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「ないものはない」ってなんだろう

こんにちは!
早いもので、もう夏(8月)が終わろうとしていますね。2回目のコロナ禍の夏、みなさんいかがお過ごしだったでしょうか?
僕はなんだかんだと忙しく、気づけばnoteの記事も書けていなかったので、慌てて8月中にと書いているところです!(最低、月に1本は書かないとと思っていたので。。汗)

本来なら、来月9月11日、海士町で後鳥羽院遷幸800年記念として島一周神輿渡御(隠岐神社から神輿を出し、後鳥羽院が最初に上陸した崎の神社に渡り隠岐神社へと戻る。陸上と水上から御輿を運び、2日間かけて島一周を回る神事)が行われる予定でしたが、コロナの影響を受けて来年に延期となりました。
当事業のクリエイティブにも参加させていただいているので、その制作の話を書こうかと思っていたのですが、またの機会にしようかなと思います!

今年できないのは残念ですが、TOKOYO2020のように来年も後鳥羽院800!当然、企画の変更や修正など大変なことあると思いますが、2年も後鳥羽院のイベントをできるというのは考えようによってはプラスの面もあるかなと思います。来年はイベント盛り沢山なので、お楽しみに!

話は変わりますが、
少し前に「noteを楽しみに読んでます!」と言ってくれた人がいまして、とても嬉しかったです!その時、どんな記事がよかったですか?どんなの読みたいですか?と聞いたところ、「全部いいです!なんでも知りたいです!」というありがたいお言葉を頂戴しました。(そんな中、筆が遅くてすみません。。)
そんな後押しもあり、今回も気ままに、考えていることを綴っていこうと思いますので、よろしくお願いします!


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さて、今回は、海士町の掲げる「ないものはない」について書こうと思っています。
現在進めている仕事の一つに、海士町のスローガン「ないものはない」をもっと活用し、もっと「ないものはない」仲間を増やすための取り組みをしています。

「ないものはない」、ご存知ですか?

「なにもない」と「すべてある」の2つの意味をもつ、
「ないものはない」です。

高知のデザイナー梅原さんが10年ほど前に海士町と作った「ないものはない」というスローガン(思考)。
「ここには何もない、欲しい、足りない、と人は言うけれど、周りをよく見れば、ぜんぶあるじゃないか。それこそがその地域のユニークさでありアイデンティティとなる。それを大事に磨いていけばいい。」
そんなふうに梅原さんは言っているんだろうと、僕は解釈しています。

例えば、梅原さんの作ったサザエカレーというものが海士町のお土産であります。
海士町は豚がいないし、なかなか生肉も入ってこないので、肉の代わりにサザエを入れていた文化があります。でも島の人はこれにコンプレックスを感じていて、お客さんがきた時には肉を入れたカレーを出していました。でも、本土からきた人は肉の入ったカレーなんかより、ここならではのサザエカレーを食べたいわけです。そんなコンプレックスを逆手に取ったこの商品は大ヒット。今でもばっちり売れています。

このような「ないものはない」という視点で、コンプレックスを逆手に取る手法や、素敵な理念を、海士町だけでなく世界の人に届け、これからの社会がもっと魅力的に、ちゃんと持続可能になっていく何かのお手伝いができればなと思っています。(仲間、大募集中です!)
過去には、ないものはない川柳・ないものはないコンテストなどをやってきました。今後もなにか企画を考えていますので、お目にかかった際はぜひご参加ください!
でも、この思考はとっても難しい。海士町も現在進行形で「ないものはない」をどのように推進していこうかと少しずつ実践・模索しているところです。



「ないものはない」を考える上で、ちょっと身近なところで視点を変えれば、地域という単位だけではなく、人も、そうですよね。

背が低いとか、背が高いとか、〇〇がない、△△がある、などなど、人にはたくさんのコンプレックスがあると思います。(僕だってそうだし、みんな少しはあると思います。)でも、これも「ないものはない」とおもったらいいんですよね。
自分ではコンプレックスと思っていてもそれを魅力だと思う人はたくさんいるだろうし、そんな人達と出会い付き合っていけばいいんだと思います。コンプレックスは恥ずかしいし、最初はちょっと勇気がいりますけど、長い目で見たら、その方がきっとお互い幸せですよね。


もちろん、他を知って自分を知るのはいいことだと思います。でも、比較して足りないところに引っ張られてしまっては「足りない地獄」に陥ってしまうと思います。

著名人の成功話は世の中たくさん出ていますが、勝てば官軍。自分のやり方を貫いた人が紆余曲折しながら成功してるんだろうと思います。
逆に失敗者と言われる人にも魅力を感じますし、誰かの人生や世界を大きく変えていることも少なくないと思います。
挑戦すれば失敗もありますが、そこには確実に成長があります。
自分と向き合い、実践するといいんだろうなと思います。
自分の道を生涯全うするのが、それぞれの個性で生まれてきた使命かもしれませんね。

同じように、どの地域も、きっとそういうことなんだと思います。



ちょっと堅苦しく(?)なってしまったので、こんなことも「ないものはない」かもなーと思ったものを挙げてみます。

<ドレッシング>
都会には新鮮で美味しい野菜が「ない」から、手軽においしく野菜を食べれるように作ったのかもしれません。ないものはないですねー。

<サウナ>
北欧の環境だと、カンカン照りのビーチで開放的に汗をかけ「ない」から、小屋の中をカンカンに熱くして、裸で湖に飛び込もうと考えたのかもしれませんね。ないものはないですねー。

<ハワイ>
(きっと)日本近海のようにあまり美味しい魚も「ない」から、珊瑚礁の美しい環境を売りにして、まちづくり(ビジネス)をしようと考えたのかもしれません。ないものはないですねー。


「ないものはない」は決して田舎だけの考え方ではなく、都会でも世界でも考えられてきたことなのかもしれませんよね。これらのような「ないものはない」視点で考えられた「モノ・コト」はユニークでアイデンティのあるもの。ブランドとしても確立していますよね。



僕の考える「ないものはない」もまだはっきりとした答えがあるわけではないのですが、今はこのように考えています。

「ないものはない」と似たような意味で「足るを知る」という言葉もあるけれど、現状に満足してしまっては成長も進化もなくなってしまいます。

「足るを知る」だけでなく、ないから考える、ないから工夫する。そんなことが「ないものはない」の根底にあるような気がします。

ないものはないは、「アイデアの素」
ないものはないは、「クリエイティブ」

コロナで色々なことが大きく変わるこれからの時代。楽しく生きていくヒントとなる考え方だと思います。

これからもみんなが幸せに生きられるように、
それぞれの個性をリスペクトして活かせる、創造的な世界のための、
「ないものはない」かもしれませんね。


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梅原さんに作っていただいた「ないものはない」WEBサイトはこちら。
ないものはないのできるまでや、海士町の産業文化祭で募集した川柳もあって、楽しいサイトになっていますのでぜひ!


もちろん、海士町には個性的な場所がたくさん。離島ならでは、個性がしっかり残ったお店が多いのも特徴です。コンビニは、ありません!


最近海士町にオープンしたホテル「Entô(エントウ)」のコンセプトは「地球に、ぽつん」。ないものはないと通じるところもたくさん。
ぜひ泊まって、「ないものはない」に思いを馳せてみて下さい!


冒頭の、後鳥羽院遷幸800年って?と思った方は、こちらからどうぞ!
800年前、承久の乱に敗れ、京都から海士町に来られた後鳥羽院。「ないものはない」を楽しんでいたのかもしれませんね。



最後に、書きながら思いついたのですが、
みなさんの感じた「ないものはない」があれば、「#naimonowanai」でインスタやツイッターであげてもらえたらおもしろそう!
この話に共感しそうな人がいたらシェアしてもらって、いつのまにかその輪が日本、世界へと広がって、いつのまにか「naimonowanai事典」が世界で作られていったら面白いですよね!
いつか「#naimonowanai」を探す旅とかしてみたい!笑


今回、あんまり直接的なデザインの話ではなかったのですが、デザインやアイデアのクリエイティブ思考として役に立ってもらえるといいなーと思いました。

今回も、ありがとうございました!

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