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曇天の冬の森には

冷たい空気の中いつもの森へ向かう   曇天の寒い休日 
いつもは多くの人々で賑わう場所も 今日ばかりはひっそりとしている

暗くて寒くて淋しい感じだったらと 
出かける前にそんな思いが一瞬よぎったけど杞憂だった

曇天の冬の森は最高であった

いつもより人々は少なく
しかし確実にその場所が好きな人たちが佇んで座り込んで歩みを止めて 
その瞬間を心から堪能していることが様子からうかがえる

灰色の空は暗い気持ちにさせられるどころか
むしろ何かから守ってくれているかのようだ

大きなカラスも小さなカラスも 
熱心に枯れ葉の中にくちばしを突っ込んでいる
カラスたちは安心しきって枯れ葉の中からおやつを探している
そんなに熱心に何を食べているのだろう
わたしにも教えてほしい

葉っぱをすっかり落とした大きな木々は 
どっしりと冬を受け止めている
突然現れた人間の手さえも
どっしりと受け止めてくれる

落ちたばかりの新鮮な枯れ葉 踏み固められた枯れ葉が
あちこちに積もり重なっている
土と葉が生み出す香りはわたしの心を落ち着かせてくれる

冬の曇天でなければ森からの温もりを感じ取れなかっただろう
静かに独り占めして 
枯れ葉のさくさくとした音をさせながら
森を去る


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