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MIMU
2024年5月7日 12:41
リラとパルム「……魔女、ですか」ヒナは商品の帽子のつばを整えながら、ぽかんとした顔で自身が働く帽子屋の店主を振り返る。店主は、オブジェとしてカウンターに置かれていた千歳緑の花瓶に、朝買ってきたというきれいな花をさしているところだ。ヒナがオレンジの目の猫と出逢う少し前の日のことだった。店主は細い銀縁の丸眼鏡越しの目を細めて、「そうなの」と笑った。「魔女って呼ばれてるひとがやってる花屋