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詩「まんなかで会いましょう」

青空ひとつ
片手に収めて
君を抱いたあと
僕は深呼吸する
部屋も呼吸する
窓が右に動く
弁当箱には
まだ温かい
れんこんがある
テレビをつける
グラスの氷が音を立てる
青空が精神に迫ってくる
後ろ暗いことはないかと
迫られることは必然に思える
僕の影の中で
君がステップする
記憶の流砂を
撫でて払うように
「まんなかで会いましょう」
耳元で
全身を撫でられながら言われて
ステップする
れんこんは
真昼を思わせる
無防備すぎるから
脳天気な天気に
脳が休まされる
身体の横には、身体
ようようたなびく君の

青空はひとつ
僕にひとつ
君にひとつ
僕と君に 穴穴
まんなかに
ずっと



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