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本ときどき書評

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読書は大好きで、いい本に出会うと、この本もう一度読むと、腑に落ちるだろうなと思いはするけれど、他に読みたい本だらけ、だから立ち止まって書評なんて、なかなか書けないのです。
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2024年4月の記事一覧

社会学してみる

社会学してみる

 ここ数日、岸政彦の日記みたいな本を読んでいる。何と言うんだろう、世の中のどうでもいいようなことに如何に気づくか、社会学者の職業病なんだろうか、そういう性格故に社会学者になったのか定かではないけど、そのどうでもいいようなことを如何に文字にするかが勝負なんだと読み取ってしまう。

 例えば、読みかけの本を取り落とした時に、落としたことよりも、本に挟んでいた栞が本から抜け落ちたことにショックを受けて、

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圧巻の677ページ

圧巻の677ページ

 「荒野の向日葵」(野村 和志著)拝読させて頂きました。長い道のりを一緒に読み歩いた感覚にさせられました。障害当事者がご自身で書いた本では口述とは言え最高水準だと思います。感動しました、素晴らしい作品でした。とても自費出版の範疇に収まる作品ではないですよ。商業出版で沢山の人に読んで貰いたいと思いましたよ。

 著者の自伝という一本の物語に、関わった様々な人たちの生き様と考え方まで、加えて、その時代

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