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パソコン講師から見た、幼い子供のパソコン教育についてと環境の大事さ

パソコン教室には、
発達や性質に偏りのある子が親に連れられてくるケースも多い。
学校以外の居場所を探している場合、
人付き合いが難しくて、パソコンができるようになれば、何か役に立つかもと思っている場合、
パソコンやスマホを持たせておけば静かに集中できる、という場合。

最初のケースは、私もわかるので、ひとつの選択肢としてはありかと思う。ほかのこととバランスを取りながらが大前提ではあるが。
でも、注意してもらいたいのは、3つ目の、パソコンやスマホを持たせておけば静かに集中できる、という子供。それがないと、大騒ぎ。あれば、静か。551の豚まん状態?(関西の人しかわからん?)あるとき、ないとき。

そういう子供は、パソコンやスマホがあると表面上は静かに見えるけど、頭の中や目の動きは、めちゃくちゃ忙しいはず。それに引き込まれて、身動きもせず、見入ってる状態というだけで、集中して何かを学んでいる状態とは、多分脳波とか違う気がします。私の勘ですが。
だから、そういう子は気を付けないと、依存症になりやすいし、それがないとイライラが抑えられない、現実逃避状態が続く、ということになりはしないか。

そもそも、そういうタイプの子は、多動とかがあって交感神経が立っている。そういう状態で、パソコンやスマホを長時間すると、余計眠れなくなるし、脳がとても疲れた状態になるから、生活でほかのことができなくなっても不思議ではないのは想像できますよね。

だから、パソコンやスマホを持たせると静かだから、集中できるのはそれだけだから、と余計にさせるのは、とても危険に思う。

私だったら、そういう子を何とかしてあげたいとしたら、田舎の家に住んで、毎日田んぼや川や山で遊ばせたい。思う存分、身体を使って、疲れて眠る。五感を目いっぱい使わせてあげたい。週末だけでも。
川に入るのが好きな子は、ひたすら入っていてもいいし、
虫を追いかけるのが好きな子は、ひたすら虫を追いかけてもいい、
そこは埋没してもいい。おタクになればいい。

息子は、屋根や壁がないところだと、のびのびと、手がかからなかった。
屋根や壁があるところでは、イライラするらしく、大声を出したり、妹を押したりしていたので、なるべく広いところに遊びに連れて行きました。

大人になった彼に聞くと、壁や屋根がある狭いところや、ショッピングモールは、目がちかちかしたりして、イライラする感じだった、と教えてくれました。当時は、言葉にできなかったようで、ただイライラとハイパーになっていたのですが。
そんな状態の彼に、まだパソコンやスマホがそんなに普及していない時代で良かったと思います。

私の勘だけだけど、パソコンの中のバーチャルの世界は、身体の五感を全く使わない。小さい頃からそっちの世界に行きっぱなしでは、この世で生きて生きづらくなるのは当たり前ではないか?

触れて、においをかいで、飛んだり跳ねたり転がったり、砂の感触、水の感触、風の感触、湿度感、相手との距離感、人の手の冷たさやぬくもり、痛みや心地よさを体で感じさせてあげてほしいです。

私も子育て時代そうだったから、なかなか環境を変えるのは難しいのはわかってます。
でも、その子が、私という親がいなくなってからまだ先30年は生きて行かないといけない。
生きて行きやすいようにしてあげるには、自分はここにいて大丈夫、という感覚を育ててあげることしかない。

だからこそ、幼いほど、パソコンの世界ではなく、ほんものの自然の中に親子で飛び込んでいく決意をしても、時間もお金も全然もったいなくないと思う。少しの勉強の遅れなんて、長い人生、どこででも取り戻せます。
でも、自分はここにいて大丈夫、という感覚は、一度失うと、取り戻すのに本当に苦労します。思春期以降、苦しい苦しい日々が続くかもしれない。
そうなってから、対処するとなると、家族全体が大変なことになるし、何より本人が苦しいのはかわいそうです。

思春期までの幼児期から少年少女期の間に、
「自分はここにいて大丈夫」という、安心感を持てるように育ててあげる環境を持たせてあげてください。
それが何より大事なこと。
学校に行くより、九九を覚えるより、お友達とうまくやれることよりも。

私はそう思います。

シュタイナー学校では、高等部からパソコンを使います。
遅ければいいとも思わないけど、それからでも全然遅くはなかったなと思います。世間の子供たちより遅れていることは全くないです。高校生くらいの子供たちは、興味を持てばあっという間に習得しますから。

それまでは、手を使って手仕事をし、指や手の感覚、身体の感覚をたくさん使って、絵を描いたり、モノを作ったり、畑仕事をしたり、鬼ごっこをしたり、五感を使うことは、結局、脳をよく働かせることにつながるだろうと思う。

昭和生まれの私たちは、まだまだ良かったですよね。
住宅地に住んでいても、空き地がたくさんあって、虫もいて、草花も生えていて、時間もたっぷりあった子ども時代。
その時代に、どんなことをして遊んだか、何が心地よくて好きだったか、
大人が思い出して、そんなことを子どもたちにたくさん与えてあげたいですね。

私たち大人も、働き方や生き方をたくさんの選択肢から選ぶ時代。
いい大学に行くことや、人に勝つことが人生の成功ではない時代です。
子どもの長い人生と共に、大人も自分の長い人生をどう生きるのか、家族でどう過ごすのかを長い目で見て考えて選択できると良いなと思います。
大切な子どもたち、、、長い人生を、生き生きと楽しんで生きてほしいです。

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