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イタリア映画好きの普通のおじさんが、映画会社を作った話。

イタリア映画好きが高じて60歳を過ぎてから映画会社を設立、『最初で最後のキス』『天空の結婚式』(ミモザフィルムズ配給作品)の買い付けをされた日本イタリア映画社代表の黒崎政夫さんの驚きの会社設立エピソードです。

*日本イタリア映画社公式サイト↓


日本イタリア映画社の黒崎です。

60歳過ぎたら我儘に生きてみよう、好きなことしてみようと前々から思ってました。世間では男は定年後、蕎麦打ちにハマるとか女性なら花屋をやりたいと思っている人が多いようですが、私の場合は部屋が自宅に余ってたので国際交流も兼ねて民泊を始めました。

45歳までは大手小売業(その会社は後年倒産)で総務の仕事をしていましたが、早期退職してとりあえず郵便局で働いてましたが、それがなぜか60歳になるまで続いてしまいました。

そして退職後、生きてるうちにサグラダファミリアを見ておこうと思ってバルセロナに旅立ちました。行きの機内で上映されていたイタリア映画が後に買い付けることになる『最初で最後のキス』で、「いじめ」「孤立」「孤児」「セクシャルマイノリティー」等重たいテーマなのに、ミュージカル風なところもあり、楽しかったので往復の機内で7回も観てしまいました。


なぜって、シンガポール経由で片道20時間も乗ってたのですから!エコノミークラスでそりゃ疲れるし、普段飛行機の中では映画を観ると目が疲れるので普段は観ない人が夢中になりました。

バルセロナに着いた後も昼は観光、夜はホテルでこの映画のことを調べたり、イタリア人の友人とメールしたりして情報を収集していました。帰国後、この映画を日本語で観たいけど、日本に来るのかどうか気になってイタリアの権利元にメールをしてみたら、日本ではまだ誰も買ってないことが判り、ひょっとして自分でも買えるのかな?と思って値段も尋ねてみました。そしたら自分でも買えない値段でもないことが判りました。(実際にはその値段で済む訳が無いのですが)

果たして自分のような者が映画を買えるんだろうか?
買ってもそれからどうすれば上映に漕ぎつけるのだろうか?
と判らないことばかりで悶々としてました。

それからです。映画の権利は個人ではなかなか買えない。相手が信用してくれないから会社を作らなきゃならない。(実際には個人で買った人も数人は過去に居たそうですが。) ネットで調べてみたり、映画業界について書いてある本をAmazonで全て、(と言っても7冊位でしたが)取り寄せ、夢中で読みました。それから会社設立のしかたが買いてある本も3冊取り寄せ読んでみました。民泊も辞めました。

そして会社を設立してからイタリアの映画の権利元に連絡して実際にローマに行き、その時は商談だから一応通訳を付けようと頼んでいたのですが、直前になって通訳会社から見つからないとキャンセルされました。

それなら仕方ない。学生時代に夜3年間九段下にある、イタリア文化会館でイタリア語を習ってその後全く使ってなかったので通じるか不安でしたが、何とか行ってみれば話が通じました。そうしてようやく無事権利を買うことができました。

その後、映画の配給に関する講習会や学校もあったので2つに参加して、こっちは経験の無い素人なので人の三倍速で知識を習得しなければと思って必死で講師の話を聞いたり、質問したりしました。

こうして、60過ぎて映画の世界に飛び込んでみた訳です。いくつになってもまた何か新しいことにチャレンジすることは人生百年時代、楽しくて生き甲斐になりますね。


さて、最近のイタリア映画でコメディは如何でしょうか?イタリアはアルプス以北の国々と違って空の青さも海の青さも光輝いてるようにコメディもカラッとしてますよ!

元々旅行が好きで30代から50代まで有休を使ってはアジアとヨーロッパをメインに旅行してました。タイのビーチにあった本屋で「死ぬまで見ておきたい1000の場所(1000 PLACES TO BEFORE YOU DIE)」と言う本を買ってからは、暇な時はこれを見てました。それでバルセロナのサグラダファミリアを生きてるうちに見たいために、行きの飛行機の中で見た映画が私の人生後半を大きく変えてしまった次第です。それが青春映画の「最初で最後のキス」です。

映画は学生時代は年に100本位見てましたが、社会人になって忙しくなり30代40代は年に10本も見なかった時期が続いてました。50過ぎてからは主に舞台、演劇を観るようになり、ミュージカルをメインに観てましたが、50代後半になって、映画のシニア割引があるので、早く60にならないかな?と思ってました。(私の母は早くお迎えが来ないかな!と言ってたのが口癖でしたが)それで60になってまた映画を観るようになりました。

だから若い頃の映画評論家は淀川長治さん、小森和子さん、おすぎとピーコさんだったのに、気がつけば映画評論家の方達は、町山智浩さん、LiLiCoさん、ライムスター宇多丸さんとかに世代交代してました。

ところが「最初で最後のキス」の契約をしに行く時の飛行機でまた出会ってしまいました。何でしょう?コメディです。その映画は「マイアミビーチ」と言う映画でしたが、(今はどうか判りませんがその後YouTubeで見れました)次はコメディをやりたいなと言う気持ちが膨らんで来ました。次は楽しい映画が良いなと。

それを「最初で最後のキス」の権利元の女性に話したら、「コメディは宗教や文化が違うから難しい、イタリアと同じ文化だとスペインや南米ね」と言われました。確かにコメディは台詞も多く、字幕翻訳者泣かせだし、日本の寅さんを外国人に見せて解るか?と言われたら難しいでしょう。それでも、その映画の権利元にメールしたら「いくらで買いたいのか?」と逆に問われて、かなり安めに言ったら、話にならないと言う感じでそれ以上メールが途切れてしまいました。こっちはそれから相手の言う値段と交渉して詰めて行くつもりでいましたが残念。

そんなこんなでいたところ、その映画の監督は亡くなり、前作「最初で最後のキス」の字幕翻訳者さんから「天空の結婚式」のイタリアで売られてるDVDを見せていただきました。その時はそれ程ピンと来なかったのですが。


これもまた、その年の秋にイタリア行く時に乗った飛行機でやってて見たら、結構良いじゃない!と言うことになり、2日後にローマに来る友人に機内でやってるから「見て見て!」(親の面倒もみて!じゃありません!)とメールしてしまいました。調べたらオフブロードウェイのロングヒット作と書かれていて、G7各国で上映されてて、台湾でも上映されてるのを知り、一気に買い付けた次第です。

「天空の結婚式」、もしコメディに文法というものがあるのなら、その文法の教科書をまた1ページ開いた気がしました。私はラスト近くのシーンで元カノが「お願い私の願いを一つ聞いて」と言い、アントニオが「いいだろう」と答えたら、元カノが「2つ!」と言って、そう来たか!と思ったシーンが一番好きです。


私の好きな女優ミア・ファローが出演の映画で「見えない恐怖」(1971)と言う作品がありましたが、今のこの新型コロナのウイルスが、まさに「見えない恐怖」として蔓延しています。

ただ、映画が好きな人にとっては映画館がクラスターになっていないことが唯一の救いだと思います。映画だとスクリーンに向かって無言で見てるだけなので、大人しく鑑賞する分には安全だと思われます。ぜひ皆さん、映画館でご覧になって下さい!


【日本イタリア映画社買付作品】


チラシ_表

天空の結婚式_ポスター

映画『天空の結婚式』

YEBISU GARDEN CINEMA、新宿シネマカリテほか全国絶賛公開中!

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映画配給会社ミモザフィルムズ公式サイト→http://www.mimosafilms.com/ Instagram→ http://instagram.com/mimosafilms/