山鳥毛の展示について

国宝「山鳥毛」が瀬戸内市の里帰りプロジェクトによって備前長船の地に帰ってきて初めてとなる今回の展示。

多くの人が一目見ようと博物館を訪れ、大成功と胸を張って言うことのできる展示だったと思います。

展示だけでなく、ふれあい物産館について多くの人が高く評価していることについて、このような高評価につながった要因を考えてみました。

なお、この先書いてあることは私個人の感想であり、事実と違う可能性があります。また、独断と偏見が多くあります。
ご了承の上お読みください。

1、人数制限

新型コロナウイルスの流行により完全予約制での展示となったわけですが、これがいい方向に作用したと思います。

瀬戸内市が購入してから初めてとなる今回の展示は地元の人たちも高い関心を寄せていたのではないかと思います。

また、今回の展示は人気オンラインゲーム「刀剣乱舞」とのコラボが決まっており、通常であれば非常に多くの人(ゲームユーザー=審神者)が訪れていたでしょう。

しかし密を避けなければならない関係上、一日の入場者数が制限されます。
完全予約制ということは一日に来る人の数がおおよそ予想が付くというわけです。

物産館自体そこまで大きな施設というわけではないように思いますし、もし人数制限がなかったらキャパオーバーだったのではないかなと感じます。

2、情報発信と来館者への向き合い方

今回の展示に合わせて物産館の公式Twitterが開設され、そこから多くの情報が発信されました。

今回の展示に来るであろう人(ターゲット層)が多く使うTwitterというツールを使用することで、ほしい人に必要な情報がいきわたっていたと思います。

また、物産館の方がTwitterのリプや反応を見ながら来館者の意見を取り入れ日に日に進化しているのがよくつたわってきました。
毎日進化しているというのは、訪れる人が何を求めているのか、どこを改善したらいいと思っているのかを受け止めているということ。

刀剣乱舞というコンテンツを知らないなりに、知ろうとする。

この向き合い方が非常に高評価だった要因の一つではないかと思いました。

知識を詰め込んでコンテンツのことを知った風にふるまうのではなく、知らないので勉強していきます、いろいろ教えてくださいという来館者やコンテンツを知っている人から教えてもらうというやり方のほうが私は少なくとも好感を持ちます。

知ってる知ってる、こういうやつだよねという決めつけは柔軟さなどを失う要因になりえます。

また、Twitter上の意見を早ければ次の日には取り入れ、それを細かく発信していました。

こうした、意見が反映されているということが実感できたのも好印象の一つだと考えられると思います。


3、テーマ展と山鳥毛の展示のマッチ

山鳥毛の一番の特徴と言えば間違いなく刃文です。

テーマ展ではその刃文に焦点を当て、山鳥毛の刃文がいかに特徴的で神秘的なものなのか伝わるようになっていました。

日本刀の鑑賞は慣れないとなかなか難しく、どこを見ればいいのかわからないという人もいると思います。
その中でも、初心者にわかりやすいのが刃文です。

1階の展示室で刃文の作り方と基本的な刃文の解説、その刃文をもった刀の展示を行い鑑賞のきっかけを作る。

2階ではその応用のような特徴的な刃文を持った刀の展示を行うとともに、ラスボスのように山鳥毛が待ち構える。

鑑賞方法を何も知らなくても楽しめる。
初心者でもわかりやすい展示だったと思います。

最期に出てくる山鳥毛の刃文は本当に圧巻で、そして異質だったように思います。

刀鍛冶の安藤広康さんがTwitterに「神が自ら創った様にしか思えない」と書かれていましたが、なんとなくそういいたくなる気が分かる気がします。


終わりに

長々と書いてきましたが、初回がこれだけ大成功に終わったこと、岡山県民として本当に嬉しく思います。

なかなかクラウドファンディングが集まらず、購入が危ぶまれた時期もありましたが、こうして里帰りができたこと、そして戻った長船の地で多くの人に迎えられ喜ばれたこと本当に良かったです。

これから定期的に展示が行われることになるでしょうから、また会いに行きたいと思います。

物産館についても、初回が大成功だったのでこれから先が求められるでしょう。
まあ、今回これだけのポテンシャルを発揮してくれたので進化していくだけだと思っています。
季節のパフェはぜひとも続けてほしい。
岡山のフルーツはおいしいしいろんなのがありますからね。

レポの時にも書きましたが、大洗とガルパンのようにいつ行っても温かく迎えてくれる場所、長船の地にファンが根付くような関係になってほしいと思います。

これから先も山鳥毛が、長船が、日本刀が、皆に愛されることを願って。

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