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詩「しろいなみだの時は流れて」

美しく発狂したきみにおいて いかれた身としては 今朝の朝日はまぶしすぎた ふりかけの出し方を間違えられた 白米は一日ダイニングテーブルで過ごす 湯気が場を冷ましていく 一方ぼくは なんの味気もないでんぷん質タンパク源として たとえば車窓を曇らす 虚空のふりかけのような面々に あっという間に揉まれて白さを失っていく 春でもない夏でもないそしてぼくはきみではないなににもなってない悲しみは 溝川を流れ止まり 流れ 止まり そのままぼくの諸腸をゆく先刻ひとかけらの白米のごとき 引っかかりきらずまた大海への道を歩んでいくのだろう きっとぼくはそうだ 後片付けをして家を出るべきだったのだ


爽やかな朝。


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