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PMS症状とプレ更年期障害の違い|更年期かもしれないし違うかもしれない⁉︎

ユーザー様より、こんなコメントをいただきました!

" 更年期障害なのか生理前や、生理期間中になるとベッドから起き上がれないくらい体調がわるくなります。倦怠感、貧血などさまざまな不調がおきます。仕事も1週間お休みせざるをえないくらいになってしまいます。"

”生理終了? 更年期障害?それともPMS?”

こんな皆さんのモヤモヤを少しでも解消したく、PMSとプレ更年期の違いについて解説していきます。
最後まで読むことで、自分の症状はPMSなのかプレ更年期なのかの目星が付き、症状に対する対策を取りやすくなります!


PMS(月経前症候群)とは?

PMS(月経前症候群)は、生理開始日の約3日から10日前に始まる、身体や心に起こる様々な不調を指す言葉です。これらの不調は、生理が始まると同時に軽快し、または消失するのが特徴的です。

PMSの原因

PMSの主な原因は、特に月経前の黄体期におけるエストロゲンとプロゲステロンの急激な変動です。このホルモンの変動により、様々な精神的および身体的症状が現れます。

PMSの症状

PMSの症状は、「心の不調」と「身体の不調」の2つのカテゴリに分類できます。具体的な症状については以下のようになります。

プレ更年期とは?

"プレ更年期"という言葉を聞いたことがありますか?これは、30代後半から40代の女性が経験する、生理不順やのぼせ、ほてり、イライラなどの症状を指します。これらの症状は一般的に更年期と関連付けられていますが、日本人女性の平均閉経年齢が約50歳であり、更年期はその前後の45歳から55歳を指すため、45歳未満の女性がこれらの症状を経験する場合、それを"プレ更年期"と呼ぶことが一般的です。

プレ更年期の原因

更年期になると、女性ホルモンの分泌量が大幅に減少します。これにより、女性ホルモンの分泌を管理している脳の部分である視床下部が混乱を起こし、血圧、血流、心拍、発汗、体温などを調節する自律神経が乱れやすくなります。

プレ更年期の症状

この視床下部の混乱により、自律神経が乱れ、だるさ、肩こり、睡眠障害、動悸、めまい、ほてり、異常発汗などの身体的不調、さらには心の不調が起こると考えられています。
女性ホルモン値が実際には低下していなくても、この時期に月経量や周期に変化を感じ始める女性は多く、微妙な揺らぎの影響を受けることが考えられます。このような揺らぎの症状は、自律神経の失調症状として現れることが多く(のぼせやほてりもそうです)、漢方薬や生薬製剤が効果的であることが多いです。一方で詳しく話を聞くと、月経前症候群が疑われることもあり、その場合は低用量ピルなどの治療が有効であることがあります。


プレ更年期とPMSの違い

更年期における身体や心の不調は、一般的には生理前の症状として認識されるPMS(月経前症候群)とは異なり、その特徴は症状が毎日持続するという点にあります。これは生理周期とは無関係に発生する現象です。
生理前や生理期間に限らず、イライラや倦怠感が続くような場合、それは更年期である可能性が考えられます。これは、体の変化を示す明確な兆候となります。

一方、不正出血や下腹部の激しい痛みがあるときは、子宮の病気(子宮筋腫、子宮頚管ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんなど)が疑われます。さらに、生理周期が乱れたり、生理が来なかったりする場合は、甲状腺の病気(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症)の可能性もあります。

生理の症状や痛みには個人差があります。
したがって、「いつもの生理とは少し違う」「最近症状が悪化している」と感じたら、早めに婦人科に受診することをお勧めします。自分自身の体の変化を見逃さず、必要に応じて専門的な医療機関に相談し、適切な対応を取ることが重要です。

治療法は人それぞれ異なりますが、一般的に病院にてPMSの症状を軽減するには低用量ピルでホルモンバランスを調整します。更年期の症状を軽減するには、減少しているエストロゲンの分泌を補うためのホルモン補充療法などがあります。


PMSの可能性が高い場合の対処法

PMSと上手に向き合うための食事

1、食欲が止まらない!イライラする!時
血糖値が下がると、食欲が極度に増したり、イライラする症状が悪化することがあります。血糖値を急激に
上下させることなく、緩やかに安定させることが大事です。
対策① 空腹時に血糖値が上がりやすい食品を食べない(砂糖、果物、ケーキなど)
対策② 食事の順番を意識する。ゆっくり消化されるものから食べる(穀物類、豆類、芋類、食物繊維を含むもの)

2、気が立って情緒不安定になる時
情緒不安定になっているのは、神経が緊張・興奮している可能性があります。なるべく刺激物を避けることが大事です。
対策① カフェインの入っているもの、辛いものを避ける
対策② イライラや情緒不安定を和らげるビタミンB6、カルシウム、マグネシウムを摂取する。(かつお、レバー、ナッツ類、海藻類など)

3、頭痛、腰痛、むくみがひどい時
体に水分を溜め込むことで頭痛や腰痛につながっている場合もあります。体内の水分の循環を良くすることが大事です。
対策① 塩分やアルコールの摂取を控える
対策② 利尿作用のあるビタミンEをふくむ食べ物を摂取する。(乾燥豆、木の実、全粒の食品など)

PMSには軽い運動が効果的!

ストレッチやヨガ、お散歩がおすすめです。
ただそんなに余力がない時は、深く深呼吸を意識するだけでも自律神経が整います。

PMSに頼れる市販薬

PMSの症状に効く市販薬には、漢方薬や生薬製剤、西洋ハーブを配合したさまざまな症状に効く薬と、ニキビ・頭痛・腰痛などの一つ一つの症状ごとに使える薬があります。
なかでも漢方薬や生薬製剤は、ホルモンバランスも含めた心身のバランスを整えることで体全体の改善を目指すお薬です。複数の症状を併発している場合にも効果があり、当てはまる症状や現状の体力の程度を目安に選ぶことができます。

PMSに頼れる市販薬については、下記の記事で詳しくご紹介しています。

プレ更年期の可能性が高い場合の対処法

相性の良い婦人科を見つけよう!

プレ更年期を過ぎると、次に訪れるのが本格的な更年期です。そのため、プレ更年期の不調をそのまま更年期に引き継いでしまうことは避けたいところです。「おそらく更年期だろう」と自己診断し、我慢し続けるのはお勧めできません。つらい症状を感じている方は、できるだけ早く医療機関に受診し、不調の原因を明確にし、適切な治療を受けていただくことをお勧めします。

個々の体質には差がありますが、本格的な更年期に突入すると様々な症状が現れる可能性があります。そんな時、自分の気持ちを打ち明けて相談できる婦人科の医師が身近にいることは何よりも心強いです。開かれた気持ちで相談するためには、医師との相性も大切です。まだかかりつけの婦人科医がいない方は、プレ更年期の不調をきっかけに婦人科を受診し、医師の説明の仕方や話し方など、自分に合った医師を見つけておくと良いでしょう。

また、特に不調を感じていない方でも、40代に突入したら、がん検診や婦人科検診を定期的に受けることをお勧めします。子宮頸がんや乳がんなどは初期の段階では自覚症状がほとんど現れません。年に1回の検診は早期発見に非常に重要です。また、がんだけでなく、経腟超音波検査などで子宮と卵巣の状態もしっかりとチェックし、子宮内膜症や子宮筋腫などの異常がないか確認しておくことも大切です。

自律神経を整える生活を心がけよう!

更年期を迎える前の"プレ更年期"という時期、女性の体と心にとっては大変重要なステージです。この時期に自分の体調を整え、健康的な生活習慣を確立することで、よりスムーズに更年期を迎えることができます。
この時期に特に重要なのが、十分な「睡眠」と「運動」です。

私たちの体と心は、十分な休息と適度な活動が必要です。特に、この年代の女性の中には、睡眠不足を感じている方が多いという現実があります。睡眠不足は、ただ体調を崩すだけでなく、心の健康にも影響を与えます。例えば、うつ症状や気分の落ち込みなど、メンタル面での問題が起こりやすくなります。

しかし、しっかりと睡眠時間を確保することで、これらの問題を予防、または軽減することが可能です。十分な睡眠は、体と心の健康を保つための基礎となります。だからこそ、プレ更年期の女性は、質の良い睡眠を確保することを心がけましょう。

さらに、適度な運動も同様に重要です。運動は、自律神経のバランスを整える効果があります。これにより、イライラや倦怠感、肩こりなどの症状が改善し、睡眠の質も向上します。プレ更年期のうちに運動習慣を身につけておくことで、本格的な更年期への準備が整います。
更年期は、女性ホルモンの大波に心と体が大きく揺さぶられる時期ですが、

プレ更年期は、その前段階のいわば準備期間。この間に体調を整え、病気があればきちんと治療し、生活習慣を改めておけば、いずれやって来る更年期への不安も軽くなるはずです。
婦人科医などの専門家も味方につけて、この準備期間を有効に活用しましょう。