言葉を紡ぐことが、自信へとつながった
自分を信じる、と書いて「自信」。
ずっと、わたしには自信がなかった。自分のことを信じることがどうしてもできなかった。信じてあげられなかった。
絵が人一倍下手で、人見知りが激しく、勉強も苦手、朝が弱くて、方向音痴で、そのくせすっごく頑固。短所ばかりが浮かび上がる自分のことを信じるなんて、すきになるなんて、できやしなかった。
それを引き起こしていた元凶が、内気が過ぎる性格や冴えない外見からだということもはっきりと自覚していて、どうにか変えられないものかと足掻いたことだってある。でも、結局いつも何も変わらないままだった。
口ばっかりで、身ぐるみを剥がされてしまえばからっぽ。何一つ誇れるものがなかったわたしを、変えてくれたのは「言葉」だった。
きっかけは高校3年生だった去年の冬に、担任の先生がわたしの書いた文章を褒めてくれたこと。成績が今ひとつだったわたしは、先生から呆れられる存在だった。そのわたしが褒められるなんて、まさか、そんなこと。
あの時、3年間過ごしてきた高校という場所ではじめて自分のことを認めてもらえたように感じた。先生からもらった言葉を、わたしはギュッと大切に抱きしめていた。
思えば、小学生の頃から文章を書くのはすきだった。作文が得意だったし、何かしらの代表に選ばれたこともあった。子供ながらに「こう書けば読んでくれる人に伝わるかなあ」、と模索しながら文章を書いていた記憶がある。
中高に上がってからも、本を読むのは嫌いじゃなかったし、歌詞を見ながら音楽を聴くのも、深夜ラジオを聴くのもすきだった。
「あ、わたしって言葉がすきなんだ」と気がついた。
ずっとわたしは言葉と隣り合って生きていたんだと。
ちょうど、大学進学を目前に自分の武器を探している真っ最中だった。noteというサイトがあることを知り、「文章を書いてみよう」と思った。その頃、偶然にも自分の中で形に残しておきたい大切な出来事があって、長い時間をかけてそれを文字に起こし、初投稿。
文章を書くのがたのしくなって、気まぐれにnoteで文章を書いては投稿するようになった。初めの頃はどこまで素性を明かせばいいのかとか、どうすれば人に読んでもらえるのかとか、そんなことを考えながらがむしゃらに書いていた。時々届く”スキ”に、心が躍っていた。
大学に入学したものの自粛を余儀なくされた春には、毎日文章を書き、欠かさず投稿した。思うように文章がまとまらなくて、日付が変わるギリギリまでパソコンを睨み続けていた日もあった。
それが実を結んだのか、だんだんと少しずつだけど、スキを毎日くれる人やコメントを残してくれる人、フォローをしてくれる人たちが現れるようになって、ただただ純粋に嬉しくて。それがわたしの原動力となった。
わたしの書いた文章が、紡いだ言葉が、誰かの心に届くようになったのだと感じた。自分の想いを受け止めてくれたり、それに共感してくれる人がいる。ここでなら、道を拓けるんじゃないかって思った。
その気になれば、存在しない虚構を書くことだってできた。でも、わたしは”わたしのリアル”を書き続けることを選んだ。だって、それはわたしにしか書けないものだから。
自分という存在が確かに居るということを示したかった。そして、わたしと同じように悩み、苦しみ、でも楽しみながら、そんな日々を生きている人たちに届くものを書きたかった。こんなわたしの言葉でも、誰かにとっての何かになれるかもしれないって思った。
自信も、長所も、何にもなかった自分が、やっと見つけた一筋の光。それに向き合い続けることに、必ず意味があるはず。
書くのをやめないでいよう、書き続けようと決めた。
*
わたしはあの頃と変わらずいまも本を読み、音楽を毎日聴いては深夜ラジオに夜な夜なかじりついている。そして、こうして言葉を紡いでいる。
文章を書いていて、生まれてはじめて、少しだけ”自分を信じられる”ようになった気がした。これなら胸を張っていいのかもしれない、って。
ひょんなことからはじまった「言葉を紡ぐこと」は、やがてわたしの”自信”へとつながった。
自分を信じることはそんなに簡単じゃないけど、でも、すっごく大切なことだと思う。だって、文章を書くようになってから、下ばかり向いていたわたしが以前よりもずっと前を向くようになったから。この選択が間違っていなかったということだけは、たしかに分かるんだ。
それに、自分のことくらい、自分が一番に信じていてあげたい。そうすればきっと、昔よりもずっとずっと素敵な自分になれるような気がするから。
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p.s.
改めて、わたしのnoteをいつも読んでくださる皆さま、通りすがってくださった皆さま、今年出会ってくださった皆さま、すべての方々へ。本当にありがとうございました。来年もわたしらしくがんばっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。素敵なお年をお迎えください︎︎︎︎︎☺︎
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