君のうた

君が切り取った情景
ふたりの思い出の場所
涙のサヨナラ

あの日の風景
あの日の言葉
風の匂いや 樹々のざわめき
すべてを鮮明に思い出す

色あせたはずの思い出が
君のうたで 色を取り戻す

笑って別れましょうと 言っていたのに
君は ずっと泣いていた
今日だけは我慢しないと 言いながら
僕も 涙をこぼした

辛かったはずなのに
君のうたが 時を引き寄せる

君は どんな思いで このうたを書いたのだろう
忘れずにいたのかな
思い出にもサヨナラしたかったのかな

それとも 僕と 同じ気持ちだろうか
もう一度読み返したら
この詩集を閉じよう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?