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私たちの正しい眠り方とはどういうものか?(読書メモ)

睡眠は心身の健康を保つ最強の薬

夢には、つらい記憶をやわらげたり、過去と現在の知識を融合させて創造性を刺激したりする働きがある。
免疫機能や、病気や病原菌への抵抗力を強化し、あらゆる病気からあなたを守ってくれる。
また、睡眠によってインスリンとグルコースのバランスが調整され、代謝が正常になる。さらに適切に眠ることによって食欲も正常化され、健康的な体重を維持できるようになる。それに加えて、腸内細菌が元気になって健康が保たれるという効果もある。高血圧を予防して、心臓の機能を正常に保つ働きもある。

人間の正しい眠り方とはどういうものか?

ケニア北部に暮らすガブラ族や、カラハリ砂漠のサン人といった狩猟採集民は、単相睡眠ではなく二相睡眠をとっている。これは1日に2回眠るという意味であり、夜に7時間ほど寝て、さらに午後に30分から60分の昼寝をとっている。

人間は本来、二相睡眠をする生き物だ。しかし工業化によって変化が起こり、単相睡眠になってしまった。

人間にとって自然な二相睡眠とは、人類学に見ても、生物学的に見ても、遺伝学的に見ても、夜に長時間寝て、午後に短い昼寝をするというパターンだ。

睡眠不足とガン

睡眠不足がほんの数日続いただけで、免疫機能は弱くなる。
ナチュラルキラー細胞とは、免疫システムの中でもとりわけ戦闘力の高い部隊だ。身体に害を与える危険因子を見つけ出して排除するのが役目だ。
ナチュラルキラー細胞の標的になる危険因子の1つに、悪性腫瘍細胞(ガン細胞)がある。ナチュラルキラー細胞はガン細胞の表面に穴を空け、その穴から毒性を消すプロテインを注入する。つまり、このジェームズ・ボンド細胞には、つねに体内にいてもらわなければ困るということだ。そして睡眠が少なくなると、ジェームズ・ボンドはあっという間にいなくなる。
健康な若い男性を対象に、一晩だけ睡眠時間を4時間に減らす。すると、たった一晩だけで、免疫系の中に存在するナチュラルキラー細胞が、8時間たっぷり眠ったときと比べ、じつに70%も少なくなったのだ。

睡眠が6時間以下の人は、7時間以上の人に比べ、ガンにかかる確率が40%上昇する。
睡眠不足がガンにつながる具体的なしくみもわかってきている。原因の一部は、睡眠不足によって交感神経系が過度に興奮することだ。この状態が長く続くと、体内の免疫システムが炎症という反応を示す。
自然な沈静化が起こらず、いつまでもスイッチが入ったままでいると、慢性的な炎症の状態になり、さまざまな健康問題につながる。その中にはガンも含まれる。

薬に頼らない不眠治療

カフェインとアルコールの摂取を控えること、寝室にテレビやスマホ、タブレットをもち込まないこと、そして寝室を涼しく保つこと。
(1)起床と就寝の時間を決め、毎日それを守ること。週末も同じだ。
(2)眠くなったら布団に入る。夜にカウチなどでうたた寝しない。
(3)眠れなかったらいつまでも布団の中にいない。起きて何か静かでリラックスできる活動をしながら、眠気がやってくるのを待つ。
(4)夜眠れないのなら、昼寝を控える。
(5)就寝前に心を落ち着ける習慣をつくり、心配事や不安を布団の中にまでもち込まないようにする。
(6)時計を見えない位置に置く。時計の針を眺めて不安を募らせるのを防ぐためだ。

眠るべきか、眠らざるべきか

睡眠不足がもたらす早すぎる死や健康被害を避けたいのなら、抜本的な意識改革が必要だ。個人も、文化も、職場も、社会も、睡眠に対する態度を大きく変えなければならない。

健やかな眠りのための12のアドバイス

① いつも同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
② 夜寝る前に運動してはいけない
③ カフェインとニコチンを摂取しない
④ 寝る前にアルコールを摂取しない
⑤ 夜の遅い時間に大量の飲食をしない
⑥ 可能なら、睡眠を妨げるような薬を飲まない
⑦ 午後3時をすぎたら昼寝をしない
⑧ 寝る前にリラックスする
⑨ 寝る前にお風呂につかる
⑩ 寝室を暗くする、寝室を涼しくする、
  寝室にデジタル機器を持ち込まない
11 日中に太陽の光を浴びる
12 眠れないままずっと布団の中にいない

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