良いゴミ箱がある街はきっと良い街
東京オリンピック2020を散々ディスりまくってる私だが、まだディスりたりない。
駅前には空高層ビルが次々とそびえ立ち、空どころか空間も圧倒し、ただでさえ「キモ」くなってきていた渋谷だが、MIYASHITA PARKが完成してからというもの「キモい」という言葉の具現化された街となってしまった。ここまで来るともう渋谷も終わりである。
東京でオリンピックは開催されないのかもしれない。
海外からの旅行者もいないのに、新築のホテルやらショッピングビルやら続々と誕生し続け、どこも中身は客足が著しく乏しく空っぽ状態である。
エンプティートーキョー。
そんな状態を見ていると、私の心にポツンと「we are creating EMPTY」という言葉が浮かび上がった。
僕らは虚無を、作っています。
そんな虚無でいっぱいいっぱいになった東京であるが、一連の東京オリンピック事変で誕生した中で唯一感動したものがある。
これだ。
かつこいい!!!!!!
ご覧の通り、原宿表参道の道に数十台ほど設置されているゴミ箱である。
なんとかっこいいゴミ箱なんだろう。
まず最初にリサイクルできるゴミと、その他のゴミとの分別が可視化されていて、どんな言語を使う人だろうと間違いなく、どこゴミをどちらに捨てれば良いのかが理解できるし、それでいてデザイン性もかなり高く、美しい。
その他のゴミのほうは、足でぱかっと開けることができて衛生的である。(↑足でゴミ箱の蓋を開けてる様子の動画です。笑)
そして、そっと近づいてみると、何やら頭部にはソーラーパネルのようなものが貼り付けてあり、一体何のための電力を集めているのだろう?と疑問だったのだが、良く見るとおそらくこのゴミ箱の提供主であろうBigbellyという文字があった。
さっそくBigbellyを調べてみると、すぐにこのソーラーパネルの意味がわかった。
このゴミ箱、なんと中のゴミの蓄積量を管理者が把握できる仕組みになっていたのだ。電話回線を使って、発信しているようで、そのための電力をソーラーパネルで集めていたのだった。
(以下、Bigbelly公式サイト https://www.nsw-cloud.jp/cloud/service/m2m/bigbellysolar/ より)
さらに、驚くことに投入されたゴミを圧縮するらしく、(おそらくこれにも電力が使われている)回収頻度の軽減と、人口密集地での対応も叶う。
なんと素晴らしく画期的なゴミ箱であろうことか!
ニューヨークなど諸外国でも多く使われているようで、東京も早くこの天才的ゴミ箱の設置を強化してほしいものである。
それにしても、東京はゴミ箱が他の先進国に比べて極端に少ない。
例えば、渋谷なんて街の公共のゴミ箱と言えるようなものはスクランブル交差点手前の2つくらいしか見当たらない。
あの人口密集地だ。こうなるに決まっている。
ゴミ箱が明らかに足りていないのに、「ポイ捨てするな」なんていわれても困ってしまう。
人口の割合と、公共のゴミ箱の少なさがもたらした結果だ。
例えば、私が行ったオーストラリアのゴールドコーストらへん(記憶曖昧)の海辺の街では、ごく普通の遊歩道に約3m間隔でゴミ箱が設置してあった。(ちなみに写真はない。)まっすぐに続く道にそれだけゴミを設置して、この3m間でいちいちゴミを出す人がいるものなのか?と気になってしまうが、「街を綺麗に」という意識の高さは感じる。実際、オーストラリアの街は住人たちが裸足で遊歩道を歩いているくらいに綺麗に保たれていて、快適であった。
また、パリのゴミ箱も印象的であった。まず、日本の公共ゴミ箱の少なさの理由の一つとして「テロ防止」があるだろう。その安全さと街をクリーンに保つための公共ゴミ箱として利害関係が一致しあった結果・・・
(↓下記ブログから勝手に写真拝借しましたごめんなさい)
このようになる。
これならば、中身がある程度目視できるし、回収も楽である。シンプルなアイディアでありながら、最良の仕上がりだ。このゴミ箱は街のいたるところに設置してある。また、色違いで、ゴミ袋を取り付けている入り口部分の鉄が少しだけ広く設けられており、そこでタバコの火をもみ消すことができる。喫煙者の多い(当時)パリらしい公共ゴミ箱の発想である。
また、パリのゴミ箱といえば、これまた街中の要所要所に設置されたガラス瓶専用の巨大な回収ボックスの存在も語らねばならない。
これだ。
ワインだけでなく、あらゆる調味料の入った空き瓶を捨てることができるのだ。街のゴミ箱は、その街の人々のライフスタイルの表れである。
また、韓国ソウルで発見したゴミ箱も街のライフスタイルに寄り添っており、これもまた感激ものであった。
ソウルの人々は必ずと行っていいほど、どこかのコーヒーショップのドリンクカップを持って歩いている。そんな街で必要なゴミ箱は以下である。
左がビニール・プラスチック、ペットボトルのゴミ箱で、右が缶・瓶、紙類のゴミ箱。しかも、このゴミ箱の提供主は「Cold Brew」というコーヒーショップのものである。広告にもなり得る、公共ゴミ箱である。素晴らしい。
ただし、韓国語が読めない限りどちらにどのゴミを捨てるべきかが分かりにくい。
こちらのゴミ箱は英語表記もあり、分かりやすい。リサイクルに特化したゴミ箱であることがわかる。
ドリンク持ち歩き大国の韓国・ソウル。人々は、その日その時に合わせて小さいサイズやら、大きいサイズやら、暖かいもの、冷たいもの、をそれぞれ選ぶだろう。
そんな多種多様なドリンク系のゴミに特化したゴミ箱を発見したのだ。
ぐおおおおおお!!!!天才っっっ!!!!
Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ別々に分別して捨てることができ、かつ飲み残しを捨てることも可能なのである。サイズ別の分別をしたところでどうするのかは定かではないが、街中にポイ捨てしないようにする努力が伝わる。
一時期都内でタピオカブームが起きた時、街中ではタピオカの飲み終わったカップがそこらじゅうに捨てられていた。街でブームを起こすなら、その回収先もきちんと用意してくれないと、街はあっという間に汚れて行ってしまう。観光地も同様だ。
良い街には、良いゴミ箱がある。
そう言って過言はないだろう。
東京の圧倒的なるゴミ箱の少なさで、オリンピックを開催しようとしているなんで恐ろしすぎることなのだ。とにかく、公共ゴミ箱を増やしてから、全ての話を初めてほしいものである。
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