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【オフィシャルレポート】『ビニールハウス』主演キム・ソヒョン&イ・ソルヒ監督登壇 日本最速上映イベント!

第27回釜山国際映画祭で3冠を獲得したキム・ソヒョン主演のサスペンス『비닐하우스(原題)』が邦題『ビニールハウス』として、2024年3月15日(金)よりシネマート新宿ヒューマントラストシネマ渋谷ヒューマントラストシネマ有楽町アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開。


『ビニールハウス』の日本公開を記念して、主演のキム・ソヒョン氏(以下キム氏)と監督・脚本・編集を手掛けたイ・ソルヒ監督(以下イ監督)が韓国より緊急来日し、シネマート新宿にて開催の日本最速上映会後のトークイベントに登壇しました。本作で韓国主演女優賞ほか6冠の快挙を成し遂げたキム氏と、第27回釜山国際映画祭で3冠を獲得するなど、鮮烈な長編監督デビューを果たしたイ監督が作品の見どころを語りました。

透明なようで中身がよくわからないビニールハウスは、ムンジョンそのもの

まず本作の脚本を読んで出演を決めたというキム氏は、貧困や孤独、高齢者をめぐる介護や認知症といった社会問題を鋭く切り込んだ本作について「他人の話とは思えませんでした。過去に自分が感じたことがこの物語に込められているように感じましたし、未来の自分のことかもしれないというふうに思い、涙を流しました。」とコメント。本作が長編初監督作となるイ監督は、キム氏に特別な演技指導はしなかったと明かし、「このような俳優さんに再び出会えるかなと思うくらい、ムンジョンのことを深く理解していて、とても驚かされました。」と応えた。キム氏は「ムンジョンは不幸に見えるかもしれませんが、ムンジョンの人生を受け入れながら、幸せでいたいという自分の気持ちを重ねていたんです。なので辛く感じられなかったんです。」とムンジョンのキャラクターを分析。


イ監督は「私自身、ビニールハウスがたくさんある園芸団地で生まれ育ったので、馴染みのあるビニールハウスを題材に選びました。タイトルも『ビニールハウス』にしたのは、ムンジョンを代弁しているようなものだと思ったんです。黒いビニールで覆われているビニールハウスは中が見えそうで見えない。透明なようでよくわからないという感情をムンジョンを通しても感じてもらいたいと思ったんです。」とコメントした。


「イ監督は良い友人で、今後ますます活躍してほしい」互いに愛の告白も

 また第27回釜山国際映画祭で3冠を獲得するなど、2023年の韓国映画賞に旋風を巻き起こしたことに対してキム氏は「脚本を読んだ時点で、賞をいただくような作品になると感じました。賞をいただけたのは監督が素晴らしいシナリオを書いたからであり、私はそれに乗っかって賞をいただけているのではないかと思います。」。さらにイ監督について「良い友人に出会えたなと思います。期待できる監督として今後ますます活躍していってほしいと心から願っています。本当に愛しています。」と告白すると、イ監督は「私も愛しています。」と応え、仲睦まじいやりとりに観客から拍手が巻き起こる一幕も。

さらに会場に集まったキム氏のファンからの質問コーナーで、日本で行ってみたい場所を聞かれると、「東京タワーです。東京タワーが描かれたとても好きな映画があり、東京に来る度に東京タワーに訪れています。そして寿司が大好きです(笑)。」と解答。さらに19歳になる愛犬との生活について「ムンジョンのように、私も介護人として愛犬をケアする人生を過ごしています。幸せに余生を全うできるように見送りたいと思っています。」と明かした。

イ監督は今後の展望について、「私は実は面白い人間なので、コメディを撮ってみたいと思っていたんです。自信があったので、コメディの脚本をプロデューサーに見せたのですが、これはダメですねと言われてしまい、再び犯罪スリラーの脚本を書いています(笑)。皆さんにはたくさんの期待を寄せていただけたら嬉しいです。」とトークを締めくくった。

<イベント情報>
映画『ビニールハウス』公開記念トークイベント付き日本最速上映会
2月29日(木)東京・シネマート新宿 開演:18:25 
登壇ゲスト:キム・ソヒョン、イ・ソルヒ、SYO(MC)


 ●登壇ゲストプロフィール
キム・ソヒョン(Kim Seo-hyung)

1973年10月28日、韓国、江原道江陵市生まれ。1994年、KBS公開採用タレントとしてデビュー後、『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』(18-19)の入試コーディネーター役で大ブレイク。その他の出演作に『悪女/AKUJO』(17/チョン・ビョンギル監督)、ドラマでは『誰も知らない』(20)、『Mine』(21)など。さらに角田光代原作で、宮沢りえ主演の同名映画のドラマ版リメイク『紙の月』(23)の主役を演じる。本作『ビニールハウス』では、第59回 大鐘賞、第32回釜日映画賞、第43回韓国映画評論家協会賞、第43回黄金撮影賞で主演女優賞を受賞し、韓国主演女優賞4冠に加え、第13回美しい芸術家賞独立映画芸術家賞、第31回大韓民国文化芸能大賞最優秀賞受賞、計6冠の快挙を成し遂げた。


イ・ソルヒ(Lee Sol-hui)
1994年生まれ。成均館大学校で視覚芸術を学んだ後、『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督や『スキャンダル』(03)のイ・ジェヨン監督らを輩出した名門映画学校、韓国映画アカデミー(KAFA)で映画監督コースを専攻。初の短編映画『The End of That Summer』(17)は第18回大韓民国青少年映画祭、第14回堤川国際音楽映画祭にて上映された。2021年には『Look-alike』(20)が第22回大邱インディペンデント短編映画祭のコンペティション部門に、『Anthill』(20)が第26回釜山国際映画祭のWide Angle部門にノミネートされ注目される。初の長編映画『ビニールハウス』(22)は、第27回釜山国際映画祭でCGV賞、WATCHA賞、オーロラメディア賞を受賞し、新人監督としては異例の3冠を達成。さらに第44回青龍映画賞、第59回大鐘賞映画祭で新人監督賞にノミネートされた。





『ビニールハウス』2024年3月15日(金)より
シネマート新宿ヒューマントラストシネマ渋谷ヒューマントラストシネマ有楽町アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開ロードショー


 【STORY】ビニールハウスに暮らすムンジョンの夢は、少年院にいる息子と再び一緒に暮らすこと。引っ越し資金を稼ぐために盲目の老人テガンと、その妻で重い認知症を患うファオクの訪問介護士として働いている。そんなある日、風呂場で突然暴れ出したファオクが、ムンジョンとの揉み合いの最中に床に後頭部を打ちつけ、そのまま息絶えてしまう。ムンジョンは息子との未来を守るため、認知症の自分の母親を連れて来て、ファオクの身代わりに据える。絶望の中で咄嗟に下したこの決断は、さらなる取り返しのつかない悲劇を招き寄せるのだった――。

監督・脚本・編集:イ・ソルヒ
出演:キム・ソヒョン、ヤン・ジェソン、シン・ヨンスク、ウォン・ミウォン、アン・ソヨ
2022年/韓国/韓国語/100 分/カラー/2.39:1/5.1ch 
原題:비닐하우스 字幕:大塚毅彦 配給:ミモザフィルムズ
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