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小説

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生まれた物語が、誰かに届きますように。
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2021年12月の記事一覧

【小説】どこにでもある恋の終わり#3

【小説】どこにでもある恋の終わり#3

「今日のお昼はカレーだった」
「今日の月、綺麗だよ」
「駅の階段で転んで恥ずかしかったわ」
「残業ダルい」

 読まれることのないメッセージを送り続ける。
本当はこういう時、「あの時はごめん」だとか「やっぱりやり直そう」だとか言うべきなのだろうけど、送ってしまうのは他愛のないことばかり。

 誰かを好きになると言うことは、何かを共有したいことなのだと思う。
共有する時間が減り、内容が減り、私たちは

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