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五行歌/俳句(心揺れたときに詠む)

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何か心が波立ったときに詠みます。
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たまには
星が見たいと
思ったら
ひとりでに
前を向けた

君の病気が良くなるように
絵馬を書いたよと言ったら
私の名前を遺してくれて
ありがとう、と
言われて泣いた

たまたまとなりに座った
女の涙まで
ふいてやらねばと
なぜ思ってしまうんだろう

女からの
視線を感じると
思ったら
首すじに
蜻蛉が止まっていた

血圧が
高いと言われたから
きっと
なにかひとつ
捨てていい

「エビデンスは?」
と言われたら
吐き気がするくらい
には
ろくでもない

食べ終えたアイスの棒が
なんかいとおしくて
ポケットに入れてしまった
そうかあ、これが
中原中也の気持ちか

ゆうべの夢を
もういっかい
見たくて
願いをこめた
ロヒプノール