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Minimal のチョコレート分析

日本のBean to bar の中でも、ひときわ目を惹くブランドMinimal。 
なんとこちらのチョコは、カカオの焙煎具合や粒の大きさが記載された商品解説カードが付いています。今回はそれらを元に2つの商品を食べ比べた感想と考察を綴っていきます。

・フィリピン
バナナと深煎りコーヒーのイメージ。そこはかとない南国フルーツの香りと、ピーナッツのようなクセのない旨味。90%で苦味はしっかり感じますが、食感も後味もライトなのでかなり食べやすいです。

・クラシック
バニラとキャラメルがふわっと押し寄せてきます。カカオ豆もほのかな酸味も。ミルク系はココアっぽい、と感じるものが多いのですが、こちらはホットミルク風味。砂糖のしゃりしゃりが残っていますがカカオの粒々じゃり感はありません。もしゃもしゃとした、なんとも面白い食感です。
クラシックの「なめらか」という商品説明に反応して「絹のような口溶け」を想像していたのですが、どちらかというと、食感ではなく風味に当てられた表現だったのかもしれません。あるいは当社比だったのかも。カカオ部分はすぐ溶けるけど、砂糖部分は残る。デュカスのノンコンシェや古代製法のチョコを思い出しました。

ちなみに、二つを並べるとこんな感じ。どちらも明度は同じくらいですが、上のフィリピンの方が赤みがかっているので、色が明るく感じます。
スペックは下記の通り。
フィリピン カカオ分90%、深煎り(47分)、粒子166μm
クラシック カカオ分65%、浅煎り(47分)、粒子39μm

色に大きな影響を受けるのは豆の品種なのか。あるいは焙煎温度なのか、はたまた粒度を下げるためのコンチング時間なのか。想像を膨らませると楽しいですね。

また粒度によって、食感に大きな差が出ています。
166μmのフィリピンは、小さめのニブが入ってるイメージ、歯に時々ジャリ感があります。39μmのクラシックは、溶け広がるのが早く、サラサラな砂のような粒感があります。
数が大きい方が、粒が粗いです。荒い方が香りに爆発力があり、細かい方はじんわりと広がる余韻を楽しむ感じ。

Minimalのチョコを食べていると、同じカカオから作るチョコレートでも製法は無数に存在するのだなと思い知らされます。豆のコンディションによって、最適な製法も変わるのかもしれません。それまでほぼ社外秘で一般に出ることのなかった情報を開示する。これは真似をされるリスクもあるわけですが、常にトップランナーでありつづける覚悟の表れでもあると思います。カッコ良すぎて痺れますね。また面白そうな新作が出たら、試してみようと思います。

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