不動産屋さんの自宅③
土地も決まったので、その土地にあったプランを馴染みの設計士に描いてもらう。施工は当然自社の工務店だ。
工務店の選び方もいろいろあるが、長くなるのでまた別の機会に書きたいと思う。
今までみてきたさまざまな建物の良いところをちりばめようと意気込んだものの、やはり予算の壁が立ちはだかる。
しかも当時は26歳。預金も当然そんなにあるわけではない。
無駄を省く作業に時間がかかる。
幸い一人暮らしの時に私は自分の城をもち好きなようにリノベーションし、広いリビングに1人でいることが多く、「こんなに広くなくても良かったな」と思えるようにもなっていた。独身時代に不動産を所有してみるのは結果、良いことしかなかった。おかげさまで身の丈にあった建物を建てられたと思っている。
私は家族四人と妻の母と一緒に住んでいる。我が家は二世帯住宅だ。
一階にはまず玄関に土間収納。壁に自転車をかけられようにした。(しかし、かけたことはない)
その他にはキャンプ用品なんかも置けるよう大きくとった。(しかし、キャンプにいったことはない)
そして、建物に入るとまず私が唯一勝ち取った書斎(3畳)がある。もうそれだけで満足だ。床から天井までの本棚、掘りごたつ式のワークスペース、そして秘密のスペース。趣向を凝らした。
書斎の隣には将来間仕切りができ、二つに分けられる洋室が一つ。そして義母のキッチンと居間があります。廊下には収納も設えた。
2階にはリビングと寝室と浴室。トイレは1、2階に設置。
階段の下を無駄なく活用したり、小屋裏収納を設けたりと収納も増やしたが、あればあるだけ使ってしまうもので、すぐに足りないと感じてしまう。
ただ、増やしていれば増やしただけ物も増えていたと思うとほどほどの今のままの方が良かったかもしれない。
2階のリビングは吹き抜けにし、解放感と光をとりいれ、キッチンはカウンターキッチンにした。
家族4人ではちょうど良い大きさだと思う。唯一、やっぱりこうしておけば良かったと思うところは洗面台をもう少し広くボウルは二個にしときたかったというくらいだ。
女性が多いと朝の洗面所はまぁ大変だ。
もうひとつこだわったところは、目に見えないところ。
構造の部分や断熱、外壁材や屋根材といった基本的にメンテナンス費用が極力かからないものを予算内で選んだ。ランニングコストをよく考え、多少イニシャルコストがかかったとしても10年後には元がとれるというようなものであれば採用した。
目に見えるところはあとから直すことは容易だが、目に見えないところは大掛かりな工事になってしまうことを見越しての判断だ。
大切なものは目には見えない。これは建物にも人間関係にもあてはまるかもしれない。
これから住まいを探す人、家を建てる人に少しでも参考になれば幸いだ。
生きているうちにもう一回くらいは建てたいと思う。
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