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海外大進学者を増やしたいわけではない!

こんにちは!
みんなの進路委員会代表の谷村です。
今日は最近聞かれた印象深い質問があったので、そのことについて書きたいと思います。

みんなの進路委員会では、地方の中高生に海外進学という選択肢があることを知ってもらう活動をしています。
現在、海外学部留学をする日本人は少なくとも1,000名超。ですが、その出身高校を調べると約70%が関東圏出身です。特に私の出身である四国地方は1%あるかないか。ですが、関東圏の高校生と四国地方の高校生に実力の差がはたしてここまで極端にあるのでしょうか。これは圧倒的な地理的情報格差が存在している証拠だと思います。

もちろん、SNSの発達により、地理的情報格差は解消へと向かっているかのように思えます。ですが、周囲に海外進学をする人が当たり前のように存在する都市部と比べ、四国をはじめとする地方では、そもそも海外進学する人が周囲にいないため、選択肢として「海外進学」という言葉が浮かびすらしない。だから、調べたらいくらでも情報が出てくるとは言っても、そもそもその単語で調べようという発想にすら起きないのです。

そうした情報格差を解消するために、様々な学校で海外進学に関するセミナーを開催する準備を進めています。そこで、必ずといっていいほど質問されるのが、「あなたは海外進学する人を増やしたいんですよね?」という内容です。たしかに、このような活動をしているので、そう思われても仕方ないかもしれません。過去には、誤解されて「やみくもに海外進学者を増やしたい頭の悪い大人」という趣旨の言葉をぶつけられたこともありました。ですが、私は結果として海外進学者が増える可能性はありますし、現状はあまりにも少ないので増える必要もあると思いますが、それが目的ではけっしてないのです。

私自身、学生時代は極めて狭い世界を世の中の全てだと思い込んで生きてきました。もちろん、いまの日本が鎖国しているわけではないので、世界の広さを情報としては知っていました。ですが、東京や大阪ですら夢の国のように感じていた四国の高校生だった私にとって、海外なんてファンタジーの世界でした。自分とつながっているリアルな世界とはとうてい思えませんでした。

世界と自分がつながっていること、世界を舞台に進路を選択できることを知っていることは、結果としてその道を選ばなかったとしても価値あることです。世界の中で自らの進路を吟味し、国内だろうが県内だろうが海外だろうが主体的に選択することが大事なのです。結果として同じ選択だったとしても、なにも知らず、ただその選択肢しか知らずに流されていくこととは見えている視座が大違いなのです。

私自身、このことに気づいたのは社会人になってからでした。そのことに非常に悔しい気持ちをしたのを覚えています。ぜひ多くの中高生には世界の中で自分を見つめる機会を持ってほしいと思います。

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