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公園サッカー・ジョガボーラ・防災の視点が交錯したZOOMおしゃべり会レポート!

 昨夜は、公園サッカー・プレイパークの活動をされている保育士経験のある方と、防災・地域コミュニティ・まちづくりを専門とする大学の先生の3人で、ZOOMでおしゃべり会を実施しました。

1.育てる・引き出す・表現させる

 学校教育や少年団、部活動など、日本社会は、「教育」の「教」の要素が強すぎるのではないか、子どもがもともと既にもっている個性や良さを引き出す「育てる」の要素が少ないような気がする、という話題の中で、元保育士の方のお話では、保育士の世界では、「心の土台をまずしっかり育てる」というところは共通理解としてできていて、まず最初に「子供の権利条約」などもしっかり学ぶというお話もしていただきました。子供は大人に意見を言っていい、自己表現していい、そういうことは、保育士の世界では当たり前だと。では、なぜ小学校に上がると、急に先生が受け持つ子供の人数が大幅に増えたり、集団教育的になったり、物理的にもひとりひとりを大切にするなんてできない仕組みになってしまうのか、保育士さんたちがせっかく育ててきた「子供たちの個性を育てる・引き出す・自己表現させる」というやり方を、小学生以降も、もっと継続してやっていくべきなのではないか?と耳すまは強く感じました。

2.地域社会の中にある団体として

 少年団は、地域社会があってこその存在だけど、あまり地域に根差した活動を行っていないような気がする、という指摘もありました。自治体によっては、「動員」という形ではありますが、地域のお祭りに参加したり、地域の行事に参加している少年団もあるようですが、少年団は、たしかに一スポーツ団体として完結しているイメージが強く、地域コミュニティの中で機能しているという側面はあまり感じられませんね。

3.遊び、余白の価値・重要性に気付いている人が少ない、どういう届け方をしたら広まっていくのか?

 サッカーやスポーツは、本来遊びである、楽しいものである、そういう価値を広げていきたいが、シンポジウムなどを開いても、そもそもそういうことが普段からできているような人しか来なくて、遊びや楽しくやることの価値を軽視している人にはなかなか届かないという現状があるそうです。耳すまはジョガボーラの活動を始動させたことで、いろいろな人たちが少しずつ意識が変化してきているのを目の当たりにしているので、「継続あるのみ」、続けてれば、必ず新たな展開や、ガッと広がっていく局面がやってくる、と信じています!というお話をさせていただきました。

4.地域コミュニティがもうほとんどなくなってきていないか?

 地域コミュニティがほとんどなくなってきていて、このままだと本当に日本社会はヤバいんじゃないか?という話題も出ました。自治会役員や少年団役員など、全体的に高齢化してきているのは事実としてあるでしょうし、子育て世代との意識格差があり、地域コミュニティが機能していないというのは一般的な全国各地の現状になってしまっていると思います。それでも、目立たなくても、子育て世代が場づくりを始めたり、当事者として頑張り始めている事例も点在しているので、やっぱりこれも継続あるのみ、で、あるタイミングで広がっていくまで、やり続けるしかないのではないか、というお話をしました。日本人の特性として、染まりやすい、手のひらを返しやすい、長いものに巻かれやすい、というのはあると思うので、それを否定的にとらえるのではなく、良いことをしっかり継続し、信頼があると判断されれば、あるタイミングで、コロッと方針転換する人は続出するのではないか、というお話もしました。

5.サッカーは、みんなの関係性の中に関与しているという実感をもつことに大きな意味がある!

 子供たちのサッカーを観ていると、巧い子だけで関係性をつくっていて、その時点であまり技術の伴っていない子が蚊帳の外になってしまいがちな現象を見かける、という指摘があり、公園サッカーの活動をされている方は、3対3のフニーニョを積極的に取り入れるなどして、全員が主人公になるような工夫を実施しているというお話がありました。耳すまからは、低学年であっても、「ボールを持っていないときの準備の面白さの魅力」を工夫して伝えれば、準備の意識が高まり、ボールを持っていない時間帯も夢中になってサッカーをする子どもの姿は引き出せるのではないか、という話もしました。ボールを持っている・持っていないにかかわらず、「人間関係の中にしっかり入れているな」という実感を全員にもってもらうことは、サッカーをする上で、非常に大切なポイントだと思います。

6.非常時だけ助け合うということは不可能、日常的に信頼関係を築いていることが、防災などの非常時にも力を発揮する!

 防災を専門テーマとする大学の先生の参加もあったので、防災の話もしました。非常時だけ、急に助け合いましょう!となっても、そう簡単にそういう関係性を築くことは難しいわけで、やはり日常的に信頼関係を築いている地域というのは、非常時も強いのは間違いない、とお話してくださいました。

7.まとめ

 あっという間の2時間半でした。一見無駄にみえるようなこと、とりとめもないおしゃべり、話を聴いてもらえること、そういうことって、意外と、のちのち大きな力になったりするんだよなーということを改めて感じるおしゃべり会となりました。

・「育てる・引き出す・表現させる」という保育の世界では当たり前の子供への接し方を、どうしたら、小学生年代以降も継続していけるのか?

・スポーツのもつ「遊び」「余白」の価値の重要性が、どうしたらもっと広まり、場づくりが当たり前の日常として広がっていけるか、という工夫の仕方

・現代社会においても、地域コミュニティは、防災など非常時の時を考えてみても、必要不可欠。継続あるのみ、地域コミュニティを現代社会の中で根付かせる工夫

・子どもが、自分が人間関係の中にしっかり関与できている、という実感を持たせられるように、見守ることの大切さ!

以上4点が特に課題なのかなと思いました。今後に生かして、また何かしらの形で企画して、サッカーの遊び場づくりが、日常をつくり、コミュニティをつくり、非常時にも役立つような、そんな社会形成につながっていくように、日々、いろんな人と信頼関係をつくる努力をつづけながら、頑張っていきたいと思いました!

お話してくださったお二方、楽しく充実した時間をありがとうございました!

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