大谷翔平が19日(現地時間)のマーリンズ戦で50本塁打・50盗塁を達成。メジャーリーグで史上初の快挙ですって。
メジャーには多くの伝説的選手がいる。
ベーブ・ルース、タイ・カッブ、シューレス・ジョー・ジャクソン、ルー・ゲーリッグ、テッド・ウィリアムズ、ジャッキー・ロビンソン、ミッキー・マントル、ジョー・ディマジオ、ウィリー・メイズ、ヨギ・ベラ、ルー・ブロック、ハンク・アーロン、ピート・ローズ、バリー・ボンズ、イチロー……(順不同)
大谷はこのレジェンド大打者たちの頂点に立ったわけだ。
このレジェンドの中で、私が一番好きなのはシカゴ・ホワイトソックスのシューレス・ジョー・ジャクソン(1887〜1951)。
打撃の神様タイ・カッブのライバルで、ルーキーとして4割を打った最初で最後の打者。ベーブ・ルースも「今まで見た中で最高の打者」と賞賛するほど。
1919年のワールドシリーズで行われた八百長「ブラックソックス事件」に連座して永久追放処分を受けた悲劇のヒーロー。実際に彼が八百長プレーをしたかどうかは不明。
彼を取り上げた小説や映画はたくさんある。
W・P・キンセラの小説「シューレス・ジョー」(文春文庫、永井淳訳、1989年)と、その映画化作品「フィールド・オブ・ドリームス」(1989、ケビン・コスナー)はあまりにも有名。
事件を描いた映画「エイトメン・アウト」(1988)もある。
ロバート・レッドフォードの「ナチュラル」(1984)もジャクソンをモデルにしたとされる。
文庫も読んだし、映画も観たよ。激レア本も持ってるよ。
「折れた黒バット ジョー・ジャクソンとブラックソックス事件」(ドナルド・グロップマン、小中陽太郎訳、ベースボール・マガジン社、1986年)。
昔、図書館の除籍本コーナーにあったのを見つけたのだ。
30日にレギュラーシーズンが終了したメジャーリーグ。大谷は54本塁打・69盗塁。本塁打・打点の2冠達成。ドジャースは地区優勝してプレーオフ進出。まだまだ熱いゲームが続く。
9月某日
今度は公営ギャンブル競技で性加害。
「競輪女性選手 性被害訴え」(9月21日付東京新聞)
女性選手は日本競輪選手会に訴え、男性選手は行為を認めたうえで、「合意があった」と定番の言い逃れ。
選手会は証拠不足を理由に男性選手を処分していない。
女性によると、男性と入った飲食店でキスをされ、ホテルで性的関係を強要された。女性はパニック障害になり、レースを長期間欠場、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断。女性は男性選手の処分を求め、選手会のハラスメント相談窓口に訴えた。
選手会は双方から事情聴取したものの、「動画など確実な証拠がないと処分できない」「(男性に)うそを並べられても調べる手段がない。裁判で白黒つけてからの話になる」とけんもほろろ。
女性は再調査を求めたが選手会は応じていない。男性選手は取材からも逃げ回っている。女性側は、先輩後輩の「力関係を利用して性加害に及んだ」と非難、選手会に「毅然とした態度で制裁を科すことを求め」ている。
女性側によると、競輪会では師匠と弟子などの上下関係からパワハラやセクハラが多発。指導者から「俺の言葉にイエス以外の言葉で答えるな」と行った暴言も横行しているそうだ。男性選手を処分しない選手会の態度は「ハラスメントを容認するものだ」と批判している。
加害男は反省していないし、選手会も男側に立って、被害女性をいじめにかかっている。
スポーツ紙も競輪予想はたくさん載っているくせに、この件は共同通信配信レベルの記事しか載せていない。男がS級何班なのか、A級の選手なのかも分からない。
東京スポーツ、暴露しろ。でなければ日刊ゲンダイ、週刊文春あたりに期待するしかないか。
9月某日
21日、能登半島豪雨。お正月に大地震に襲われた同じ場所で再び大災害。14人が亡くなり1人が行方不明(10月3日現在)……。
線状降水帯による河川氾濫、土砂崩れなどが発生、仮設住宅も浸水した。
みつきは無宗教だけど「神は本当におわすのか」と嘆かざるを得ない。言葉もない。
9月某日
22日の大相撲秋場所千秋楽。
推しの、
美ノ海(前8)10勝5敗
王鵬(前2)9勝6敗
阿炎(関脇)5勝10敗
美ノ海は2場所連続10勝で満点。王鵬は、2大関撃破も、勝ち越し後の連敗が惜しい。一皮剥けたかは来場所判断。阿炎は不調だったが、結びの一番で優勝した関脇・大の里(13勝2敗)に勝ったので良しとしよう。
唯一の横綱・照ノ富士の休場はあったにせよ、みなさんよく頑張ってくれました。
九州場所は、
美ノ海が前4、王鵬が小結(初)、阿炎が前3。大の里は大関昇進確実。(東京新聞予想)
9月某日
3連休の月曜日。秋分の日振替休日。朝のうち降った雨が秋を呼び込んだのかしら。午後から晴れて陽射しは強かったけれど、湿度は低く、室内は快適。外は強風で半袖では涼しすぎた。今日から秋ということでいいかしら。
♪いまはもう秋 だれもいない海……
朝ドラ「虎に翼」126回。
尊属殺の量刑をめぐる最高裁大法廷。弁護士・山田よねの弁論が最高に心に響いたので、少し長いけれど引用。ずーっと覚えておきたいので。
桂場「開廷します」
よね「論点は誰の目から見てもわかりきっていますので、回りくどい前置きはしません。刑法第200条、尊属殺の重罰規定は明らかな憲法違反です。昭和25年(1950年)に言い渡された刑法第200条の最高裁合憲判決。その基本的な理由となるのは人類普遍の道徳原理。
はて?
本件において道徳の原理を踏みにじっていたのは誰か。尊属である父親を殺した被告人ですか、それとも家族に日常的に暴力を振るい、妻に逃げられ、娘を強姦し続け子を産ませ、結婚を阻止するために娘を監禁した被害者である父親ですか。
暴力行為だけでも許しがたいのに、背徳行為を重ね畜生道に落ちた父親でも、彼を尊属として保護し、子どもである被告人は、服従と従順な女体であることを要求されるのでしょうか。
それが人類普遍の道徳原理ならば、この社会と我々も畜生道に墜ちたと言わざるを得ない、いや畜生以下、クソだ!」
桂場「弁護人は言動に気をつけるように」
轟「(立ちあがる)不適切な発言でした、お詫びいたします。(小声で)行け、山田」
よね「憲法第14条は『すべての国民が法の下に平等である』とし、第13条には 『すべての国民は個人として尊重される』とある。
本件は、愛する人と出会った被告人が全ての権利を取り戻そうとした際、父親から監禁と暴力による妨害を受けた結果であります。当然、正当防衛もしくは過剰防衛に該当する。
もし、今もなお尊属殺の重罰規定が憲法第14条に違反しないものとするならば、 無力な憲法を、無力な司法を、無力なこの社会を嘆かざるを得ない。著しく正義に反した原判決は破棄されるべきです。以上です」
史実をひも解けば、1973年4月に最高裁大法廷(石田和外裁判長)において、尊属殺は違憲との判決が出ている。それ以降、重罰は適用されなくなり1995年、村山富市政権(社会党・自民党・さきがけ連立)時に刑法が改正され重罰規定は削除された。
ちなみに1973年って、こんな年。
石油ショック・トイレットペーパー騒動
「怪物」ハイセイコー・ブーム(競馬)
「怪物」江川卓旋風(高校野球)
反戦映画「ジョニーは戦場へ行った」(ドルトン・トランボ脚本)封切り
「日本沈没」(小松左京)350万部突破の大ベストセラー 映画も大ヒット
瀬戸内晴美(51歳)出家、寂聴に
チリ・アジェンデ社会主義政権、軍事クーデターで崩壊
「8時だョ!全員集合」視聴率50%超え
吉永小百合さん結婚
韓国民主活動家・金大中氏拉致事件
日本人の「買春ツアー」に非難殺到
米最高裁、妊娠中絶を認めるロー対ウェイド判決
ごきぶりホイホイ発売
ブルース・リー、パブロ・ピカソ、早川雪洲、ジョン・フォード死去
この日、立憲民主党の代表選挙。
野田佳彦元首相(67歳)が新代表に選ばれた。1回目の投票で過半数を得る候補者がいなかったため上位2人による決戦投票の結果、野田氏が枝野幸男前代表(60歳)を破った。
吉田晴美衆院議員(52歳)を応援していたけれど、泉健太現代表(50歳)に次ぐ最下位で受からなかった。
野田か。刷新感がないなあ。
福島原発事故で放射能汚染による不安が渦巻く中、大飯原発を再稼働させたり、安倍晋三の挑発に乗って衆院解散して民主党政権を大敗させ、悪夢そのもの憲政史上最低最悪の安倍ならず者政権成立に手を貸しちゃった記憶がまだまだ消えない。なんか。わじわじーする。
ネットではさっそく野田氏、立憲民主党への批判があふれている。私もそうは思うけれど、自民党よりはるかにマシなんだよ、立憲の方が。
だから、衆院選は、選挙区は立憲民主党、 比例区は社民党に入れるつもり。
仮に立憲主体の政権ができたとして、思い描く理想が全て実現するわけでもないことは百も承知。
それでも、自民党を、裏金・差別・右翼・カルト・歴史改ざん議員を政権の座から蹴り出せば、この国の行く末はいい方に変わると思うから。
そういえば、2012年、野田氏が首相時代に、私は何度も「野田やめろデモ」に参加していたっけ。関東のあちこちにホットスポット(放射能高濃度汚染地域)が点在し被曝不安が強く残る中での大飯原発再稼働に頭にきたのだ。20代前半で今よりよっぽど血気盛んだったからなあ。
アベのことは批判しない、アベの言うことは何でも真に受けるどこぞのネトウヨとは違うんだもんね。
権力者が誰であろうと、支持政党による政権であろうと、ダメなものはダメと声を上げる有権者でありたいと心がけているからね。
「是々非々」なんて言葉があるけれど、権力に対しては限りなく「非」に重点を置いて臨まないと、尻の穴の毛をごっそり抜かれて泣きをみるのが関の山だからね。
マスコミは中立報道なんて言ってる場合か。権力監視、ワッチドッグの役割を果たせ。それが「第4権力」と言われる所以、存在理由なんだからな。しっかりしろ。権力者と寿司食って喜んでるんじゃないよ。
だから、選挙区で自民党を落とすために、鼻をつまんでヨリマシな立憲に投票しようよ、と言いたいわけ。小選挙区で野党が乱立した際にはね。
有権者の6割近くは、めんどくさくて、あるいは関心なくて選挙に行かないくせに、行かない理由をあれこれ正当化するために「棄権や白紙も意思表示だ」なんて言い訳しているけれど、権利放棄も甚だしい。権力者を喜ばすだけだ。日ごろ自分の権利擁護にだけはシャカリキになるくせに投票の権利は簡単に捨てちゃうのかい。
わじわじーするといえば、この日、パ・リーグ優勝を決めたホークス。
ライオンズからFA移籍した性加害の山川(同じ沖縄出身なので応援していたけれど、あれ以来やめました)の大活躍や、かつて巨人に無償譲渡された経緯を明らかにしない小久保監督とか、スッキリしないものを抱えているチームだからね。
9月某日
24日付沖縄タイムス運動面。
「首里高校10年ぶりベスト」
高校野球第74回県秋季大会で、わが母校、首里高校が沖縄水産に逆転サヨナラ勝ち。
沖水000000020ー2
首里001000002ー3
したいひゃー(ブラボー)!
29日に行われた準々決勝はウェルネスと激突。初回と5回のエラーから失点、1−5でベスト4逃す。でも、かわいい後輩たち、よくやった。夏に巻き返そう。
9月某日
超久しぶりに映画館。コロナ前以来?
記憶を頼りに昔の手帳を探したら、まさにコロナ禍直前、2019年11月1日に「ジョーカー」(2019、ホアキン・フェニックス)を観て以来だった。
♪あれから5年もたったけれど、映画は録画と配信で楽しんでいた〜
水曜日は1300円で観られる日(TOHOウェンズデー)なので、有休を取った。
(今年も残り3カ月ちょっと。年内に取り切らないと捨てることになる有休が残っているので、計画的に月2回、取得する予定なのだ)
観たのは長澤まさみ主演「スオミの話をしよう」。
8月の日記にも書いたけれど、長澤まさみの現夫、過去の夫が語る妻の姿がまったく異なるというコメディー。
ヤンキーっぽい妻だったり、活動的な妻だったり、上海から来た中国人妻だったり、なんでも夫に従う従順な妻だったり、料理好きで子ども好きな妻だったり……まさにまさみは有吉佐和子「悪女について」の主人公、富小路公子を思わせる。夫に合わせて変幻自在に妻を演じ分けているんだよね。
長澤まさみはフィンランド生まれという設定。名前のスオミはフィンランドのこと。
ラストシーンはミュージカル調。長澤まさみが歌い踊る。
♪でも私にはもっと好きなものがあるの それがヘルシンキ〜
なぜフィンランド? なぜヘルシンキ?
しばし考え思い出した。監督・脚本の三谷幸喜の別れた妻、小林聡美の代表作がフィンランド舞台の「かもめ食堂」(2006)だからか。かつての妻への未練が、そうさせたのかなど、あれこれ想像してしまった。
ちなみに小林聡美の作品で一番好きなのはデビュー作「転校生」(1982)かな。
ラスト。バスで去る尾美としのりを追いかけ手を振って別れた後、あっさり背を向け、なんの未練もなさそうにスキップしながら(だっけ)フェードアウトしていくシーンが記憶に残る。過去の男はあっさり忘れちゃうんです、って気持ちがにじみ出ていて好き。
9月某日
26日、袴田巌さんに無罪判決。
1966年に清水市(現静岡市清水区)であった一家4人強盗殺人で死刑が確定した袴田巌さん(88歳)の再審公判で、静岡地裁は無罪の判決を言い渡した。
翌27日の新聞各紙は1面トップ。紙幅いっぱいの大見出しが踊る。
東京新聞。
1面「袴田巌さん 再審無罪」「捜査側証拠 三つ捏造 静岡地裁判決 死刑確定から44年」
2面「非人道的捜査を断罪 主要証拠全て否定」
社説「再審に道開く法改正こそ」
社会面「58年 遅すぎた無罪 支援者 検察は控訴断念を」「裁判長 ものすごく時間が……申し訳ない」「帰らぬ日々 人生 ぐらっと変わった 死の恐怖、心身壊れ 母は病気がちに」
静岡地裁は①犯行着衣とされた5点の衣類②衣類の一部の切れ端③自白調書の全てを「捜査機関の捏造」と認定。静岡県警、静岡地検を断罪した。
①は「発見に近い時期に捜査機関によって血痕を付けるなどの加工がされ、タンクに隠匿された」
②は「袴田さんの実家で押収された経緯からして捏造」
③は「肉体的・精神的苦痛を与えて供述を強制する非人道的な取り調べで獲得された」
とし、「被告人を犯人とは認められない」と結論づけた。
記事にこうある。
「1日12時間に及んだ取り調べ……袴田さんが『小便に行きたい』と言うと、刑事の一人は『ここでやらせればいい』。室内に便器を取り寄せた」
ここまで読んで映画「天城越え」(1983、松本清張原作)を思い出した。
土工殺し容疑で田中裕子を逮捕したのが静岡県警。
取り調べは陰惨。怒声、ビンタが飛ぶ。尿意を訴えた田中裕子をトイレに行かせず、失禁させる。着物からのぞいた白い脚から流れ広がるお小水(これ、田中裕子さん、本当にやったそうです)が目に焼き付いている。
実際の静岡県警も昔から捏造・でっち上げで評判が悪かった。紅林麻雄(1908〜1963)という極悪デカが拷問、証拠捏造なんでもありの違法捜査ででっち上げた犯人は戦前・戦後数知れず。
いくつもの事件(幸浦事件、二俣事件、小島事件、島田事件)が裁判で無罪になっている。
こういう刑事のやり方を「当たり前」としていた面々が無実の袴田巌さんを犯人にでっち上げたといっていい。
社会派の松本清張、静岡県警が捏造・冤罪のデパートだということを知っていて、作品に反映させたのではないか。
これは警察・検察当局がでっち上げた冤罪事件だ。
とにかくよかった。
でも袴田さんは人生の大半を失った。
「ミニスカートは67年に『ミニの女王』と呼ばれた英国のツイッギーさんが来日し国内で流行した▶︎そのブーム時には既に拘束されていた事実に奪われた歳月の長さを痛感する」(同日付東京新聞「筆洗」)
国家権力は、いとも簡単に人を一人「殺せる」のだ。
捏造、冤罪は過去の話ではない。
最近だって、安倍晋三のご機嫌取りのために、公安警察は大川原化工機事件をでっち上げ、容疑者を長期拘束して病没させている。この事件も冤罪だ。でっち上げがあまりにひどすぎて、さすがの検察も起訴を自ら取り下げている。
やってることは犯罪ですよ、警察、公安、検察、国家権力さんよ。
9月某日
27日(金)朝ドラ「虎に翼」最終回。
半年間、心に刺さり、響き、うなづくセリフがたくさんあった。最終回にも。
寅子「はて? いつだって私のような女はごまんといますよ。ただ、時代がそれを許さず、特別にしただけです」
そうそうその通り。たくさんいたんです。
平塚らいてう、伊藤野枝、金子文子、三淵嘉子、市川房枝、瀬戸内寂聴、樺美智子、高野悦子、榎美沙子……著名人だけではありません。家庭で、学校で、職場で、もがき抗い声なき声を上げ続けた数多(あまた)の女性があったんです。昔も今も。
「虎に翼」には、例によってネトウヨ連中がネットで文句垂れていたみたいね。ただ圧倒的な共感の声に押されて、ごまめの歯ぎしりレベルでしかなかったみたい。
どんな歯ぎしりだったのかを27日付東京新聞「本音のコラム」が教えてくれた。
「『政治的すぎる』『思想の押し付け』『フェミニズムや同性愛はうざい』といった下手クソな批判がウェブ記事(みつき注:コタツ記事ね)でちまちま出てきて、なるほどこのイラつき具合」と。
さらに「『在日コリアンや障害者、性的少数者や高齢者、そして何より女性たちの『人権』を折りに触れて言挙げし、『男らしく女らしく!』に『はて?』と言い続けては声を持たなかった人たちの無言を朝っぱらから言語化して突きつけのだから、そりゃ鏡写しになる多数派の無自覚を刺激するわね」
櫻井某だの鼻くそ玄孫(やしゃご)某だの百田某だの自民党の右翼政治屋だの「保守」を詐称するローグ(ならず者)な面々はさぞ朝から不機嫌になっていたんだろうな。はは。
トラツバは、社会的なテーマだけでなく、女性の抱える健康上の悩みも取り上げていた。
コラムニストの吉田潮さんが週刊新潮(10月3日号)に書いていた。
「生理痛や更年期もきちんと丁寧に描写したのは初めてではないか。朝ドラのヒロインはみんな生理が軽いんだなと思っていたし、当たり前に妊娠・出産できるんだなとも思っていたから」
そうそう。朝ドラに限らず、ここまで描いてくれたドラマ、映画って記憶にない。
政治屋・富裕層だけがのうのうと生きていける国に堕してしまったこの国において、この半年間は、日本国憲法が私たちを守ってくれる宝物であると再確認できた日々でした。
まともに憲法も読まないで、読んでも理解できないオツムで、「みっともない憲法」なんて言いなさんな、改憲ヤーの皆さん。
最後に。
東京新聞に掲載された制作統括の尾崎裕和さんと脚本の吉田恵里香さんのインタビューを。
9月1日付の尾崎さん。
「トラコには(性格が)丸くなったり、もの分かりがよくなったりしない年の重ね方をさせたい」と吉田さんと話し合っていたそう。
選択的夫婦別姓や同性愛などの問題提起は「見た人が考えるきっかけになれば」との期待から、だそうです。
22日付の吉田恵里香さん。
賛否が分かれる題材を取り上げた理由。
「最近でてきた問題と思う人が多いが、調べれば昔からあることが分かる。寅子の時代にも悩んでいた人は確実にいて、ずっと置いておかれた問題と知ってほしい。ただ、社会にしらせる時、問題の当事者が矢面に立つべきではない。エンタメを通じて知ってもらうことも大事だと思う」
そう、昔から放置されてきたんですよね、いろいろな問題が。そしてそれを知らせる役割がドラマ、映画、演劇、小説にはあるのだ。
「女性が生きやすくなっても、男性が生きにくくなるのは本来違うはず。みんなが生きやすい社会を目指すべきだ」
吉田さんのこの指摘は重要。
ジェンダー平等、夫婦別姓や、子ども・LGBTQ・障害者・外国人などの権利拡大は、男を生きにくくするわけではないのに、ヒステリックに反対する被害妄想男が多すぎる。何も男だけが享受する特権を奪おうなんて思っちゃいない。同等にしろ、って言ってるだけなのに。同等になると負けちゃうの? 伍する自信がないの? 了見が狭すぎるんだよ、器がそのチンポコ並みに小さいんだよ。
みんなが生きやすい社会にしましょうよ。一緒につくっていきましょうよ、寅子が言っていたように。
朝ドラの「みつきランキング」は長らく「あまちゃん」が他を引き離して断トツのトップだったけれど、交代!
①虎に翼(2024)
②あまちゃん(2013)
③ちゅらさん(2001)
④ なつぞら(2019)
⑤ゲゲゲの女房(2010)
⑥ てるてる家族(2003)
⑦ちむどんどん(2022)
⑧純と愛(2012)
⑨ふたりっ子(1996)
⑩ひよっこ(2017)
なんと「とと姉ちゃん」(2016)が圏外へ。
沖縄ものはやはり外せない。
「鳩子の海」(1974)「雲のじゅうたん」(1976)は見てみたいんだけど、どっかで配信してくれないかしら。
来年はアンパンマンの「あんぱん」が控えているし、ランキングに変動がありやなしや。
「虎に翼」が最終回を迎えた同じ日、
私たちのかけがえのない憲法を改悪したがっている自民党の総裁選が行われた。決選投票の末、党内反主流派・石破茂が極右高市早苗を破る。
自民党議員も、劣化版安倍晋三の高市じゃ選挙に勝てないってことで、石破に入れた結果だ。
裏金・レイシスト・カルト議員が後ろについているネオナチ早苗じゃ刷新感ゼロだしね。
「高市総理」「初の女性総理」とSNSで騒いでいたネトウヨ 乙!
なーにが「初の女性総理」「ガラスの天井やぶれ」だ。日ごろはジェンダー平等クソ喰らえ、女は家で家事してろ、女は男の玩具ずら、が口癖のくせに、こんな時だけ「ガラスの天井、やぶれなかった」だのと嘆くな。お前らは分厚いガラスの天井を維持したい側の輩たちだろうが。
高市を応援していた、「への字」ゴルゴ麻生太郎は石破当選に口をますます「への字」にさせて仏頂面。石破の就任あいさつに拍手もしなかった。お前ももうお陀仏だ。
28日付東京新聞の解説によると、党員による1回目投票でトップだった高市は「強固な保守層(筆者注:反社カルト、レイシスト、歴史改ざん一派、いわゆるネトウヨ)に支えられて浮上……得票数自体は有効投票の3割程度に当たる約20万票だが、今回は9候補が乱立し、票が分散」したため浮上、と。なるほど。
ま、ネオナチ早苗が総理総裁なんて最低最悪は避けられたけれども、石破だって極右だ。
かつて「デモはテロ」「戦争に行かなければ死刑」と暴言。
総裁選では「核持ち込みOK、アジア版NATO作るぜ、自衛隊基地を米国に」なんて言っていた。
2013年、幹事長時代には辺野古基地建設に反対していた沖縄県選出自民党議員を恫喝かけて無理くり「賛成」に転向させている。いわゆる「平成の琉球処分」。石破は沖縄では毛嫌いされている。私も嫌いだ。
民主主義とはほど遠い好戦的で独裁的強面男だ。
隣国・中国のSNSでの反応が、おもしろくかつ的確だった。
石破茂は「拾破帽」だって。発音がともにshi po mao。
岸田が投げ捨てた「古いボロ帽子(総裁・首相の座)を拾った」(拾破帽)のが石破茂、と揶揄してるのね。漢字の国の語呂合わせ遊びみたいなものかしら。
ネオナチ高市は石破以上に嫌われている。
「女东条败了(女東条敗れる)」「高市早苗,比安倍更极端,是靖国神厕的常客(安倍よりも極右、靖国便所の常連)だって。
表現が下品なのは日本のネトウヨと同じだ。
「换谁都是米国的狗(誰に変わっても米国の犬)」「无论谁做日本首相,都不是好东西(誰が首相になってもろくなことない)」は日中ともに同意見の人が多いことでしょう。
ということで、やはり選挙は、高市よりはマシな石破、その石破よりはマシな野田立憲ほか、まともな野党に投票ということになりそうです。
岸田に嫌われた裏金レイシスト杉田水脈は、高市の推薦人に名を連ね「復権」を狙ったが頓挫。
安倍嫌い杉田嫌いの石破だから、衆院比例区で公認されたとしても下位だろうから、予定通り参院に鞍替えかもね。
本人も自覚していたようで、総裁選前、沖縄でヘイト講演した際(9月6日)、
「衆院は、もう私は出られないと思っている。来年の参院選に全国比例で出たい」と語っていた、と沖縄タイムス(8日付)が報じている。
まーだ、我々の税金で飲み食いしたい気満々なのか、このレイシストは。こんなのがのこのこ出てきたら落としてやりましょう。
そもそも石破、こんなレイシスト公認するな。安倍派残党の息の根を止めるぐらい干し上げて、党内から叩き出してくれれば、少しは見直してあげてもいいんだけどなあ。
ま、安倍派の奴らはヘイト・ネトウヨ・カルトの吹き溜まり日本保守党あたりに寄り集まって、選挙のたびに消えていく運命しか残されていないんじゃないの。
9月某日
まーだこんな、見え見えのでっち上げをやっているのか。
ポリ公、公安、国家権力のよくやる手口、転び公防。
27、28、29、30日と沖縄タイムスが連日報道している。
「不当逮捕 市民訴え」
「名護市の安和桟橋付近で辺野古新基地建設に反対する男性(76歳)が沖縄防衛局の職員に暴行したとして現行犯逮捕」
防衛局職員が土砂搬出に抗議する70代の女性の歩行を規制しようとした際、女性と一緒に転倒。職員は「後ろの市民に押された」と主張。男性が職員の胸部を両手で押したとして、暴行容疑で現行犯逮捕された。
ところが逮捕された男性は右手に杖を持っていて、暴行を否定。
共に行動していた市民(72)も「男性は足が悪くつえを突いているし、防衛局職員とは手を伸ばしても届かないくらい離れていた。押したり引っ張ったりというのはあり得ない。職員による冤罪だ」と暴行容疑を否定。
転倒してすり傷を負った女性は「職員に腰の辺りを引っ張られて一緒に転んだ。男性に責任をなすりつけた」「警察にも同じように説明したが、防衛局側の話のみをうのみにしている。弱い人だけを逮捕するのか」
事件を目撃した人は「男性は普段、つえがないと倒れてしまうような人。両手で押すなんてあり得ない」
男性は送検されたが、翌日には那覇簡裁が地検の求めた勾留請求を却下。那覇地検は男性を処分保留で釈放した。男性の弁護士は「裁判所の却下は当然。今後も事実無根であると主張していく」とコメント。
逮捕後は名護署内を車いすで異動していたという男性は「このような体でどうやって暴行できるのか。明らかな不当逮捕」と話した。
どこまで陰湿、悪質、卑怯なんだ、沖縄防衛局職員。自分が女性に傷を負わせたくせに他人に罪をなすりつける。寝覚めはいいのか。だとしたら、あんたの将来は「ゴー・トゥ・ヘル」で確定だよ。
つい数日前の日記で国家権力によるでっち上げ、冤罪を書いたばかりなのに、これだよ。油断も隙もないよ、ちょっと気を緩めると、とたんに図に乗るんだからな。
なお、本土のメディアは、私が確認した範囲でこの件を報道していない。
9月某日
29日付東京新聞に訃報。
「ハリポタ先生役 マギー・スミスさん 89歳」
えーん、マクゴナガル先生! 大好きでした。厳しいけれど頼もしく、なんでも包み込んでくれる温かさと慈愛に満ちた瞳、スッと伸びた背筋……「ハリー・ポッター」シリーズ(2001年〜)を観て、こんな人になりたいと思ったものでした。
結局、なれていない自分。じっと掌を見る……合掌。
同じ日の同じ面に、こんなけがらわしい記事が。
「自衛官 14歳娘に性的虐待で有罪 陸自、免職公表せず」
陸上自衛隊山口駐屯地の自衛官が自分の娘と性行為をしたとして不同意性交罪で懲役6年の判決。男は起訴内容を認め、約3年間で20回程度の性的虐待を繰り返した。しかも陸自は懲戒免職処分にしたが公表していなかった。
娘は小学6年の頃から強制的に性行為をさせられた。
この鬼畜自衛官の供述が怒りを倍増させる。
「家族は自分のものだ」
なんだこの、いわゆるクソ家父長的言い草は。こんな輩がウジャウジャいるから、自衛隊ではいつまでたっても、セクハラ、パワハラ、いじめがなくならないんだろうし、この類はレイシスト、極右、カルト信者、ミソジニー、自民党支持者と言ってもハズレじゃないよ。
3月22日付週刊金曜日に田中優子・前法政大学総長が書いていた。
「セクハラする人はパワハラも起こす。どちらも序列で『下』とみなした相手に対する自分の権力の行使にこそ、快楽を感じるからである」
職場でも家庭でも、この手の鬼畜がふんぞり返っているのが、今のこの劣化した国だ。
しかも不祥事を隠す。どこまで腐っているんだ、国家権力。
みつきが思うに、劣化のそもそもの始まりは安倍晋三が首相に返り咲いた2012年末が起点じゃあないのか。
森友学園・加計学園・桜を見る会・集団的自衛権など、悪行の数々の証拠をもみ消すためになんでもありで、公的記録を隠蔽改ざん捏造廃棄し放題。安倍は国会答弁で118もウソをついたことが衆院調査局によって確認されている。頭が腐っていれば、その腐敗腐臭は総身に回る。その結果が未だにこの国を蝕んでいるんだな。
9月某日
30日月曜日。新しい朝ドラ「おむすび」が始まった。いくつになっても女子高生役が似合う橋本環奈ちゃんが主役。
1989年(平成元年)生まれの女子高生が栄養士を目指す話。みつきとほぼ同世代なんだよねえ。
幼少の頃、阪神大震災(1995年)を経験してることがキモになりそう。時代設定は福原遥さんの「舞いあがれ!」(2022)と重なる。
環奈ちゃん、いきなり海に飛び込んで「うちは朝ドラヒロインか」には吹いた。
海に飛び込むといえば「てっぱん」(2010)の瀧本美織さん、「あまちゃん」(2013)の能年玲奈(のん)さんがすぐ思い浮かぶ。
「ごちそうさん」(2013)の杏さんは川に落ちたんだっけ。
浜崎あゆみや安室奈美恵が君臨していた時代背景、ギャルが出てきたり、マツケンサンバ松平健が出てきたり、にぎやかな朝になりそうです。
30日付沖縄タイムス。
「首里で不発弾処理 住宅密集地1400人避難」
「那覇市首里山川町で米国製250キロ爆弾の不発弾処理が行われた。住宅密集地での作業に伴う避難の対象は約470世帯1400人、約80事業所。周辺は交通規制が敷かれ、日曜のかき入れ時に休業したホテルのレストランも」
首里高校のすぐ近くだ。私も不発弾の上を歩いていたのか。友だちとぴょんぴょんはしゃいで歩いていたはず。ゾッとした。
タイムスの記事から。
「ラジオを片手に自宅を出た……さん(87)は8歳で沖縄戦を経験した。『この一帯は激戦地。米軍の爆弾が投下され、20カ所ほど池のようになっていた。まだまだ不発弾は残っているよ』」
「交通規制が始まるまで10分と迫った午前9時40分。ホテル入り口でスマホで動画撮影する大学生の女性5人と出くわした。京都から来たといい『そもそも不発弾処理ってなに?』『なんか沖縄っぽい』と笑った」
これが、この感覚の違いが、ウチナーンチュとナイチャーの、分かり合えない「壁」「断絶」なわけよ。
♪ウチナーとヤマトのあいだには深くて暗い河がある……
タイムス1面に載った太々しく横たわる不発弾の大きな写真(3・5段19行)を見て一首浮かんだ。
「半剥けのペニスの如(ごと)き不発弾 首里に埋もれて79年」
(太くて長い茶色の胴部から、白い先っぽの弾頭が剥けるようにのぞいていたのよ)