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初・オフライン開催の「エキスパートアワード2022」主催者が語る、「やり抜いたからこそ見えたもの」

株式会社ミーミルは2023年3月10日、「EXPERT AWARD 2022」を開催しました。

3回目にして初めてのオフライン開催となった本イベントでマネージャーを務めたのは、2022年7月にミーミルに入社したExpert Marketing Divisionの眞下和也でした。

ミーミルに入社するまではデザインやBtoBマーケティングに携わってきた彼にとって、業務でのイベント企画は初めてでしたが、表彰式と交流会は大盛況のうちに終了。開催後、エキスパートの皆様に回答いただいた参加者アンケートからは満足度が高かったことが窺え、「大成功」と言って差し支えない結果となりました。

そんなアワード運営を経て彼が体感した「やり切ることの大切さ」や「ミーミルやNewsPicks Expertの魅力」を語ってもらいました。


「神は細部に宿る」 よい体験をつくるため、準備には念を入れた

Expert Marketing Division 眞下和也さん

まず、エキスパートアワードとはどんなイベントなのか、教えてください。

NewsPicks Expertが主催する年に一度の特別なイベントです。ご登録いただいているエキスパートのうち、前年1年間の活動において、数多くの実績を残されたエキスパートの方々を特別招待し、特に優れた実績や評価を残された方々の表彰、またエキスパート同士の交流を目的として開催しています。

今回は、2022年の活動実績をもとに、ユーザベース丸の内オフィスで表彰式と交流会を開催しました。 

眞下さんは前回のエキスパートアワード開催時、まだミーミルには入社していませんでしたよね。未経験のイベントを取り仕切る不安はありませんでしたか。

前回のイベントマネージャーだっただまさん(兒玉優香)がしっかりと引き継ぎのドキュメントを残してくれていたので、大きな不安はありませんでした。

一方で、これまでと違い、今年はオフライン開催。「その場で、その瞬間しか味わえない体験をつくりたい」と考えていました。

初めてのリアルイベント運営でしたが、その点で力を入れたことはありましたか。

当日の表彰式後、ともに準備期間を走り抜けたリーダーのかおるさんと

実は準備を進める中で、考え方を決定づける大きなきっかけになったことがありました。

それは、所属するチームのリーダーである川口かおるさんの言葉でした。彼女は前職で新卒採用に携わるなどイベント運営の経験を持ち、週に一度は会場で顔を合わせて準備をするなど、一番近くでアワードの準備を支えてくれた存在です。

会場の受付やクロークの導線について検討していたときのことです。配置するスタッフの人数について、僕は「少なくても回るし、むしろ来場してくれたエキスパートが滞留することによって会話が生まれるかもしれない」と考えていました。しかし、かおるさんは「それは違う、懸念があるよ」とはっきりと伝えてくれました。

僕はあまりリスクヘッジをしないタイプで、このときも「その場の雰囲気でなんとかなるだろう」と考えてしまっていました。でも、大規模イベントのノウハウを持つ彼女が指摘してくれたことで、「場を提供するだけでは足りない、徹底して作り上げることがいい体験につながる」と気づくことができました。結局、受付の数を増やして体制を厚くすることにして、エキスパートをお待たせしないオペレーションを組むことに決めました。

そこからは頭を切り替え、「どうすればストレスない体験を提供できるか?」ということを念頭に、資材やスタッフの配置、人流について綿密にシミュレーションを行い、少しでも違和感があれば徹底して潰し込むようになりました。

また、当日は多くの社員がスタッフとして参加する計画になっていたので、それぞれの役割ごとにマニュアルを準備し、必要な情報を盛り込みました。事前の説明会やリハーサルも入念に行い、誰も迷うことがないよう工夫しました。


エキスパートと仲間を大切にするミーミルのメンバーが誇らしかった


ミーミル社員が次々と会場入り

受付やクローク、交流会のファシリテーターなどとして、30名の社員が会場に集まったんですよね。

ユーザベースのバリューのひとつである「渦中の友を助ける」がミーミルに根付いていることを強く感じました。年度末で主業務も忙しい中、多くのメンバーが力を惜しまず快く協力してくれました。

エキスパートは、我々のサービスの根幹を支えてくださっている、ミーミルにとって大切な存在です。その思いを口で言うのは簡単ですが、イベントの中でエキスパートの皆様に還元するのは難しいことだと思っています。でも、アワードでそれぞれが役割をまっとうしてくれて、ミーミルメンバーがみなエキスパートを大事に考えていることが本当によくわかりました。

普段の業務で関わる機会が少ない人とも力を合わせてこのイベントを作り上げられたことを、誇りに思っています。

眞下さんは当日はどんな思いでいましたか。

直前まで参加する方のお問い合わせ対応に追われるなどバタバタしていましたが、準備をやりきった自信があったため、落ち着いて会場入りすることができました。

実は、受付が開いたあと、ちょっとしたハプニングが起きたんです。しかし、周囲の社員の協力も得てその場ですぐにリカバリーし、計画通りイベントを進行することができました。事前準備をぬかりなくやっていたから、焦ることなく想定外の事態に対応できたのだと思っています。

表彰式では裏方に徹していたため、エキスパートの皆様の表情を見ることができなかったのですが、交流会で多くの方とお話しできました。交流会は予定より早く始まり、最初からものすごい盛り上がりでした。その時点でイベントの成功を確信し、ほっとしました。

エキスパートと対面するのは初めてだったと思います。どんな感想を持ちましたか。

僕はエキスパート登録やその後のエキスパート活動の支援をミッションとする部署にいますが、実際の案件のご案内などでエキスパートと関わる機会はありません。その分、普段から積極的に皆様とのWeb面談の機会をいただき、おひとりおひとりがどのような方なのか理解しようと努めてきました。ただ、今回のようにエキスパートとリアルでお会いするのは初めてでした。

交流会に参加して、面談やメールでは見えない情報がリアルにはある、と強く感じました。ミーミルでご活躍いただいている皆様の、お名前やお顔、雰囲気をキャッチすると、当然のことですが、エキスパートは皆様、属性や年代、性別、そしてお人柄など、さまざまな方の集まりなのだな、ということを実感を伴って理解することができました。

エキスパートの方々に対して、恐縮せず、もっと懐に飛び込んでいってもいいんだな、と思いました。


全力で取り組むことを選択して見えた、自分の強み

作成した動画はイベントを大いに盛り上げた

エキスパートと直接お会いすることで大きな気づきを得ることができたのですね。今後の業務には生きそうですか。

現在、エキスパート登録の促進施策やエキスパートの皆様からのお問い合わせ対応、NewsPicks Expertのサイトリニューアルまで、幅広い業務に従事していますが、エキスパートの皆様が多様であることを念頭に、どうすればよりよい体験を提供できるだろうか? と考えながら業務に取り組めるようになったと思います。人対人の温度感を持って対応する部分と、そこにエネルギーを割くために仕組み化できる部分との切り分けも、考えていきたいです。

そして、自身のキャリアについても、アワードがきっかけとなり考えるようになりました。

僕は大学でデザイン学を専攻し、新卒で入った企業ではプロモーション企画やクリエイティブのディレクションに携わっていました。その面からもイベントを盛り上げたいと、イベント冒頭で流す映像や、クライアントの皆様に協力いただいたエキスパートの皆様へのメッセージ動画づくりといったクリエイティブ作業にも力を入れていたんです。

制作作業は本当に楽しく、また見てくれた方から高い評価をいただくことができて、自分は「あらゆる物事をデザインすること」が好きなんだ、と再確認できました。

動画を例に挙げましたが、他にも、印刷物や空間づくりといった具体的なアウトプットを作ることが好きだし、自分には職人気質なところがある、ということに気づいた感覚がありました。

新卒の企画職を経て次に入った会社ではマーケティング職に就き、ミーミルでも引き続きマーケティング業務に携わっています。

最初に転職したときは、「デザインは感覚的なものだから何かが足りない」という思いが募り、成果を基準として価値にこだわりたいと考えて、「マーケティング」というデザイン以外の道を選びました。ミーミルに入社したのもその延長でした。人や仕事に向き合うときに、自分が手段をたくさん持っていれば早く解決させることができると思っていて、「How」の数を増やして成長したいと考えていたんです。

デザイン業務で得た「身体感覚」に加え、マーケティング経験から「ロジカル思考」を学び、対極的な2つの考え方、バランス感覚を持ち合わせることができたと感じています。それにより、幅広い打ち手を獲得できてきたのが今のフェーズだと思っています。

とはいえ、同時に「How」に固執していた自分がいたのも事実で、持てる手段が増えれば増えるほど強くなれるような気がしていました。しかし、ある程度幅が広がってくると、その中でも最も自分がワクワクする原点となる強みにフォーカスして、その専門性をより伸ばしたいという思いに気づきました。また今回、これまでの経験を通して得たそれらの力を総動員させて具体的なデザインや施策をアウトプットできることが自身の強みだと、確信を得ることができました。自分のベースである「デザイン」に立脚できたという、「一周回った」感覚です。


考え方の変化を図にして語る

正直、イベントの運営周りの準備と並行してクリエイティブ制作をするのは大変でした。リーダーのかおるさんは労働集約的にならないよう僕のことを心配してくれていましたが、できあがった制作物や周囲の反応を見て「心が動いた」と話してくれました。彼女はイベント運営をサステナブルなものにするべく心を砕きつつ、僕のデザイン方面のエッジを尊重して、応援してくれました。

現在所属するチームは少人数ですが、それぞれが「自分らしくあっていい」と感じられるいい補完関係を築けていると思います。苦手なことは苦手だと言っていいし、得意なことで貢献したい。そのためのチームなんだ、と考えられるようになりました。そして、今後は自身の強みであるものづくりのアウトプットを増やせるよう、その領域に軸足を置きたいという思いが強くなってきました。

全力でイベントに向き合ったからこそ、本当にやりたいことや、チームの中での自分のありかたが見えてきたんですね。ミーミルでは今後、どんなことをやっていきたいですか。

「”表現”を通じてそこに”物語”を紡ぐ」ということを、これまでと変わらず、エキスパートの皆様に向けてやっていきたい。

人とのコミュニケーションにも強く関心を持っており、受け手の体験を想像してアウトプットを具体化できるのが自分の強みだと思っているので、今後もあらゆる施策への可能性を模索・実行して、エキスパートの皆様に活躍の機会や特別な体験を提供していきたいです。アウトプットは、モノや場所、文章など、有形・無形にとらわれず、どういった形でも思いは同じです。

次回のエキスパートアワードについては、今回の事後アンケートの結果や当日に気づいた反省点など、小さな改善点がすでにいくつか見えています。今回のアワードも充分に成功だったと思っていますが、10点満点で言うと8点くらい。2点分ののびしろはあるはずで、例えば本当はエキスパートの皆様がよりよい形で参加・交流できる企画を作れたのかも、など、改良できそうなことをいろいろと考えています。参加してくださる方にとってより実りある機会にできるよう、慢心せずアイデアを出していきたいです。


受賞者にお贈りしたクリスタルトロフィー

編集後記

筆者は「受賞者選定のためのデータ出し」という役割でエキスパートアワード準備に関わりましたが、当時の眞下さんとのやりとりで感じたのは「周囲の仕事を尊重する姿勢」でした。担当業務であるイベントそのものの準備を高い求心力で進めつつ、よりエキスパートの実績や評価に詳しい、クライアントワークを通じてエキスパートと向き合うチームのメンバーから広く意見を集めながら多くのことを決めていく姿が印象的でした。

小さな部署を中心に、周りを巻き込んでイベントを作り上げていくのは大変な作業だったはずですが、今回のインタビューで、チームや会社への信頼が根底にあったおかげで、安心して準備に情熱を注ぐことができたのだろうと感じました。

ちなみに眞下さん、アワードの9日後に結婚式を挙げたそうです。式の準備には半年以上かかったそうです! 運営の企画・ムービー制作をアワードと結婚式の双方で、並行して準備していたため、公私ともに多忙な期間を過ごしていたとか。でも、式の参列者から「これまで招待された中でいちばんいい式だった」「おもてなしされている感がすごくあった」という言葉を投げかけられたり、逆にエキスパートアワードのムービー制作には先行して進めていた結婚式の映像制作で得た技術が生きたり、相乗効果もあったようです(笑)。


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