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特別陳列 国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛)」レポ

岡山在住の刀剣好きとしては行かなくてはいけないという謎の使命感すら感じた山鳥毛の展示に行ってきました。

展示は完全予約制ということだったのですが、後で予約しようを繰り返した結果予約いっぱいになるという予想外の事態に。
粘り強くキャンセル待ちをした結果、16日の朝一の回を予約することができました。

当日は8時前の電車に乗って長船へ。
御伴は初めて買った薬研と厚のもちでした。

30分ほど電車に揺られ長船駅へ到着。改札を出てすぐバスを探していたら運転手さんが声をかけてバスの方へ案内してくれました。
刀剣乱舞のキャラクターを身につけてたらすぐわかりますよね(笑)

バスで10分ほど移動し、長船刀剣博物館へ到着。
朝一のバスで開館前ということもあり、数人しかいない中で写真撮影。

近くにいたおばちゃんととうらぶ談義をしながら開館を待ちました。
2.5の話もしながら、刀剣乱舞にはまったきっかけなどを話しました。とても楽しかったです。どんな人でも同じ趣味を持つ人との話は良いなと思いました。最近じゃリアルで会って話すことも少ないですから…

そんなこんなをしているうちにあっという間に開館時間に。

入り口で消毒と検温を済ませチケットを購入し展示室へと足を進めました。


1回の展示室では、刀の刃文についての解説がありました。
刃文の作り方から、研ぎの段階別に刀の輝き方を見ることができました。


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2回の展示室は様々な刀が壁際の展示ケースに並べられている中で奥の方の真ん中にどんと大きな展示ケースと1振りの刀がありました。
その中にあった刀こそが今回のメイン山鳥毛です。

山鳥毛はその名の通り山鳥の羽根のような派手で豪快な重花丁子の刃文が特徴です。

山鳥毛を見るのは今回が7か月ぶり二回目です。
2月末にあった岡山県立博物館の展示にいったので。

一目見て引き付けられる派手で鮮やかな刃文。
大きな反りとそこそこある身幅で、とてもどっしりとした印象を持ちます。

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そして華やかな重花丁子とともに山鳥毛の特徴として挙げられるのが誉傷と呼ばれる鎺近くにある刃区の刃こぼれです。

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この刃こぼれが、山鳥毛が実践刀であったことの何よりの証拠となっています。

何回でも何時間でも見ていたくなる刀だなと思いました。10時からの人たちが入ってきたのでそんなに長々とは居れませんでしたが、とても充実した楽しい時間でした。

なんというか、さすがは刀剣専門の博物館という感じでした。
展示が本当に良かったです。

1階の展示室で、基本的な刃文を学んだあと2階でその応用のような刃文を見る。
1階も2階も一つ一つの刀にしっかりと解説があり、刀の伝来、歴史とともに刃文について場所を示しながら細かな説明がありました。

私が求めていた解説はこれだよ!!!!!

と内心拍手喝采でした。
どの博物館でもこれくらい事細かに解説してほしい。切実に。
いや、難しいのはわかってるんですけどね。

でも本当にわかりやすい解説で、どんな人が見ても理解しやすいだろうなと思いました。
山鳥毛の特徴的な刃文と合わせて様々なユニークな刃文を見ることができてとても楽しかったです。
三本杉と丹羽守吉道の簾刃は特に印象的でした。

これは三本杉の刃文の写真です

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また、ターゲット層に合わせて刃文が見やすいような高さにしてあったのだろうと思いました。コラボしている刀剣乱舞というコンテンツはユーザーの多くが女性ですから、おそらく女性が見やすいような設定にしてあったのではないかと思いました。
本当に見やすかったので(筆者は身長154cmです)。


展示を見た後は、物販へ。
クリアファイル2つと銘切プレートを購入しました。
銘切プレートには山鳥毛と私の名前(not本名)を彫ってもらいました。

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彫ってもらっている間にふれあい物産館へ。
自分のお土産用のお菓子を選びました。抹茶の塩ばあむとどらやきを買って、Twitterで話題になっていたマスカットのパフェを頼みました。

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パフェは塩バニラとマスカットの甘みとあんこの甘みがちょうどよくとてもおいしかったです。
お弁当がなかったのが残念でした。外で焼き立てのきんつばもいただきました。

銘切プレートを受けとって、ノートに感想を書いて旅は終了。
バスで長船駅まで向かい、電車で揺られて帰りました。

博物館、物産館の方々が本当に気さくでいい人ばかりで、とても楽しかったです。パフェも一人で食べきれてほかにもいろいろつまめるくらいの大きさだったので丁度よかったです。

女性が一人で来る可能性が高いということをよく考えられていたと思います。

ここ最近Twitterでは物産館の方が話題ですが、心から歓迎されているのがよくわかりました。
そして私たち刀剣好きや、とうらぶユーザーに関心を持ちまっすぐ真摯に向き合ってくれているのだと感じました。

こうして知ろうとしてくれることが何よりうれしいです。
知らないなりに知ろうとしてくれて、だんだんと来館者さんと話しながら、意見を聞きながら一緒に作り上げていく。
私たちも一緒に作る展示というのはとても素敵だと思います。

コロナウイルスの影響で来れなかった人もたくさんいます。そういった人たちがTwitterを見て次こそは行きたいと思ってくれていることが今回の展示が成功だったといえる何よりの証拠だと思います。

というか正直もう一回行こうかガチで悩み中だったりします。
展示はまあいいとして(一回見たし、見たい人はいっぱいいると思うので)、弁当とパフェ買いに行きたい。弁当食べれなかったの地味にショックだったので…
物産館が魅力的すぎる。


そんな個人的なことは置いておくとしても、今回これだけいい展示になったのは、来館者を思っていろいろ尽力してくれた博物館物産館の方々のおかげです。
皆さんが私たちとまっすぐ向き合ってくれたからこその結果だと思います。

おそらくこれからも多くの人が訪れてくれる博物館になるのではないかと思います。
長船全体を盛り上げるきっかけにもなりますし、同じ岡山県民としても盛り上がるのは非常にうれしいです。

ほかのジャンルで言えばガルパンと大洗のように、地域ぐるみで刀剣という日本の伝統を盛り上げる場所になってくれたらいいなと思います。

大きなイベントがなくても訪れたくなるような、一つの帰る場所として長船が候補になるようなそんな場所に、そしてこれからも多くの人に愛される博物館になることを祈っています。

さて、次はいつどこに何しに行こうかなあ。

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