映像クリエイターチームでYouTube配信?vlogチャンネル開設の裏トーク
mimosa、ついにYouTubeチャンネル開設するってよ!
ということで先日、ダイジェスト動画が公開されました。
このチャンネルは、mimosa卒業生がプロジェクトメンバーとなり企画運営を行い、女性動画クリエイターたちのvlogを配信します。
※この記事はチャンネル公開直前に取材しています
今回はvlogプロジェクトの裏側に迫るため、各チームリーダーの3名をお招きしました。彼女たちは一人でも戦える実力を持ちながらも、なぜチームを組むことを選んだのでしょうか。
人生がちょっと豊かになるvlog大集合
-Youtubeチャンネル開設おめでとうございます!
▶︎Mami:公開前はお祭り感ありましたね(笑)
▶︎Icchi:毎日のようにチャットでやりとりして、スタートアップ感がすごかったですよね!
-「クリエイターたちの作るYouTubeチャンネル」という発想にワクワクしますが、なぜチャンネルを立ち上げることになったのですか?
▶︎Icchi:始まりはmimosa生同士で「家族や友達、恋人との時間をvlogに残したいね」という純粋な会話がきかっけだったと思います。そこから、駆け出し動画編集クリエイターの私たちの抱える「YouTubeチャンネルを始めたいけど、一歩踏み出せない」という課題を解決するために、mimosa運営陣のアイディアから企画が生まれました。最近のSNSは毎日投稿が基本ですが、YouTubeを定期配信することはとてもハードルが高いですよね。しかも、チャンネルを育てるには相当なコミットが必要です。「それなら、動画制作に携わる私たち編集者が集まって、チャンネルを運営すれば良いのでは!」という発想から走り出しました。
-そこに共感したmimosa卒業生20名が集まり、プロジェクトが始動したのですね。どんな内容のチャンネルになりますか?
▶︎Icchi:代表Shioriさんのお言葉を借りると「つくり手と視聴者の人生がちょっと豊かになるvlogチャンネル」ですね。現在、10本ほど完成し、順次公開しています。
-作品はすべて見られましたか?
▶︎Icchi:はい。と言うより、初稿の段階からメンバー全員に公開され、それぞれメンバーが感想を伝え、ShioriさんがFBしてくださるスタイルで。直接ShioriさんがFBくれる機会は稀なので、実践的に作品の魅せ方を学べる場だと感じています。
チームでアイディアを広げ、絞る
-デザインチームではどのような取り組みをされていますか?
▶︎Sahiro:デザインチームではvlog動画内で使用するオープニングタイトルやそのアニメーション、エンディング、サムネ、YouTubeバナー、アイコンなど、あらゆるデザインを担当しています。
▶︎Mami:チャンネル名のロゴデザインめっちゃいいですよね!
▶︎Sahiro:一つのチャンネル内でつくり手の異なるvlogを配信するので、それぞれの作品の個性を生かすために「シンプルかつオシャレに」「ハンドメイド感があって柔らかさがあるイメージ」というShioriさんからのオーダーがありました。
▶︎Icchi:「シンプル×おしゃれ」は、難易度の高いオーダーですね(笑)
▶︎Sahiro:そうなんです(笑)このデザインが決まるまでに、チームメンバー7名それぞれがアイディア出しを行いました。
▶︎Icchi:同じ依頼一つとっても、色んな表現方法がありますね。
▶︎Sahiro:それが面白いですよね!これだけ幅広いアイディアを出すには、なかなか一人の引き出しだけでは難しいので。
この案の中から完成に持っていくのですが、「依頼人のイメージを具現化し、それをデザインに落とし込む」という作業では、いざデザインしてみると「想像していたものとなんか違う…」ということが多々ありました。
みんな手探りでしたが、チームでイメージを膨らませて議論を重ね、デザインする作業を繰り返しました。でも、それがいいんですよね。「視点を変えてアイディアを広げ、より洗練されたデザインに落とし込む」という工程は、チームでデザインするからこそできる良さだと感じました。
作り手のストーリーを届けるSNS運用
-分析チームでは、どのような取り組みをされていますか?
▶︎Mami:公開後はアナリティクス解析などがメインになりますが、(取材時の公開前は)まず広報面を強化する準備を始めました。私を含めチームメンバー全員がSNS運用は初めてだったので、手探りで勉強しながらリサーチを重ねています。
実は私、以前からSNS運用をやってみたかったんですよね。ただ、自分一人でゼロから何かを立ち上げて運用するのは現実的ではなくて。だから、ありがたい機会だと思って今回コミットしてみました。
とは言うものの、初めはノリで参加したはずなのに、本気になると意外と大変なことが多く…
▶︎一同:あはは(爆笑)
▶︎Mami:でも、みんなのvlogがチャットでシェアされ始めると、気持ちが強くなりました。つくり手が自分と向き合って作品を仕上げていくプロセスを見ていると、こっちも本気になるというか。そうやって心のうちに秘めた思いや、普段あらたまって言わないような言葉を映像にのせて制作された作品は、ストーリーが最高なんです。
だから、一人でも多くの方に見てもらうためにチャンネル集客力を強化したいなと。まだどんな人にそれぞれの作品が響くか見えないので、今はそれがすごく楽しみです。そして、視聴者からの反応がクリエイターのためになると嬉しいですよね。
-Mamiさん自身、せっかく動画編集スキルがあるのに、自分はつくり手にならなくていいんですか?
▶︎Mami:私自身もvlogは作っていますが、最近になって「誰かのストーリーを届ける」ということに、夢中になっている自分に気づきました。昔から自分の中からビジョンが出てくるタイプではなく、ビジョンを持つ人の横で頑張れる人なんですよね。
動画編集を始めたのも、自分を発信するより「応援したい他者のストーリーを届けるためにスキルを習得したい」という気持ちがありました。例えば、私はお笑い芸人さんが好きで「原石を発掘して売れていく過程に携わりたい、一緒に仕事がしたい」という夢がありました。だから、mimosaのみなさんのストーリーを届けることは、今の私のやりたいことに近いんです。
▶︎一同:じ〜ん(感動)
自分の役割を超えて
-進行管理リーダーのIcchiさん、20名の進捗を管理するのは骨の折れそうな仕事に感じますが、実際はいかがですか。
▶︎Icchi:すべてがまだ妄想でしかないんですよね。
▶︎一同:も、妄想?(笑)
▶︎Icchi:(取材時は)まだ一度も発信してないし、この計画がうまくいくかも誰もわからない。特に進捗管理は自分一人が頑張ればどうにかなる仕事ではないので、みんなに助けてもらいながら進めています。
理想は週に2本の配信を目指し、常に1ヶ月ほどストックがある状態を目指したいんですが、なかなかハードですよね。お互いが「誰かが出すだろう」という雰囲気にならないように、感情を抜きに納期の声かけをしないと…って思っています。
-やさしいIcchiさんは、感情を無視できなそうですが(笑)
▶︎Icchi:「仕事が忙しくて〜」と言っている方には「ちゃんと休んでね」と言ってしまいますね(笑)
-Icchiさんはクリエイターとして、ご自身一人でもチャンネルを運営できるほどの腕があるのに、なぜチームで動くことを選んだのですか?
▶︎Icchi:私は今まで様々な組織に属してきたけど、特に「私はこれ!」とつきぬけられるような人でもなくて。
-Icchiさんがカメラマンを務めるウェディングポートレートの世界観、私は大好きですよ。
▶︎Icchi:スキル云々というよりも、自分の創造性への自信に欠けると言うか。ただ、ずっとクリエイティブに携わることに憧れがあり、自分らしい関わり方を探してきました。そんな中で、今回のプロジェクトを通してチームで一つのものを作り上げるという感覚は、私が求めていた世界に近づいていると気づきました。つまり、様々な才能を持った方がチームとして活動するためには、役割分担が大切ですよね。だから、自分にもできる役割があると思ったんです。
-チームで活動する中で、どんな自分の新しい役割に気づきましたか?
▶︎Icchi:どうしても今回のようなオムニバスチャンネルは、意識しなくてもメンバー同士で作品を比べてしまうんですよね。今の時点でも「自分のスキルが追いつかなくてしんどいです」とこぼしてしまう方もいて。これは自然な感情だと思いますが、そんな中で自分が作品をつくる以外でできる役割と言ったら、そういう潰れてしまう人がいないようにケアすることだなって。
今までも動画編集を学ばれている方が、色んな理由で脱落されてしまうのを見てきて。そんな時「彼女たちにどんなサポートがあったら、動画編集の道をあきらめなかったのか」と、思うことがありました。
チームって、魅力的なリーダーがいれば成り立つものではなくて、メンバーがいて初めて成り立ちますよね。だから、私はひっぱることはできないけど、メンバーのケアはできそうだな、やりたいなって思うんです。
-実際、メンバーにどんなケアを心がけていますか?
▶︎Icchi:vlogはつくり手が自分自身と向き合って、自分の内側にある思いを一生懸命表現して作りあげていきます。そんな中で、講師陣から技術的なフィードバックを行うと、その人らしい語尾などが洗練されてしまったりする場合もあって。もちろん目指すビジョンに沿って、ぎこちない表現は変えるべきなんですけどね。
でも、vlogって内面の表現だから、アドバイスに自己否定の意図がなくても、そう感じとられてしまうこともあるんですよね。実際はどうかはわかりませんが。私はそのつくり手さんにしか表現できない素敵な部分を見つけたら、「あの部分めちゃ良かったです」と、思っているだけじゃなくて、直接本人に伝えるようにしています。
▶︎一同:じ〜ん(感涙)
個々のスキルが、チームを飛躍させる
-Sahiroさんはグラフィックチームとして、今後どう進んでいきますか?
▶︎Sahiro:仏のIcchiさんの後は答えづらい…
▶︎一同:あはは(笑)
▶︎Sahiro:この1ヶ月準備する中で、メンバーそれぞれの好みや得意な分野・スキルが見えてきたので、それを伸ばしてみんなで成長しながらより良いチャンネルにしたいですね。私もこれを機にペンタブを買ったので、手書きデザイン、アニメーションの研究をしたいです。
サムネイルも、分析チームから頂いたデータを元に、ブラッシュアップを重ねて再生回数を獲得していきたいですね。
▶︎Mami:それで言うと、グラフィックチームには本当にお世話になってます。広報準備をしていると「アレもあったほうがいいよね!」ということが急に出てきて。立ち上げ段階は、決まった仕事が予測できるわけでもないので、行動するうちに仕事がどんどん増えて…めっちゃ短納期でお願いしてしまい…
▶︎Sahiro:私もそれを「できます!」と引き受けてメンバーに割り振り相談してしまうので、チームメンバーから恨みを買ってるかも…
▶︎一同:爆笑
-きっと、このプロジェクトを通して、めきめき腕を磨くメンバーがたくさんいるんだろうなと想像できます。メンバーも、そしてチャンネルも、今後の展開が楽しみですね。本日はありがとうございました!
「早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければ皆で進め (If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together. ) 」というアフリカのことわざを体現しているようなプロジェクト。
読者の皆さん、ぜひチャンネル登録して、自分の人生を重ねながらご覧いただけたらうれしいです。
【取材・文=渡邉茜(mimosa2期生)】
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