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グアテマラ ~今も残るマヤ文明の情緒~ | ミュージック・ジャーニーvol.80

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。

今回は、中央アメリカ北部に位置するグアテマラ共和国へ、駐日グアテマラ共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

グアテマラの旅のしおり
・首都グアテマラシティの見どころを巡ろう
・“世界一美しい文化イベント”「セマナ・サンタ」に参加してみよう
・マヤ文明の文化を体験しに行こう

カリブ海と太平洋に面するグアテマラは、美しい海と自然に恵まれ、一年を通して温暖で過ごしやすい気候が特徴です。紀元前1000年頃から約2500年にわたって「マヤ文明」が栄えた国でもあり、今を生きる人々の暮らしにもさまざまな形で当時の文化が根付いています。

今回の旅は、グアテマラの国民的楽器であるマリンバの演奏とともにスタートしましょう。2008年の民音公演「セントロアメリカの太陽」より、「アルフォンソ・バウティスタ・マリンバ・アンサンブル」の演奏で、『アヴェ・リラ』をお聴きいただきます。“ピッコロ”と呼ばれる高音部を用いたマリンバの超絶技巧をお楽しみください。

常春の地 首都グアテマラシティ

内陸の高原地帯にあるグアテマラシティは、国内でも特に気候が穏やかであり、“常春の地”と呼ばれています。推定300万人が暮らす中央アメリカ最大級の都市であり、グアテマラの政治・経済の中心地です。

エリア内にはグアテマラ建築の最高傑作と言われ、大統領官邸として利用されていた「国立文化宮殿」や、マヤの貴重な出土品が展示される「国立考古学民俗学博物館」など、貴重な施設が点在しています。また、ラテンアメリカ最大級の「ラ・アウロラ動物園」や1976年に開園した「ムンド・ペタパ」、ハイブランドの店舗やレストランが入居する「オークランドモール」など、アミューズメント施設や商業施設も充実しているエリアです。

カラフルな街並みが特徴の古都 アンティグア

アンティグアは、エリア一帯が世界文化遺産に登録されている古都です。スペインの植民地の首都として栄えた時代の名残が色濃く残り、石畳の道やコロニアル様式の建造物、カラフルで美しい街並みはどこを切り取っても絵になります。

多くの外国人観光客が訪れるアンディグアでは、イースターに先立って行われる「セマナ・サンタ(聖週間)」が大人気です。同様のイベントはスペイン文化圏の国々で幅広く行われていますが、なかでもアンティグアのセマナ・サンタは“世界一美しい”と称されています。

特に目を引くのは、キリスト像やマリア像を乗せた神輿が通る道を敷き詰める「アルフォンブラ」という美しい絨毯です。市民が競い合って作る絨毯は、果物や木屑、花などの素材でできており、カラフルで多彩なデザインが通りを埋め尽くします。

ここで、再び民音公演「セントロアメリカの太陽」より、「アルフォンソ・バウティスタ・マリンバ・アンサンブル」の演奏で『タフムルコ』をお届けします。

マヤ文明と人々の暮らし

マヤ文明は旧大陸の影響を受けず、石器のみで文明が築かれたのが特徴です。そのため、学問や建築技術、農耕技術といった分野が独自に進化し、その他の文明とは大きく異なる側面を持っています。

今回の旅では、マヤ文明の魅力に触れられる代表的なスポットへ足を運んでみましょう。

アティトラン湖と周辺の村

アンティグアからバスで3時間ほどの距離にある巨大なカルデラ湖「アティトラン湖」周辺には、20以上のマヤの村が存在しています。各村にはさまざまな個性がありますが、特に大きく違いを反映しているのが、民族衣装の「ウィピル」です。

マヤ文明には、東西南北と中心の5つの方角に対応する5種類の色彩が存在し、色彩豊かなグアテマラの織物は「グアテマラ・レインボー」と呼ばれることもあります。ウィピルの色彩やデザインも村によって多様な個性があり、寒色がメインのものや鳥や花を描いたもの、幾何学模様がベースのものなど、さまざまなスタイルが存在しています。

ティカル国立公園

「ティカル国立公園」は、マヤ文明の文化遺跡「ティカル遺跡」と「マヤ生物圏保護区」を有する区域であり、世界複合遺産に登録されています。マヤ文明最大の都市遺跡と言われており、3,000以上の建造物と多様な生態系は、世界的にも貴重な文化的価値を持っています。

グアテマラの音楽文化

冒頭でもご紹介したマリンバは、お祭りやお祝い事などのイベントで必ず演奏される重要な楽器です。ストリートでも演奏されており、街中ではさまざまな場所でその音色を聞くことができます。

グアテマラで発明された「マリンバ・ドブレ」(二段式のマリンバ)は、以後正式なマリンバとして採用され、クラシックをはじめ、世界各国の音楽シーンで用いられるようになります。世界的には1台のマリンバを1人で演奏するのが主流ですが、グアテマラでは複数人で弾くのが伝統的なスタイルです。

たとえば、グアテマラ最大のマリンバは、ピアノを超える11オクターブもの音域を持ち、7人の奏者で演奏するとされています。

編集部の“イチ押し”アーティスト:リカルド・アルホナ

今回のイチ押しアーティストは、グアテマラ出身のシンガーソングライター「リカルド・アルホナ」です。グラミー賞やビルボードラテンミュージックアワードなど、数多くの受賞経歴を持ち、ラテンアメリカでもっとも成功したアーティストの1人とされています。

同じくグアテマラ出身のアーティスト「ギャビー・モレノ」とのコラボレーションによる楽曲『Fuiste tú』をお聴きいただきます。グアテマラで撮影された美しい映像も併せてお楽しみください。

最後に、駐日グアテマラ共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。

1.BASTABA UNA MIRADA ―STEPHANIE ZELAYA

2.FRONTERAS ―GABY MORENO

3.¿DE QUE SIRVE QUERER? ― MALACATES TREBOL SHOP

皆さん、グアテマラへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日グアテマラ共和国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

ご案内

この記事は英文での提供もしています。
https://www.min-on.org/15536/min-on-music-journey-no-80-guatemala/

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