幼少期のはなし

いつの頃からかはっきりは覚えてないのだけど、気づいた時には継母は、私にとって恐怖の対象になっていた。

保育園に連れていってもらえない、というのもそのはじまりの一部ではあったと思う。

その頃から、継母は私にはたいしてことあるごとに体罰をくわえるようになっていた。

理由は些細なこと。要するに継母の虫の居所が悪いかどうか、だったが。

その体罰も最初は手で叩くだけだったのが、

自分の手が痛いから、という理由で布団叩きのような棒で叩かれることが増えた。

細い硬い棒で叩かれるととにかくみみず腫れになったし、何日もアザになった。時にはその棒のほうが折れたこともあった。痛くて泣けば余計に怒らせるので声を必死に殺していた。

そのうち、叩かれない日はないくらいになっていった。

あの頃の5歳の私は気づかなかったが、あれは体罰ではない。虐待だったのだ。 

あの頃の私は、虐待、という言葉すら知るはずもなかったのだけれど。


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