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テレ東ドラマシナリオ案(サウナde恋愛講座)

●登場人物

・西山 美咲(ニシヤマ ミサキ)
 都内の大学に通う20歳女性。標準語を話すが、時々東北っぽい訛りが出る。

・曹 梓晴(カオ ズーチン)
 都内の大学に留学している21歳の中国人女性。カタコトだが日本語はうまい。時々中国語を発する。

・水沢 晴美(ミズサワ ハルミ)
 50代くらい。両手の薬指に指輪をしている。

・アツヤ
 店番を務める20代くらいの男性。右耳に大きなピアスをつけている。

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01 銭湯(外観)

・明るい時間帯。まだのれんは出ていない。

アツヤ(引き戸を開けて外に出る。ダルそうにのれんをかけて再び店内に戻る)

・画面固定のまま、暗い時間帯まで早回し。人通りは多いが、その間、出入りする客は5人ほど。

・通常速度再生。画面外から、並んで歩いてくる美咲と梓晴。それぞれ大きめのカバンを持っている。

美咲(戸を開けて)

二人(入店)

梓晴(戸を閉める)

02 浴場

・一秒ずつ、3カット
 ①脱衣カゴに投げ込まれる衣類のアップ
 ②桶でかけ湯する女性の肩のアップ
 ③洗い場の仕切り越しに、シャンプーする美咲の頭と洗い終わった髪にシャワーをかける梓晴の頭

・肩まで湯に浸かる美咲と梓晴(&カポーンという音)

美咲「ねえ梓晴、日本の銭湯もいいもんでしょ?」

梓晴「中国ニコノヨウナ文化無イダカラ興味深イヨ!教エテクレテアリガトウ美咲!」

美咲「どういたしまして。でも5時台に来れて良かった〜。6時過ぎると混むんだよ。先生の話が長引いて焦ったよね〜」

梓晴「私キライヨ、アノ先生。要点見エナイダシ話長イダカラ」

美咲「わかる〜!今日だってなんでフィンランドのサウナの話してんだか……」

梓晴「ア!私聞キタカッタ!サウナトハ何ノコト?」

美咲「え?梓晴、サウナ知らないの?」

梓晴「私、中国ニ無イモノヨク知ラナイ」

美咲「無いことはないと思うけど……ここにもあるから入ってみようよ。ほら、あっち」(画面外を指さす)

03 サウナ内

・美咲、梓晴の順で入室。タオルで前を隠しつつ、貸出用マットを持っている。

美咲「このマットを敷いて座るの」

梓晴「好热!何故コノヨウナ部屋アル?」
訳(暑い!)

美咲「良い汗かいて美しくなるためよ。とりあえず初めてだから5分にしとこうね」(時計を指さす)

梓晴「受不了…」
訳(耐えられない…)

・二人、並んで腰かける。

美咲「無理しなくていいから、出るときは遠慮なく言ってね」

梓晴「トコロデ美咲、汗カイテ美シクナルタメハ、先程ノ男性ノタメネ?」

美咲「え⁉何のことだべ⁉」

梓晴「私、見タヨ。チケット渡ス美咲ノ笑イ方、イツモト違ウダッタヨ」

04 回想 正面玄関付近受付

・券売機でチケットを2枚買った美咲

美咲「大人2名お願いします」(満面の笑み)

アツヤ(漫画を読みながら、一瞬顔を上げて棒読み)
「どうぞいってらっしゃいませー」

美咲(デレデレした笑顔で浴場へ向かう)

梓晴(その美咲を見て呆れたような驚いたような顔)

05 サウナ内

美咲「あれは…なんというかね〜…」

晴美(ドアを開ける)

美咲(会話を止めて会釈する)

晴美「ご一緒していいかしら?」

美咲「はい、どうぞ」

(しばし沈黙)

晴美「学生さん?」

美咲「はい、A大学に通ってます。彼女は留学生で…」

梓晴「曹梓晴デス。ヨロシクオ願イシマス」

美咲「私は西山美咲です」

晴美「私は水沢晴美。毎日来るけど初めて会ったわね」

美咲「いつもは週末の8時前ギリギリに来るんです。今日は彼女が一緒なので、空いているほうが良いと思って」

晴美「賢明だわ」(膝の上で両手を組んで顔を載せる)(指輪がキラリと光る)

美咲「わ〜、綺麗…」

晴美「ああ…もう外してもいいんだけどね……」

(しばし沈黙)

梓晴「美シイデスカラ、今後モ大切二スルベキト思イマスヨ」

晴美「ありがとう…『美しい』ね…思い出だけはいつもいつまでも美しいわ…」
(垂れてきた前髪をかきあげた反対の手にも指輪が見える)

美咲「…あの…」

晴美「なあに?」

美咲「いえ、なんでも…」

梓晴「ソノ2個ノ指輪ニ何カ理由ガアリマスカ?」

美咲「ちょっ…梓晴…失礼だべした…!」

晴美「あっはっは…率直でよろしい。いいわ、教えてあげる」

06 回想 晴美の自宅リビング

・4人分の夕食の準備をする晴美

・固定電話の呼出音。受話器を取り、絶句する晴美。

晴美ナレ「私の夫は、十年前、海外出張中に乗った客船の転覆事故で行方不明になったの」

07 回想 スーパーのレジ

・レジ打ち作業をする晴美

晴美ナレ「子供は二人ともまだ小学生だったから、必死になって働いたわ」

08 回想 高校の卒業式

・ハンカチで涙を拭う晴美

晴美ナレ「この春ようやく下の子も高校を出て…子育てに区切りがついたところなの」

09 サウナ内

美咲「それは大変でしたね…」

梓晴「晴美サン立派デス!」

晴美「ありがとう。でね…夫の死亡届はとっくに出してあるけど、頭のどこかで生きてるかもって思っちゃって、この指輪を外せないでいたの」(左手の指輪を見せる)

美咲「一途なんですね…」

梓晴「好故事…」
訳(いい話…)

晴美「でも子供が家を出たら暇になって、仕事にやりがいもなくなって、なんだか急に寂しくなっちゃったのよね…」

10 回想 公園 数人の中年男女が体操している

・体操をする晴美

晴美ナレ「だから、知人の勧めでランニングサークルに入ったわ」

・ストレッチをする晴美

晴美ナレ「自分のペースも大事にできて、仲間と励ましあえて」

・ランニングをする晴美

晴美ナレ「少しずつ充実感が出てきたの」

11 回想 銭湯

・湯船に浸かる晴美

晴美ナレ「今では仕事のあとランニングしてこの銭湯で汗を流すのが日課ってわけ」

12 サウナ内

美咲「もしかして…そのランニングを通じて良い出会いがあったとか…?」(晴美の右手を見つめる)

晴美「そうなの。最初は恋人なんてもういらないって思ってたけど、魅力的な人って、どんな年齢であっても出会えるのね。向こうのアプローチに根負けして、今ではお付き合いしてるわ」

梓晴「私モ魅力的ナ人ニ出会イタイデス。ゼミの男性ミナ『オタク』バカリネ」

美咲「同感〜。ここは晴美さんみたいに、欲張らず付き合いを広げる方がいいのかなあ」

晴美「自分の人生を楽しんでいれば、自ずと縁は引き合うわよ…がんばって!」

梓晴「トコロデ…累了…モウ…受不了…」
訳(疲れた…耐えられない…)

美咲「(時計を見て)あ、もう10分も過ぎてるべした⁉梓晴、水風呂さ入るべ!…晴美さん…お話してくれて、ありがとうございました」

晴美「いいえ、逆に聞いてくれてありがとう。良い出会いがあるといいわね」

・二人、退室

13 待合ホール

・廊下にソファ、テーブル、扇風機などが置いてある

梓晴(ソファでグッタリしている)

美咲「ごめんね…うっかりしてた…」(うちわで梓晴をあおぐ)

アツヤ(無言でテーブルにコーヒー牛乳を置いて受付に戻る)

美咲(振り向く)

アツヤ「给你礼物。请拿出精神来」
訳(あげます。お大事に)

梓晴(顔を赤くする)

美咲「(小声で)ちょっと!何みとれてんのよ!」

梓晴「出色的男性…」
訳(いい男…)

美咲「(いじける感じで)ねえちょっと〜…」

・女湯から晴美が出てくる

晴美「あら、のぼせちゃったのね…お大事になさって」

梓晴「アリガトウゴザイマス」

晴美「ごめんなさい、このあと用事があるから先に帰るわね」

美咲「はい、さようなら…」

14 正面玄関付近受付

・受付前を通る晴美。

アツヤ(漫画を読みながら棒読み)
「またおこしくださいませー」
(顔を上げて、右目を3回ウインク)

晴美(右目を3回ウインクして、戸を開ける)

・戸を閉める晴美の右手のアップ、指輪が光る

・再び漫画を読むアツヤ、右耳のアップ、晴美の指輪と同じデザインのリング型ピアスが光る

15 待合ホール

・美咲と梓晴、ソファに並んで座る

梓晴(コーヒー牛乳を飲んでいる)

美咲(梓晴の袖をゆすりながら)
「ここさは、わたすが先に通ってたんだがらなー」

(おわり)

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謝辞というか尊敬(選択テーマ)

元ネタはこちらです。ご本人もシナリオを書いていらっしゃいます。面白かったです。無限に広がりますね、サウナネタ。アイディア発案ありがとうございます。

あとがき

クリエイターへの憧れなんでしょうか。
#テレ東ドラマシナリオ  に参加したくなりました。
書きあげてみて思ったけど、設定が活かしきれてない感。
いかんせん日曜の午前中、夫が仕事で半日いないぜっていうときにダーっと書いたもんで。
これで終わりの短編でもいいし、誰かに引き継ぐ #知らない人んち   形式でもいいし、使い勝手よくと思ったらこんな感じになりました。

あ、あと他の投稿者さんより長かった。
気合入れすぎて空回ったウヘヘ!

ちなみに中国語はweblioの例文集から引用。
google翻訳は全然使えませんでした(笑)
https://cjjc.weblio.jp/sentence/

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え、書きかけの長編小説?

…いま55,000字くらいです。

大丈夫、今年のうちには書き上げますから…
って7月から言ってるw

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トップ画像はいつものフリー素材:
https://www.pakutaso.com/20180436102post-15926.html

応援してくださるそのお気持ちだけで、十分ありがたいのです^_^