冬の帰り道

冷たい北風から顔を背けるように
約束の星座を見上げる

点滅するような輝きは
僕を呼ぶ君の声のよう

 わたしを忘れないで
 ふたりの約束を忘れないで

手を離したのは 僕のほうだった
臆病な僕は
この街から 出て行けなかった

忘れないよ 君のこと
忘れていないよ ふたりの約束

赤味を帯びて
ひときわ眩しく煌く一等星

 わたしの一番好きな星
 忘れん坊のあなたでも大丈夫

君のほうこそ 覚えているだろうか
遠くの街で 
この星を見上げているだろうか

 来年も再来年も 何年先でも
 この日の夜は きっと晴れるから
 ひとりでも 必ず 見て

君には すべて わかっていたんだね
僕が ひとりで この星を見上げることも
僕が この日を忘れないことも

僕が 待っていることも…

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