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渋谷円山町 ホテル幸和

渋谷円山町の中でも、お気に入りナンバーワンだったラブホテル、「ホテル 幸和」が閉店するらしい。今朝、ホテルを出るときに張り紙がしてあった。非常に悲しい。

このホテル幸和へ何人の男性と行ったことがあるのかは、はっきりと覚えていないが、私が世界で一番大好きな男性とも何度か行ったことがあるし、そんな思い出もひっくるめて、やっぱりどう考えても一番好きなラブホテルに君臨する。(2位は、アラン・ド)

なんでこんなにホテル幸和が好きなんだろう。惹かれてしまうんだろう。円山町のラブホテルは、他にもたくさん行った。円山町中のラブホテル全制覇も夢ではないかもしれないレベルには、詳しい。その中でもホテル幸和。

まず、外装が違う。普通のラブホテルだったら、光る看板に「休憩〜円 宿泊〜円」とかいてあるところ、ホテル幸和に関してはそれがない。ベージュのシンプルな外壁に、竹とかが生えてたり、岩とかが飾られておりまさに日本庭園を演出しあたかも高級日本料理店のようなエントランス。(多分、竹。いつも酔ってるか、大好きな人しか見てないので定かではない)それのおかげで、まさかこれからセックスしに行こうとしているなんて感じもしない。円山町という、キラメクネオンシティーのいかがわしさの中に鎮座しているその上品な佇まいは、私たちの今夜の罪を少しだけ赦してくれるような気がする。ラブホテルにありがちなエントランスで響く自動音声の「いらっしゃいませ」もない。(多分)もちろん部屋を選ぶパネルみたいのはラブホテルの作りだが。

ホテル幸和を利用するにあたって、オススメの夜はワンナイトとかセフレ・浮気・不倫相手との夜だ。どんな行きずり、あるいは非公式の相手でも、あたかも恋人同士で温泉地に小旅行に来ているかのような気分にしてくれる。ホテル幸和は、2人のはしたない事実に少しの正当性を与えてくれる。はしたない者達の味方だ。あるいは、罪を赦されたい2人の味方でもある。

逆に、嫌いな人とセックスする夜は避けたほうがいい。(嫌いな人とセックスするなというツッコミはもうされています)相手が勝手に好意を寄せて来てしまう可能性が非常に高い。

ホテル幸和は、冷静沈着に円山町にその寛容な身を広げて、今日も私たちを見つめている。みなさんも、ワンナイト・浮気・不倫・セフレ等罪を赦されたい夜に利用したことがあるのではないだろうか。そんな夜に、自然とホテル幸和へ足を運んでしまったことはないだろうか。利用したことがないのだったら行くべきだろう。そういった相手がいないなら、渋谷で適当に捕まえてみるのも良いかもしれない。ホテル幸和を味わう為ならば、そうするべきだ。5月15だか16だかに閉店してしまうそうなので、私もその前にもう一晩くらいホテル幸和のお世話になりたいと思っている。

ホテル幸和が閉店してしまったら、私はどうすれば良いのだろう。あんなに聖母のような心で私たちに正当性を感じさせてくれるラブホテルに又めぐり会えるのだろうか。そのへんのラブホテルで済ませつづけていたらそのまま2人の関係性の罪が溜まりに溜まって、爆発してしまわないだろうか。

あるいはもうこれ以上、罪を犯すべきでないのだろうか。

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