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『パトリシア・ハイスミスに恋して』『PERFECT DAYS』ハイスミスとヴェンダースをつなぐ2つの本編映像解禁!

『太陽がいっぱい』『キャロル』『アメリカの友人』を生んだアメリカの作家パトリシア・ハイスミスの知られざる素顔に迫るドキュメンタリー『パトリシア・ハイスミスに恋して』が、2023年11月3日(金・祝)より新宿シネマカリテBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下アップリンク吉祥寺ほか全国絶賛公開中。

パトリシア・ハイスミスとヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』をつなぐ2つの本編映像が解禁!


パトリシア・ハイスミスはアルフレッド・ヒッチコックからルネ・クレマン、クロード・シャブロル、アンソニー・ミンゲラ、トッド・ヘインズといった映画監督たちが原作の映画化を切望してきた作家です。文章を読んで広がる映像のイメージの魅力もさることながら、時には同時代の社会的モラルについて考えさせる物語も大勢の観客を魅了して離しません。名匠とされるヴィム・ヴェンダースもおそらくその一人です。今回、『パトリシア・ハイスミスに恋して』と『PERFECT DAYS』の公開に関連して、奇しくも作家パトリシア・ハイスミスと映画監督ヴィム・ヴェンダースをつなぐ2つの本編映像が解禁となります。

まず、『パトリシア・ハイスミスに恋して』(22)からは本編中に引用される『アメリカの友人』(77)のワンシーンです。『太陽がいっぱい』(60)の原作である「トム・リプリー」シリーズの第3弾として発表された「アメリカの友人」は、ヴィム・ヴェンダースが監督し、主人公リプリーを『イージー・ライダー』(69)のデニス・ホッパー、額縁職人ヨナタンを『ベルリン・天使の詩』(87)のブルーノ・ガンツが演じています。デニス・ホッパーがテンガロンハットをかぶったリプリーを演じ、その意外性と共に話題となりました。20作品以上の小説のほとんどすべてが映画化されているハイスミス原作映画のなかでもファンの多い作品であり、中にはアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』(60)や、ケイト・ブランシェット主演の『キャロル』(15)を凌いでベストに挙げる評者もいるほどです。


そして、もう一つは、先頃、日本でも第36回東京国際映画祭のオープニングで上映された『PERFECT DAYS』(23)のワンシーンです。第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞(役所広司)とエキュメニカル審査員賞を受賞し、第96回米国アカデミー賞国際長編部門の日本代表にも選ばれ、12月22日の公開に向けて大きな話題を呼んでいる本作。実は、この映画の中にもパトリシア・ハイスミスの小説が登場します。解禁されたワンシーンでは、役所広司演じるトイレ清掃員の平山が休日に古書店を訪れ、ハイスミスの短編集「11の物語」(70)を手に取る場面を見ることができます。古書店主の女性が「パトリシア・ハイスミスは不安を描く天才だと思うわ。恐怖と不安が別のものだって彼女から教わったの」と平山に語るシーンも、ハイスミス作品の熱心な読者には味わい深いセリフでしょう。『PERFECT DAYS』ではまた、平山の日常に「ある思いがけない出来事」が起こると、観客が平山に抱く謎を代弁するかのように、平山の周りの登場人物が彼に様々な問いを投げかけます。それが何なのかは是非スクリーンでご覧頂きたいと思いますが、『パトリシア・ハイスミスに恋して』を観て、ハイスミスの人生に触れた後で観ると、ヴェンダースがハイスミスの小説を登場させた意図を感じられるかもしれません。



『PERFECT DAYS』
12月22日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
©︎2023 MASTER MIND LTD.

『パリ、テキサス』(84)、『ベルリン・天使の歌』(87)などの傑作を世に送り出し続けた名匠ヴィム・ヴェンダース・彼がリスペクトする役所広司を主演に、公共トイレ清掃員の日々を描く。第76回カンヌ国際映画祭にて最優秀男優賞(役所広司)とエキュメニカル審査員賞を受賞した。

監督:ヴィム・ヴェンダース
主演:役所広司、柄本時生、中野有紗、アオイヤマダ、田中 泯、三浦友和


【パトリシア・ハイスミス プロフィール】
1921年1月19日、アメリカ、テキサス州フォートワース生まれ、ニューヨーク育ち。バーナード・カレッジ在学中より短篇小説の執筆を始める。1950年に発表した長編デビュー作『見知らぬ乗客』でエドガー賞処女長編賞を受賞、本作は翌年ヒッチコック監督により映画化。1952年、クレア・モーガン名義で自らの体験を基にしたロマンス小説『キャロル』を刊行。その他の主な著書に「トム・リプリー」シリーズ、『水の墓碑銘』、『殺意の迷宮』など。1962年よりヨーロッパに移住。1995年、スイスのロカルノで死去。74歳没。

【STORY】
トルーマン・カポーティに才能を認められ、『太陽がいっぱい』『キャロル』『アメリカの友人』を生んだアメリカの人気作家、パトリシア・ハイスミス。生誕100周年を経て発表された秘密の日記やノート、貴重な本人映像やインタビュー音声、タベア・ブルーメンシャインをはじめとする元恋人たちや家族によるインタビュー映像を通して明かされる、多くの女性たちから愛された作家の素顔とは―。ヒッチコックやトッド・ヘインズ、ヴィム・ヴェンダースらによる映画化作品の抜粋映像を織り交ぜながら、彼女の謎に包まれた人生と著作に新たな光を当てるドキュメンタリー。

監督・脚本:エヴァ・ヴィティヤ 
ナレーション:グウェンドリン・クリスティー
出演:マリジェーン・ミーカー、モニーク・ビュフェ、タベア・ブルーメンシャイン、ジュディ・コーツ、コートニー・コーツ、ダン・コーツ
音楽:ノエル・アクショテ 
演奏:ビル・フリゼール、メアリー・ハルヴォーソン
2022年/スイス、ドイツ/英語、ドイツ語、フランス語/88分/カラー・モノクロ/1.78:1/5.1ch 原題:Loving Highsmith 字幕:大西公子 
後援:在日スイス大使館、ドイツ連邦共和国大使館 
配給:ミモザフィルムズ
© 2022 Ensemble Film / Lichtblick Film

『パトリシア・ハイスミスに恋して』
2023年11月3日(金・祝)より
新宿シネマカリテBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下アップリンク吉祥寺ほか全国絶賛公開中

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